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ABLあと2年で完成

投稿者: usotuken30 投稿日時: 2003/03/01 10:37 投稿番号: [52640 / 232612]
弾道ミサイル迎撃用レーザーを搭載したジャンボ・ジェット機。発射後間もない、弾道ミサイルにレーザーを照射して破壊する。正式名称YAL-1A Attack Laser 攻撃レーザー、現在試作中の機体をブロック2004と呼ぶ。米国、弾道ミサイル防衛計画、ブースト・フェーズ(加速段階)を担当する。

  ABLは、1992年米空軍により開発に着手、競争試作を経て、ボーイング社は主契約者として機体製造とシステム統合を担当、TRW社はレーザー発生装置、ロッキード・マーチン社はビーム制御装置を担当する。2004年末には、ミサイル迎撃試験を行い、2008年には7機を実戦配備する予定だ。



  ABLは、ボーイング747-400F貨物機をベースとしており、胴体の大部分はレーザー発生装置およびレーザー・ビーム制御装置で占められている。
 
ABLに搭載されるレーザーは以下のとおり。

名     称 用     途 レーザーの種類 出    力 備    考
アクティブ・レーザー測距装置
Active Laser Ranger 目標までの距離を正確に測定 炭酸ガス・レーザー 不明 操縦席後方にポッド式で搭載
追跡照射レーザー
Tracking Illuminator Laser 目標を追跡・補足 レーザー・ダイオード励起固体レーザー キロワットクラス 旋回式レーザー砲塔から発射される。
ビーコン照射レーザー
Beacon Illuminator Laser 高出力レーザーを目標に誘導する標識
高出力レーザー 目標を破壊する高出力レーザー 化学酸素ヨウ素レーザー メガワットクラス 旋回式レーザー砲塔から発射される。


  ABLの構造は機首部分に口径1.5m、左右120度旋回式レーザー砲塔と、これを支える隔壁が設置される。旋回式レーザー砲塔は高出力レーザー、追跡照射レーザー、ビーコン照射レーザーの3種類のレーザーを発射する。

  レーザー砲塔後方はビーム制御装置を搭載しており、目標の補足、追跡、照準点の決定、および高出力レーザーに影響を与える、大気の乱流などによるレーザー波面のひずみ、レーザー光通過経路加熱による光軸ずれ、レーザー光の拡散などを適切に補正する、アダプティブ・オプティクス(能動光学素子)とよばれる反射鏡が取り付けられ、鏡の形状を変化させレーザー波面などの補正を行う。

  ビーム制御装置の上方は操縦席でパイロット2名により操縦される。操縦席後方は目標までの距離を正確に測定する炭酸ガス・レーザーを利用したポッド型アクティブ・レーザー測距装置(Active Laser Ranger )を搭載する。

  ビーム制御装置後方は、戦闘管理区画と呼ばれる、ABLの中枢部分だ。実戦配備型は4台のコンソールを持ち、4名の乗員が勤務する。ここで目標補足、識別、交戦順位の決定、レーザー照射による効果判定、発射地点を特定、弾着地点を予想する。この他、LINK16などのデータ・リンクにより目標情報を配信する。

  戦闘管理区画後部には隔壁が設けられている。隔壁より後方は通常クルーの立ち入らないレーザー発生装置区画となっており、胴体の5分の3以上を占有し、レーザーを発生させるための、過酸化水素、塩素などの有害物質も搭載される。
  レーザー発生装置区画内は前部に、高出力レーザーを目標に正確に誘導するたの、追跡照射レーザー(Tracking Illuminator Laser)および、ビーコン照射レーザー(Beacon Illuminator Laser)と呼ばれる、2基のレーザー・ダイオード励起固体レーザー発生装置を搭載する。

  レーザー発生区画後方は、6基のCOIL(Chemical Oxygen Iodine Laser化学酸素ヨウ素レーザー)高出力レーザー・モジュールがある。これは過酸化水素と塩素などを反応させて、酸素を発生させ、この酸素にヨウ素を衝突させると、ヨウ素分子が1.315ミクロンの近赤外線レーザーを発生させる。外部から電力などのエネルギー入力を必要とせず、高い効率で大出力を得られる。
  COILは6基が連動してメガワットクラスの高出力レーザーを発生させる。後部胴体下部にはCOIL作動時に発生する生成物や熱の排出口がある。ABLは約30回分の高出力レーザー発生用化学燃料を搭載している。
  ここで発生させたレーザーは光ファイバーを通して、ビーム制御装置に送られ、旋回式レーザー砲塔から発射される。

  この他、ABLには、機首、尾部に各々1基、胴体左右にそれぞれ2基、合計6基の赤外線探知装置を搭載して360°全周に渡り、赤外線発生源を捜索・追跡する。また、与圧もクルーの安全と、レーザー発生装置冷却のため強化された。
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