小泉首相の訪朝と課題について☆☆☆☆☆

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終戦直後の日本

投稿者: ahoahoahocha6 投稿日時: 2003/04/05 14:24 投稿番号: [60804 / 232612]
岡崎久彦
「百年の遺産-日本近代外交史(65)」
【第一次吉田内閣】
ドクトリンとは無縁の総裁
(産経新聞2002年6月17日掲載)
  鳩山一郎追放の後を受けて、自由党総裁となった吉田茂が組閣の前に直面したのは、まず食糧問題でした。
  昭和二十年度産米は、天候の不順に加えて空爆による生産障害のため前年比三〇%の減産であり、敗戦によって台湾、朝鮮、満州からの供給も途絶しました。また、敗戦で政府の権威が失墜し、農民が安い価格での供出を渋って戦時中の半分も供出しません。
  配給さえ、二十一年春や夏には、供給できる目途(めど)は立たず、国民は迫(せま)りくる飢餓の恐怖におののいていました。
≪大きい昭和天皇の役割≫
  この解決には、昭和天皇の果たされた役割が大きかったようです。松村謙三の回想によると、昭和二十年十二月宮中からお召しがあり、天皇から「戦争で苦しんだ国民に、さらに餓死者を出すことは堪(た)え難い。皇室の御物(ぎょぶつ)の中には国際的価値のあるものもあると聞く。その目録を作製させたから、米国と話してこれを食糧に代えたい」のお言葉があり、さっそく幣原首相がマッカーサーに面会してこれを伝えると、感動したマッカーサーは「自分としても米国としてもその面目にかけても御物を取り上げることはできない。断じて国民に餓死者を出すことはさせないから、ご安心されるよう申し上げて下さい」と答えたといいます。
  この時点でマッカーサーが紳士として約束したことは相当効果があったと言えます。
  実は世界の食糧事情は、その後さらに悪化し、ヨーロッパでも飢餓が囁(ささや)かれ、中国、インドでは、飢餓が発生しています。普通ならば、敗戦国日本は懲罰的な飢餓を強いられても不思議でない状況でした。
  二十一年五月一日のメーデー以降「米よこせ」運動が激しくなり、十九日の食糧メーデーには二十五万人が参加し、坂下門から皇居内にまで押し入りました。
  二十日、マッカーサーは「規律なき分子が今開始している暴力の行使は、今後継続を許さない」と警告する一方、翌二十一日吉田をGHQ(連合国軍総司令部)に招いて、「自分が最高司令官であるかぎり、日本国民は一人も餓死させない」と約束します。
  その約束通りGHQは、六月、七月にかけて二十万トン、そして八月、九月には、それぞれ二十万トンの輸入食糧を放出し、ようやく日本は最悪の時期を乗り切ります。東京都民については、七、八月が配給の九割以上、六、九月は七割以上が輸入食糧でした。
  当時の日本人は、戦勝国アメリカが敗戦国日本の飢餓を救ったこの食糧をみて、「アメリカという国はすごい国だ。とうてい敵(かな)わない」と感じたといいます。今でも日本にある親米感情、信頼感の裏には、一部こういう戦後の経験があると言えます。
  このマッカーサーの約束を聞いて、吉田は「さあ、これで内閣を作ってもいいんだ」と側近に語っています。吉田は大命を受けた時から、「今度の内閣は食糧内閣だ。農林大臣が一番大事だ」と言って、石黒忠篤、東畑精一、和田博雄などの意見を求めていたのですから、この時の感想は切なるものがあります。
  赤旗を振る群衆を見ながら、吉田がマッカーサーの動きを今か今かと待っていた気持ちもよくわかります。
  またマッカーサーにとっては、陛下への約束から食糧メーデーへの流れが、そうさせたのであって、吉田内閣の組閣の遅延などが圧力になったとは考えられません。
  吉田茂については、その後も数々の吉田神話が生まれています。それは、占領から講和条約に至る激動期に、七年余にわたって総理を務めたから当然のことではあります。
  しかしその中には、戦後の偏向史観と結びついたものもあります。その最たるものは、戦時中は軍に反抗して投獄されたリベラリストであり、戦後はダレス米国務長官の圧力に抗して日本の平和憲法を護り、軍備は米国に頼り、日本の経済発展に専念するという吉田ドクトリンを作った、洞察力ある大政治家という神話です。

  むしろ、吉田もまた幣原と同じように、占領の困難と屈辱の中で、苦心惨憺(さんたん)して国益を守った愛国者の一人としての同情と評価が与えられるべきでしょう。
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