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中国の核戦力。防衛白書より

投稿者: ahoahoahocham6 投稿日時: 2003/02/27 23:56 投稿番号: [52401 / 232612]
中国の軍事力は、核・ミサイル戦力のほか、陸・海・空軍からなる人民解放軍(注1−126)、人民武装警察部隊(注1−127)と民兵(注1−128)から構成されている。
  核戦力については、抑止力の確保、通常戦力の補完及び国際社会における発言力の確保という観点から、50年代半ば頃から独自の開発努力が続けられており、その運搬手段としては、弾道ミサイルのほか、中距離爆撃機H−6(Tu−16)を約145機保有している。なお、中国は、96(同8)年の核実験実施以降、核実験のモラトリアム(一時休止)を実施する旨発表し、同年、CTBT(Comprehensive Nuclear Test-Ban Treaty)への署名を行っている。
  弾道ミサイル(注1−129)については、現在、ICBM(Intercontinental Ballistic Missile)を約20基保有するほか、新型ICBM及びSLBM(Submarine-Launched Ballistic Missile)などの開発も進めており、自国内で新型ICBMである東風31(CSS−X−9)長距離地対地ミサイルの発射実験を行っている。また、中距離弾道ミサイルについては、日本を含むアジア地域を射程に収めるミサイルを合計約100基保有しており従来の東風3(CSS−2)から、命中精度などの性能が向上した新型の東風21(CSS−5)への転換が進みつつある。さらに、短距離弾道ミサイルも保有しており、台湾対岸における配備数の増加の動きも伝えられている(注1−130)。
  陸上戦力(注1−131)は、総兵力170万人と規模的には世界最大であるものの、総じて火力、機動力が不足しており、1960年代に採用された旧式装備が主体となっている。85(昭和60)年以降、軍近代化の観点から、人員の削減や組織・機構の簡素化・効率化を図っているほか、従来歩兵のみで構成されていた軍(軍団)を、各兵種を統合化した集団軍(注1−132)へと改編し、また、機動力、即応性を重視した快速反応部隊の編成も行われている。装備面では、新型の98式戦車が99(平成11)年の建国50周年国慶節祝賀行事における軍事パレードで確認された。さらに、50万人の兵力削減に伴い、陸軍の兵力の一部が人民武装警察に移管されたとみられている。

中国軍の陸上兵力の推移




  海上戦力(注1−133)は、北海、東海、南海の3個の艦隊からなり、艦艇約770隻(うち潜水艦約65隻)約90万5,000トンを保有している。艦艇の多くは旧式かつ小型であり、主要艦艇の多くは対空ミサイルを装備していない。しかし、ヘリコプター搭載可能な新型のルーハイ級駆逐艦、ヂャンウェイII級フリゲート艦及びソン級潜水艦の建造・配備や、静粛性に優れたキロ級潜水艦及び超音速対艦ミサイル(SS−N−22)を運用可能なソブレメンヌイ級駆逐艦のロシアからの導入などの近代化が進められており、沿岸海域を防衛する海軍から、沿岸海域より遠方の近海を防衛する海軍への移行を図っていると考えられる。

中国軍の海上兵力の推移




  航空戦力(注1−134)は、空軍、海軍をあわせて作戦機を約3,600機保有しているが、旧ソ連の第1・第2世代の戦闘機をモデルにした旧式機がその主力となっている。近年、J−8II(F−8II)戦闘機やJ−10(F−10)戦闘機、JH−7(FBC−1)戦闘爆撃機の開発・配備を進めるとともに、ロシアからSu−27戦闘機などの導入・ライセンス生産(注1−135)を行っており、対地攻撃能力を有するSu−30戦闘機も導入された。また、空中給油や早期警戒といった近代的な航空戦力の運用に必要な能力の獲得に向けた努力を行っている。なお、空中給油機などこれらの新型航空機の多くは、99(平成11)年の軍事パレードで確認された。

中国軍の航空兵力の推移(戦闘機)




  以上述べてきたとおり、中国は、近年、核・ミサイル戦力や海・空軍力の近代化を推進するとともに、海洋における活動範囲の拡大などを図っている。このような近代化の推進などは、前述したように、第一に中国側がその具体的な装備の保有状況や整備ペースなどについて明らかにしていない点に問題があると考えられる。さらに、客観的に評価して、その近代化の目標が、中国の防衛に必要な範囲を超えるものではないのか慎重に判断されるべきであり、このような動向について今後とも注目していく必要がある。
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