石原慎太郎都知事の正論(2)
投稿者: remember140917 投稿日時: 2003/05/07 00:49 投稿番号: [66907 / 232612]
(1から続く)
一方、中国の北朝鮮への思惑はその領土の実質支配であって、アメリカはそれを見通して、基本的には北朝鮮の問題を中国に丸投げしてもいいという魂胆でいる。そこが対イラクとは根本的に異なるアメリカのスタンスだ。
ただその場合、韓国がその民族意識からしてそれを許容できるかどうか。一方韓国の隠された本音は、ドイツのような力量ある国ですら半世紀間低能率な社会主義に飼い慣らされてきた東ドイツを合併したことで被った経済的被害を眺めれば、これから何かのはずみで南北の合併が成立したりした時に自らを襲う経済的打撃を思えば、これは民族意識をも超えた深刻な問題に違いない。
日本もやがてこの核の、ポーカーゲームに参加を余儀なくされるのだろうが、今はまだ観客の椅子(いす)にいる限りこの外交ゲームを冷静に眺める手立てとして、右のことがらは心得ておくべきだろう。
それにこのゲームの主催者たるアメリカは相手のブラフや恫喝(どうかつ)の手の内をとうに把握している。
が、北朝鮮の核保有の戦略的、戦術的可能性がはたしてどれほどのものなのか、つまり彼らが保有している、あるいは保有しようとしている核兵器やその運搬手段たるミサイル等の性能の詳細正確な情報を、怯(おび)えきってアメリカのスカートの陰に潜りこもうとしているパートナーの日本にそっくり伝えることはまずありえない。日本がいたずらに怯えれば怯えるほど、アメリカにとっては都合のいいゲームの相棒たり得るのだから。
ということも、外交という非情な共同ゲームの原理の一つに他ならない。
互いに国益をからめて行う外交という勝負の中での唯一絶対の原則はただ一つ、信じられる者は自分自身しかないということだ。
それを率直端的にいって憚らなかったのはチャーチルだった。彼は第二次世界大戦の最中に、英国にとっての仮想敵国があるとすればどことどこかと問われてたとえ今ともに戦っている同盟国であろうとも、英国以外の国はすべて仮想敵国だといってはばからなかった。
プロと自惚(うぬぼ)れる日本の外交官が口にしたがる外交における「心」の問題とは、彼らの甘い妄想とは逆に、すべてが不信や猜疑(さいぎ)とはいわぬが、あくまでまず国益へのあるべき固執がもたらす他者への怜悧(れいり)な非情さに他なるまい。
ということを、例えとしては卑近に過ぎるかもしれないが、ポーカーというゲームになぞらえて今回の北朝鮮の核保有問題のかけひきを眺めなおしてみると、そのえげつないまでのやり口を見るにつけ、しみじみ直截に覚えることができる。
過去の日本の外交に、その場に積まれたポットの数はたとえ少なかろうとも、勝負の相手が思わずうなって膝(ひざ)を叩(たた)くような勝負の例があっただろうか。
(了)
これは メッセージ 66904 (remember140917 さん)への返信です.
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