イラクの展開の予想論文
投稿者: humhumu456 投稿日時: 2003/03/08 23:14 投稿番号: [54593 / 232612]
サダム・フセインは追放できるか
The Rollback Fantasy
ダニエル・バイマン/ランド・コーポレーション政策アナリスト
ケニース・ポラック/米国防大学教授
ギデオン・ローズ/米外交問題評議会・国家安全保障プログラム副議長
本論文を引用される際には、論文のクレジットを明記していただくようお願いいたします。
© 1999 by the Council on Foreign Relations, Inc & Foreign Affairs, Japan.
FOREIGN AFFAIRS, January/February 1999 より翻訳・転載。FAJ「日本語インターネット版」1999年2月号に掲載。
このいささか熱を帯びた状況の背景にあるのは、アメリカは、サダム・フセイン体制の継続を拒絶し、反体制派が現政権に取って代わるのを助けるべきだ、とする単純な考えである。
「ここにおける戦略は封じ込めではなく、巻き返しでなくてはならない」と上院院内総務のトレント・ロット議員(共和党、ミシシッピ州選出)は主張した。ポール・ウォルフォウィッツ前国防次官も『ニュー・リパブリック』誌に寄せた記事で次のように指摘している。
「湾岸地域が安定し、安全が保障されていることがアメリカの死活的利益であり、この利益を守る唯一の方法はサダム・フセイン政権の追放である。なぜなら、現代の暴政のスタイルとしては比較的まれなことだが、イラクの体制はサダム・フセインその人を意味するからだ。……イラク市民の大多数は彼が政権の座からいなくなることを望んでいるが、問題は、公然とその希望を口にすれば死が待っていることだ。われわれは彼らを助けるべきだ」
多くの人が指摘するとおり、たとえアメリカの地上軍を投入しなくても、サダムを追放するのにそれほど手間はかからないだろう、とウォルフォウィッツは言及し、もしクリントン政権が「目的実現に必要なものが何であるかを認識すれば」サダムのいない世界をつくるのは可能である、と議会で証言した。
これに対する反論は、それが真実でないということに尽きる。仮に巻き返し戦略が好ましいとしても、それが真剣な政策とみなされるには、次の三つの条件をクリアしていなければならない。
それは、軍事的に可能で、作戦遂行にその協調をとりつける必要がある同盟諸国の意向にもかない、しかもアメリカ大衆が受け入れるものでなくてはならない。イラク国内の反政府勢力を主軸とする、現下の巻き返し戦略プランのすべては、これらの点を満たしていない。つまり、いかさままがいの処方箋を、現在の政策よりも優れていると主張して採用を求める人々は、希望的な観測に頼っているか、斜に構えて政治的駆け引きを行っているにすぎない。いずれにせよ、アメリカがイラクへの政策を封じ込めから巻き返し戦略へと転換するのは大きなあやまちで、そのようなことをすれば数千の人々の命がいとも簡単に犠牲になってしまうだろう。
反政府勢力への支援と空爆作戦
イラクの反政府勢力への支援を求める見解が人々に与える印象とは逆に、簡単に実施できる単一の巻き返し戦略など存在しない。一口に巻き返し戦略といっても、そこには三つの競合するアプローチがある。つまり、空軍力を用いてサダム・フセインを追放すること、反政府勢力がイラクの大部分を掌握するのを助けること、そして反政府勢力によるゲリラ戦を支援することだ。
第一の米空軍力を用いた作戦の場合、サダム・フセイン政権に対する(地上での)軍事作戦のために、イラク国内の反政府勢力を支援する必要が出てくる。ここでの問題は、大規模な空輸作戦のほぼすべてを、かなりのコストを負担しつつ、なおかつ確実な成功の見込みのない状態で、アメリカが一手に引き受けなければならないことだ。
The Rollback Fantasy
ダニエル・バイマン/ランド・コーポレーション政策アナリスト
ケニース・ポラック/米国防大学教授
ギデオン・ローズ/米外交問題評議会・国家安全保障プログラム副議長
本論文を引用される際には、論文のクレジットを明記していただくようお願いいたします。
© 1999 by the Council on Foreign Relations, Inc & Foreign Affairs, Japan.
FOREIGN AFFAIRS, January/February 1999 より翻訳・転載。FAJ「日本語インターネット版」1999年2月号に掲載。
このいささか熱を帯びた状況の背景にあるのは、アメリカは、サダム・フセイン体制の継続を拒絶し、反体制派が現政権に取って代わるのを助けるべきだ、とする単純な考えである。
「ここにおける戦略は封じ込めではなく、巻き返しでなくてはならない」と上院院内総務のトレント・ロット議員(共和党、ミシシッピ州選出)は主張した。ポール・ウォルフォウィッツ前国防次官も『ニュー・リパブリック』誌に寄せた記事で次のように指摘している。
「湾岸地域が安定し、安全が保障されていることがアメリカの死活的利益であり、この利益を守る唯一の方法はサダム・フセイン政権の追放である。なぜなら、現代の暴政のスタイルとしては比較的まれなことだが、イラクの体制はサダム・フセインその人を意味するからだ。……イラク市民の大多数は彼が政権の座からいなくなることを望んでいるが、問題は、公然とその希望を口にすれば死が待っていることだ。われわれは彼らを助けるべきだ」
多くの人が指摘するとおり、たとえアメリカの地上軍を投入しなくても、サダムを追放するのにそれほど手間はかからないだろう、とウォルフォウィッツは言及し、もしクリントン政権が「目的実現に必要なものが何であるかを認識すれば」サダムのいない世界をつくるのは可能である、と議会で証言した。
これに対する反論は、それが真実でないということに尽きる。仮に巻き返し戦略が好ましいとしても、それが真剣な政策とみなされるには、次の三つの条件をクリアしていなければならない。
それは、軍事的に可能で、作戦遂行にその協調をとりつける必要がある同盟諸国の意向にもかない、しかもアメリカ大衆が受け入れるものでなくてはならない。イラク国内の反政府勢力を主軸とする、現下の巻き返し戦略プランのすべては、これらの点を満たしていない。つまり、いかさままがいの処方箋を、現在の政策よりも優れていると主張して採用を求める人々は、希望的な観測に頼っているか、斜に構えて政治的駆け引きを行っているにすぎない。いずれにせよ、アメリカがイラクへの政策を封じ込めから巻き返し戦略へと転換するのは大きなあやまちで、そのようなことをすれば数千の人々の命がいとも簡単に犠牲になってしまうだろう。
反政府勢力への支援と空爆作戦
イラクの反政府勢力への支援を求める見解が人々に与える印象とは逆に、簡単に実施できる単一の巻き返し戦略など存在しない。一口に巻き返し戦略といっても、そこには三つの競合するアプローチがある。つまり、空軍力を用いてサダム・フセインを追放すること、反政府勢力がイラクの大部分を掌握するのを助けること、そして反政府勢力によるゲリラ戦を支援することだ。
第一の米空軍力を用いた作戦の場合、サダム・フセイン政権に対する(地上での)軍事作戦のために、イラク国内の反政府勢力を支援する必要が出てくる。ここでの問題は、大規模な空輸作戦のほぼすべてを、かなりのコストを負担しつつ、なおかつ確実な成功の見込みのない状態で、アメリカが一手に引き受けなければならないことだ。
これは メッセージ 54589 (georgia_downtown さん)への返信です.