クジラたちを脅かす海の環境破壊_1
投稿者: capt_paul_watson 投稿日時: 2008/06/10 17:49 投稿番号: [15 / 2396]
──捕鯨が絶滅の駄目を押すマルチ・インパクトの脅威──
数字のみを見て、「クジラが絶滅する心配はない」と決めつけるのは早計です。一部の捕鯨擁護派や日本の研究者も指摘(だけ)していることですが、クジラたちを脅かしているのは何も捕鯨ばかりではありません。それらの要因はいずれも、私たちニンゲンの活動と深く関わっています。そして、これらの問題を抜きにして捕鯨の是非/クジラの保護を語ることはできません。なぜなら、商業捕鯨は様々な脅威にさらされているクジラたちを一段と追い詰めるものだからです。
大がかりな狩猟・採集による乱獲は、それだけでも鳥獣、魚類など多くの野生動物の絶滅をもたらす要因として決して無視し得ないものです。しかし、十分な生息数・繁殖率を持つとみられる種であっても、そこに森林伐採による生息地の破壊といった他の要因が重なることで、容易に絶滅へと追いやられます。多くの野生動物の絶滅は、生息環境の悪化と汚染や乱獲、外来種の導入などの要因が付け加わることにより引き起こされるのです。リョコウバトやドードー、日本のオオカミやカワウソ、トキ、コウノドリなどはその典型的な例です。個々の影響がいかに小さく見えても、それらが相乗的に働くとき、種にとってはまさに命取りになるのです。有害物質汚染による致死的・非致死的影響、分布域の縮小・分断、生息環境の質の変化は、対象種の死亡率の増加や繁殖率の減少を招き、さらにそれが競合者や捕食・被食者との種間関係の変化、種内多様性の減少をもたらし、ますます死亡率増加と繁殖率減少が加速するという悪循環に陥ります。それらはダブル・トリプルのダメージとなってジワジワと、あるいは突然効いてきて、健全な個体数と繁殖力のもとでなら乗り越えられたであろう狩猟圧・漁獲圧にも、耐えることが不可能になります。付け加えれば、食物連鎖のピラミッドの頂点に近い、個体数が少なく繁殖率も低い大型で長寿命の動物ほど、他の種に比べ汚染や生息地破壊の影響に対して脆く、人為的な捕獲圧に対する復元力も低くなります。野生動物の絶滅を防ぐうえで何より真剣に考慮しなくてはならないのは、複合要因に基づくマルチ・インパクトなのです。
対象の生物種とそれを取り巻く自然にどのような変化が起きているか、ということにはまったく目を向けようとせず、商業捕獲という直接的なインパクトまで加重しようとする──そんな日本の姿勢は、野生動物の絶滅と生態系の破壊に対する基本的な認識が、この国にはまったく欠如していることを示しています。いま必要なのは、ゴミや化学物質を海に流したり、干潟やサンゴの海を埋め立てたり、魚を獲りすぎたりすることをやめ、クジラや他の生きものたちの暮らしやすい健全な海の姿を取り戻すこと。そして、最低限それまでは、商業捕鯨のモラトリアムを実施・継続するべきなのではないでしょうか?
商業捕鯨の継続を唱える立場であれば、当然のことながら日本は、欧米とは比較にならないほど進んだ開発規制や汚染防止への取り組みを示す責務があるはずです。しかし、残念ながら、地球温暖化対策、有害廃棄物の海外輸出、同じく大量の海洋投棄(不法を含む)、有機スズ等の化学物質規制、石油流出対策、どれをとっても後ろ向きで、陸上の野生動物やクジラの保護と同様、欧米諸国に対して胸を張れるとは到底言いがたいのが実情です……。
以下に、クジラたちを取り巻く海の環境破壊について、ざっと解説してみたいと思います。
数字のみを見て、「クジラが絶滅する心配はない」と決めつけるのは早計です。一部の捕鯨擁護派や日本の研究者も指摘(だけ)していることですが、クジラたちを脅かしているのは何も捕鯨ばかりではありません。それらの要因はいずれも、私たちニンゲンの活動と深く関わっています。そして、これらの問題を抜きにして捕鯨の是非/クジラの保護を語ることはできません。なぜなら、商業捕鯨は様々な脅威にさらされているクジラたちを一段と追い詰めるものだからです。
大がかりな狩猟・採集による乱獲は、それだけでも鳥獣、魚類など多くの野生動物の絶滅をもたらす要因として決して無視し得ないものです。しかし、十分な生息数・繁殖率を持つとみられる種であっても、そこに森林伐採による生息地の破壊といった他の要因が重なることで、容易に絶滅へと追いやられます。多くの野生動物の絶滅は、生息環境の悪化と汚染や乱獲、外来種の導入などの要因が付け加わることにより引き起こされるのです。リョコウバトやドードー、日本のオオカミやカワウソ、トキ、コウノドリなどはその典型的な例です。個々の影響がいかに小さく見えても、それらが相乗的に働くとき、種にとってはまさに命取りになるのです。有害物質汚染による致死的・非致死的影響、分布域の縮小・分断、生息環境の質の変化は、対象種の死亡率の増加や繁殖率の減少を招き、さらにそれが競合者や捕食・被食者との種間関係の変化、種内多様性の減少をもたらし、ますます死亡率増加と繁殖率減少が加速するという悪循環に陥ります。それらはダブル・トリプルのダメージとなってジワジワと、あるいは突然効いてきて、健全な個体数と繁殖力のもとでなら乗り越えられたであろう狩猟圧・漁獲圧にも、耐えることが不可能になります。付け加えれば、食物連鎖のピラミッドの頂点に近い、個体数が少なく繁殖率も低い大型で長寿命の動物ほど、他の種に比べ汚染や生息地破壊の影響に対して脆く、人為的な捕獲圧に対する復元力も低くなります。野生動物の絶滅を防ぐうえで何より真剣に考慮しなくてはならないのは、複合要因に基づくマルチ・インパクトなのです。
対象の生物種とそれを取り巻く自然にどのような変化が起きているか、ということにはまったく目を向けようとせず、商業捕獲という直接的なインパクトまで加重しようとする──そんな日本の姿勢は、野生動物の絶滅と生態系の破壊に対する基本的な認識が、この国にはまったく欠如していることを示しています。いま必要なのは、ゴミや化学物質を海に流したり、干潟やサンゴの海を埋め立てたり、魚を獲りすぎたりすることをやめ、クジラや他の生きものたちの暮らしやすい健全な海の姿を取り戻すこと。そして、最低限それまでは、商業捕鯨のモラトリアムを実施・継続するべきなのではないでしょうか?
商業捕鯨の継続を唱える立場であれば、当然のことながら日本は、欧米とは比較にならないほど進んだ開発規制や汚染防止への取り組みを示す責務があるはずです。しかし、残念ながら、地球温暖化対策、有害廃棄物の海外輸出、同じく大量の海洋投棄(不法を含む)、有機スズ等の化学物質規制、石油流出対策、どれをとっても後ろ向きで、陸上の野生動物やクジラの保護と同様、欧米諸国に対して胸を張れるとは到底言いがたいのが実情です……。
以下に、クジラたちを取り巻く海の環境破壊について、ざっと解説してみたいと思います。
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