ステレオタイプ思考の官僚計画の頓挫
投稿者: ahoahoahchen6 投稿日時: 2003/04/05 23:15 投稿番号: [60892 / 232612]
「安全」優先で医療班撤退、政府の難民支援に誤算続き(読売新聞)
イラク戦争を受けた日本政府の難民支援策が、大幅な計画変更を余儀なくされている。大量の発生が予測されていた難民が極めて少数にとどまり、事前の目算が狂ったことに加え、派遣する民間医師らの安全面の確保が、日本に期待される人的支援の「大きな壁」となっているためだ。
■帰国
シリアから3日に帰国した浅井康文・札幌医大教授らは4日、外務省に川口外相を訪ねた。浅井教授を団長に医師、助産師ら5人による国際協力事業団(JICA)の医療技術チームは、開戦翌日の先月21日に日本を出発。シリアのイラク国境近くのハサケ病院で技術指導を行った。
「現地は落ち着いていたが、戦争が身近で行われている印象がありました」。浅井教授が現地活動を報告すると、外相は「厳しい環境の中で任務を遂行してもらい、感謝します」とねぎらいの言葉をかけた。
JICAは当初、浅井教授のチームに続いて第2陣、第3陣の医療技術チームを派遣することを予定し、イラク国境近くのアルホール難民キャンプに派遣される民間医師、看護師ら約20人の医療チームとともに、難民に対する人的支援の中核を担うはずだった。
ところが、イラクから周辺国に60万人以上が流出すると見ていた難民数の予測は大きく外れた。
国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)のホームページは、先月31日に「イラク周辺国にはまとまった数の難民は流入していない」と記載したまま、更新されていない。米国が都市部での交戦を避ける一方、イラク政府が事前に国民に配給した食糧が残っているためと見られる。
■延期決定
さらに、米国が「イラクへの軍事物資流入を容認している」とシリアを非難し、戦闘行動が同国のイラク国境付近にも及びかねない情勢になってきた。
日本政府は「危険な場所に民間人を出しておく訳にはいかない」と判断。先月31日、シリアからの医療技術チームの撤退と、難民キャンプへの医療チーム派遣の延期を決定した。
外務省の川上隆久・国際平和協力室長は同日、日本医科大(東京・千駄木)を訪ね、医療チーム団長に内定していた山本保博教授と面会した。
川上室長が「中止ではなく、ヨルダンなど他の国の派遣も考えたい」と派遣の可能性をなお探る考えを伝えると、山本教授は人的支援の重要性を改めて指摘した。
「テントやカネを送るだけの援助ではなく、ひざとひざを突き合わせて医療行為を行ってこそ感謝してもらえる。いつでも現地に行きますよ」
■調整難航
政府は戦争中、米軍への直接支援は行わず、イラク周辺国への難民支援を中心に対応する方針だ。「難民救済でイラクの反米感情を和らげられれば、米国への間接支援になる」(外務省筋)との判断もある。
だが、難民数の予測の狂いは、財政支援などにも影を落としている。
外務省は当初、開戦時にUNHCRなど三国連機関に計503万ドルを拠出したのに続き、先月中にも国連の緊急アピールを受けて約1億ドルの追加拠出を計画していた。先月28日に総額22億ドルの国連アピールが予定通り発表されたが、政府はまだ追加拠出額を決定できずにいる。
「イラクと周辺国にどのくらいの被害が実際に出るのか、数字で証明してもらわないと、カネは出せない」。財務省が外務省に支援額の積算根拠を示すよう注文し、調整が難航しているためだ。
■自衛隊
また、今回のイラク関連の対応策で唯一自衛隊を活用した難民のための物資輸送も、航空自衛隊が運航する政府専用機が先月31日にヨルダン・アンマン国際空港に10人用テント160張を運んだ後、次の派遣計画は未定だ。テントの一部は難民キャンプに運ばれ、残りはアンマンの倉庫で保管されているという。
周辺国での難民医療支援に関して、政府が自衛隊でなく民間の医療チームの派遣を検討してきたのは、安全の確保を前提に、「受け入れ国にとっては、自衛隊も軍隊に変わりはない。他国の軍隊を自国に入れる抵抗感がある」(外務省幹部)ことに配慮したものだ。
危険が予想される場所には本来、民間人よりも自衛隊を活用するのが筋だが、自衛隊の派遣には法的な制約が課せられる――。1991年の湾岸戦争以来、日本の国際協力活動に常につきまとってきたジレンマは、戦争終結後の復興支援でも論議を呼びそうだ。
[読売新聞社:2003年04月05日 21時57分]
イラク戦争を受けた日本政府の難民支援策が、大幅な計画変更を余儀なくされている。大量の発生が予測されていた難民が極めて少数にとどまり、事前の目算が狂ったことに加え、派遣する民間医師らの安全面の確保が、日本に期待される人的支援の「大きな壁」となっているためだ。
■帰国
シリアから3日に帰国した浅井康文・札幌医大教授らは4日、外務省に川口外相を訪ねた。浅井教授を団長に医師、助産師ら5人による国際協力事業団(JICA)の医療技術チームは、開戦翌日の先月21日に日本を出発。シリアのイラク国境近くのハサケ病院で技術指導を行った。
「現地は落ち着いていたが、戦争が身近で行われている印象がありました」。浅井教授が現地活動を報告すると、外相は「厳しい環境の中で任務を遂行してもらい、感謝します」とねぎらいの言葉をかけた。
JICAは当初、浅井教授のチームに続いて第2陣、第3陣の医療技術チームを派遣することを予定し、イラク国境近くのアルホール難民キャンプに派遣される民間医師、看護師ら約20人の医療チームとともに、難民に対する人的支援の中核を担うはずだった。
ところが、イラクから周辺国に60万人以上が流出すると見ていた難民数の予測は大きく外れた。
国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)のホームページは、先月31日に「イラク周辺国にはまとまった数の難民は流入していない」と記載したまま、更新されていない。米国が都市部での交戦を避ける一方、イラク政府が事前に国民に配給した食糧が残っているためと見られる。
■延期決定
さらに、米国が「イラクへの軍事物資流入を容認している」とシリアを非難し、戦闘行動が同国のイラク国境付近にも及びかねない情勢になってきた。
日本政府は「危険な場所に民間人を出しておく訳にはいかない」と判断。先月31日、シリアからの医療技術チームの撤退と、難民キャンプへの医療チーム派遣の延期を決定した。
外務省の川上隆久・国際平和協力室長は同日、日本医科大(東京・千駄木)を訪ね、医療チーム団長に内定していた山本保博教授と面会した。
川上室長が「中止ではなく、ヨルダンなど他の国の派遣も考えたい」と派遣の可能性をなお探る考えを伝えると、山本教授は人的支援の重要性を改めて指摘した。
「テントやカネを送るだけの援助ではなく、ひざとひざを突き合わせて医療行為を行ってこそ感謝してもらえる。いつでも現地に行きますよ」
■調整難航
政府は戦争中、米軍への直接支援は行わず、イラク周辺国への難民支援を中心に対応する方針だ。「難民救済でイラクの反米感情を和らげられれば、米国への間接支援になる」(外務省筋)との判断もある。
だが、難民数の予測の狂いは、財政支援などにも影を落としている。
外務省は当初、開戦時にUNHCRなど三国連機関に計503万ドルを拠出したのに続き、先月中にも国連の緊急アピールを受けて約1億ドルの追加拠出を計画していた。先月28日に総額22億ドルの国連アピールが予定通り発表されたが、政府はまだ追加拠出額を決定できずにいる。
「イラクと周辺国にどのくらいの被害が実際に出るのか、数字で証明してもらわないと、カネは出せない」。財務省が外務省に支援額の積算根拠を示すよう注文し、調整が難航しているためだ。
■自衛隊
また、今回のイラク関連の対応策で唯一自衛隊を活用した難民のための物資輸送も、航空自衛隊が運航する政府専用機が先月31日にヨルダン・アンマン国際空港に10人用テント160張を運んだ後、次の派遣計画は未定だ。テントの一部は難民キャンプに運ばれ、残りはアンマンの倉庫で保管されているという。
周辺国での難民医療支援に関して、政府が自衛隊でなく民間の医療チームの派遣を検討してきたのは、安全の確保を前提に、「受け入れ国にとっては、自衛隊も軍隊に変わりはない。他国の軍隊を自国に入れる抵抗感がある」(外務省幹部)ことに配慮したものだ。
危険が予想される場所には本来、民間人よりも自衛隊を活用するのが筋だが、自衛隊の派遣には法的な制約が課せられる――。1991年の湾岸戦争以来、日本の国際協力活動に常につきまとってきたジレンマは、戦争終結後の復興支援でも論議を呼びそうだ。
[読売新聞社:2003年04月05日 21時57分]
これは メッセージ 1 (mitokoumon_2002 さん)への返信です.