中朝条約の改正提言 詳報
投稿者: sofiansky2003 投稿日時: 2003/10/04 00:55 投稿番号: [89125 / 232612]
再掲かも知れませんが、気になったもので。
別に中国の公式方針でもないのですが、こういう見解も出てくるようになったということです。
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中朝条約の改正提言 詳報
中国社会科学院の学術誌「世界経済と政治」(最新号)掲載の論文「北東アジア安全維持の当面の急務」(沈驥如博士著)の詳報は以下の通り。
◇
一、危険な駆け引き
ブッシュ米大統領が朝鮮(北朝鮮、以下同じ)を「悪の枢軸」と呼んで以来、米朝関係は急激に悪化した。核拡散防止条約を脱退し、核兵器開発の権利を有するとする朝鮮に対して、米側は武力行使の可能性を排除しない一方、多国間協議による平和解決の意向も表明してきた。
だが朝鮮側は硬軟いずれの対応にも応じず米朝の駆け引きは険悪の度を増している。「労働新聞」は六月十七日の社説で米側が何らかの措置を取った場合の報復ほか、朝鮮半島が有事に陥った場合に戦火が日本に及ぶと警告した。
現在、米朝の駆け引きは敵意に満ちており、どちらかが相手のシグナルを読み誤れば戦争状態を招き周辺国にも影響が及ぶ状態だ。まず韓国は米軍が中南部に撤退することで、ソウルなど工業都市は廃虚となるだろう。朝鮮も米側の空爆により焦土と化す。
つぎは日本だが、朝鮮側が戦火の拡大を警告する状態で、人口と産業が密集する日本がこうした警告を座視することはない。中国も砲弾を浴びないとはいえ影響を免れない。日韓との貿易・投資の低下など経済的な損失に加え、中国側に流れ込む大量の難民が中国に経済、社会的負担を強いる。
筆者の試算によれば、米朝が戦争に陥れば中国の国内総生産(GDP)は10−20%下落することになる。極東ロシアも影響が確実であり、朝鮮の核問題の解決に各国が努力することは、北東アジア地域と世界の平和にとり重大な問題だ。
二、2つの課題
米朝の争いに関して国際社会は二つの現実的な課題に直面している。一つは朝鮮半島に壊滅的な打撃が及び、日中露に拡大する事態をどう防止するかだ。唯一の方法として、筆者は米朝がまず会談し、関係国による多国間協議がその成果を担保すべきと考える。両者は相互補完的なもので、どちらかを欠くことはできない。
もう一つは国際的な核拡散防止体制の是非である。もし国際社会が朝鮮の核開発計画を阻止できなければ、「自衛」を理由にさらに二十カ国以上が核兵器開発に踏み切るだろう。核拡散防止体制の崩壊であり、新たな核の軍拡が二十一世紀の平和と発展を脅かす。許してはならない事態だ。
三、新たな措置
朝鮮の核開発問題に関する中国政府の立場は明確だ。すなわち(1)朝鮮半島の非核化(2)核拡散防止条約からの朝鮮脱退の不支持(3)核拡散防止体制の維持が国際社会の共通利益(4)安全保障に関する朝鮮の合理的懸念の解消−など。
中国が朝鮮の石油輸入の70−90%、食糧輸入の三分の一を占めるとして、中国を含めた国際圧力に期待する声も欧米にある。だが、制裁は万策尽きた後に国連で検討されるべきだ。
中国政府には、以下の点で日韓などと外交協力を進めるよう提言したい。
中朝友好協力相互援助条約につき、軍事支援条項の削除を公然と朝鮮政府に求める。軍事同盟の性格をもつ条約は、核問題がなくとも改正すべきである。朝鮮の核開発を支持しないと声明した以上、核問題で米朝が戦争状態となっても中国が出兵することはあり得ない。
また、公然と交渉を要求するのは各国に中国の立場を知らしめるためだ。仮に条約改正で一致できなくとも、条約があれば中国に参戦義務があるといった、旧条約の維持による誤ったシグナルを朝鮮当局に与えることは避けられる。
四、伝統の見直し
核問題の円滑な解決には伝統的な理念の見直しも必要だ。中朝間の軍事支援条項削除と同時に米韓の軍事同盟も見直しを求めるかは必ずしも必要ではない。
だが、中朝の友好関係に関しては、人民の友好は永遠でも、党・政府には変化があり得るのであり、区別を要する。もし朝鮮指導部が核不拡散の流れに逆行するなら、中国は重大な決断を迫られる。そして、中朝間の条約改正は、決して米国に迎合するものではなく、むしろ米側が覇権主義と決別することを促すものとなるのである。(訳・山本秀也)(09/25)
http://www.sankei.co.jp/databox/n_korea/nkorea_44_1.htm
別に中国の公式方針でもないのですが、こういう見解も出てくるようになったということです。
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中朝条約の改正提言 詳報
中国社会科学院の学術誌「世界経済と政治」(最新号)掲載の論文「北東アジア安全維持の当面の急務」(沈驥如博士著)の詳報は以下の通り。
◇
一、危険な駆け引き
ブッシュ米大統領が朝鮮(北朝鮮、以下同じ)を「悪の枢軸」と呼んで以来、米朝関係は急激に悪化した。核拡散防止条約を脱退し、核兵器開発の権利を有するとする朝鮮に対して、米側は武力行使の可能性を排除しない一方、多国間協議による平和解決の意向も表明してきた。
だが朝鮮側は硬軟いずれの対応にも応じず米朝の駆け引きは険悪の度を増している。「労働新聞」は六月十七日の社説で米側が何らかの措置を取った場合の報復ほか、朝鮮半島が有事に陥った場合に戦火が日本に及ぶと警告した。
現在、米朝の駆け引きは敵意に満ちており、どちらかが相手のシグナルを読み誤れば戦争状態を招き周辺国にも影響が及ぶ状態だ。まず韓国は米軍が中南部に撤退することで、ソウルなど工業都市は廃虚となるだろう。朝鮮も米側の空爆により焦土と化す。
つぎは日本だが、朝鮮側が戦火の拡大を警告する状態で、人口と産業が密集する日本がこうした警告を座視することはない。中国も砲弾を浴びないとはいえ影響を免れない。日韓との貿易・投資の低下など経済的な損失に加え、中国側に流れ込む大量の難民が中国に経済、社会的負担を強いる。
筆者の試算によれば、米朝が戦争に陥れば中国の国内総生産(GDP)は10−20%下落することになる。極東ロシアも影響が確実であり、朝鮮の核問題の解決に各国が努力することは、北東アジア地域と世界の平和にとり重大な問題だ。
二、2つの課題
米朝の争いに関して国際社会は二つの現実的な課題に直面している。一つは朝鮮半島に壊滅的な打撃が及び、日中露に拡大する事態をどう防止するかだ。唯一の方法として、筆者は米朝がまず会談し、関係国による多国間協議がその成果を担保すべきと考える。両者は相互補完的なもので、どちらかを欠くことはできない。
もう一つは国際的な核拡散防止体制の是非である。もし国際社会が朝鮮の核開発計画を阻止できなければ、「自衛」を理由にさらに二十カ国以上が核兵器開発に踏み切るだろう。核拡散防止体制の崩壊であり、新たな核の軍拡が二十一世紀の平和と発展を脅かす。許してはならない事態だ。
三、新たな措置
朝鮮の核開発問題に関する中国政府の立場は明確だ。すなわち(1)朝鮮半島の非核化(2)核拡散防止条約からの朝鮮脱退の不支持(3)核拡散防止体制の維持が国際社会の共通利益(4)安全保障に関する朝鮮の合理的懸念の解消−など。
中国が朝鮮の石油輸入の70−90%、食糧輸入の三分の一を占めるとして、中国を含めた国際圧力に期待する声も欧米にある。だが、制裁は万策尽きた後に国連で検討されるべきだ。
中国政府には、以下の点で日韓などと外交協力を進めるよう提言したい。
中朝友好協力相互援助条約につき、軍事支援条項の削除を公然と朝鮮政府に求める。軍事同盟の性格をもつ条約は、核問題がなくとも改正すべきである。朝鮮の核開発を支持しないと声明した以上、核問題で米朝が戦争状態となっても中国が出兵することはあり得ない。
また、公然と交渉を要求するのは各国に中国の立場を知らしめるためだ。仮に条約改正で一致できなくとも、条約があれば中国に参戦義務があるといった、旧条約の維持による誤ったシグナルを朝鮮当局に与えることは避けられる。
四、伝統の見直し
核問題の円滑な解決には伝統的な理念の見直しも必要だ。中朝間の軍事支援条項削除と同時に米韓の軍事同盟も見直しを求めるかは必ずしも必要ではない。
だが、中朝の友好関係に関しては、人民の友好は永遠でも、党・政府には変化があり得るのであり、区別を要する。もし朝鮮指導部が核不拡散の流れに逆行するなら、中国は重大な決断を迫られる。そして、中朝間の条約改正は、決して米国に迎合するものではなく、むしろ米側が覇権主義と決別することを促すものとなるのである。(訳・山本秀也)(09/25)
http://www.sankei.co.jp/databox/n_korea/nkorea_44_1.htm