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拉致被害者確認もこの方法で確認

投稿者: sitteirukedo 投稿日時: 2003/08/15 05:25 投稿番号: [82656 / 232612]
<遺骨鑑定>写真照合で58年ぶり身元が判明

  第二次大戦末期の沖縄戦で戦死し7年前に壕(ごう)から収容された旧日本兵の遺骨(頭がい骨)が今夏、生前の写真とコンピューター上で照合する識別法「スーパーインポーズ法」により東京都出身の細井広三郎(ひろさぶろう)さん(当時26歳)と判明し、千葉県の実弟の元に戻ることになった。東京歯科大の橋本正次助教授(法人類学)が、民間と共同開発した装置で鑑定した。主に犯罪捜査に使われているこの種の方法で戦没者の身元が判明したのは初めて。戦後58年が経過し、遺骨の身元確認は困難になっているが、新たな手法の導入で、戦地でなお残る未収遺骨の照合にも役立つとみられる。

  頭がい骨は、沖縄で遺骨・遺品収集を続ける那覇市楚辺の会社社長、国吉勇さん(64)が96年、本島南部の具志頭(ぐしかみ)村の壕で発見。細井さんの名前が刻まれた万年筆も一緒に見つかり、遺骨・遺品の返還活動をしているNPO法人「戦没者を慰霊し平和を守る会」副理事長、塩川正隆さん(59)=佐賀県北茂安町=が遺族を捜して生前の写真提供を受け、先月初めに鑑定を依頼した。

  プラント機器メーカーの「バブコック日立呉事業所」(広島県呉市)と共同開発した装置を使用。頭がい骨を三次元化してコンピューターに取り込み、写真を重ね合わせて調べた。その結果、鼻筋や目のくぼみが完全に一致し、「細井さんでないと否定する理由は何もない」と結論付けた。

  橋本助教授は、米陸軍の研究所で戦死米兵の骨の個人識別を研究した骨鑑定の専門家。昨年、朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)による拉致事件の被害者とされた遺骨の鑑定も手掛け、これを知った塩川さんが戦没者調査への協力を打診していた。

  戦没者の遺骨調査には最近、血縁者のDNAと照合する手法も導入され、遺骨返還事業を進める国が今年度から制度化。しかし、遺骨の状態によってはDNAが抽出できないこともあり、身元判明は制度化以前の11例にとどまっている。

  今回の結果について橋本助教授は「遺族にとって遺骨との対面に不可欠なのは、身近に感じられるかどうか。写真を使い、死没者の姿を目視できることが最大の利点で、DNA鑑定では得られない実感を伴う。今後の遺骨返還に意義深い一石を投じられた」と話している。【平川哲也】



スーパーインポーズ法

  DNA鑑定と並び白骨化したり、損傷が激しい身元不明の遺体を個人識別する鑑定方法の一つで、主に犯罪捜査で利用されている。頭がい骨と、該当者と思われる人物の顔写真を重ね合わせて解剖学的に比較。同一人物かどうかを推定する。

  歴史は古く1935年に英国で実用化され、半透明にした写真とレントゲン撮影した頭がい骨を重ね合わせる方法が長く用いられてきた。コンピューターの登場で照合の精度が向上。警察庁科学警察研究所でも、69年に導入した。

  コンピューターによる鑑定では、顔写真の向きに合わせて頭がい骨の角度や大きさを調節し、頭頂▽鼻の付け根▽目のくぼみ――などを基準点として、位置関係に矛盾点がないかを比較する。生前の写真が不可欠だが、焼骨する前に頭がい骨のデータを保存し、後に該当者が浮かんでも照合できる。

  年齢差がある写真2枚だけを重ね合わせ同一人物かを鑑定する方法もある。昨年9月に北朝鮮拉致被害者の訪朝調査団に加わった東京歯科大の橋本正次講師は、曽我ひとみさんら帰国した被害者について、拉致以前の古い写真と現在の写真を照合。「同一人物と考えて差し支えない」と結論付けた。(毎日新聞)
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