(続) 天然痘テロ対策
投稿者: masa4618 投稿日時: 2002/12/31 15:26 投稿番号: [36819 / 232612]
先日、この天然痘については書きましたが、今日の朝日新聞社説に論評がありましたので・・・
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■天然痘テロ――備えあれば憂いなし
米国が30年ぶりに天然痘ワクチンの接種(種痘)を再開した。
中東に派遣される兵士ら50万人の兵士に接種を義務づけるほか、医療、警察、消防関係者らに任意で接種し、一般国民も希望すれば受けられるようにするという。副作用の可能性がある種痘を兵士に受けさせるため、大統領も自ら接種を受けてみせた。
天然痘は、世界保健機構(WHO)が80年に撲滅を宣言している。それなのに、種痘を再開するのは、「米国に敵対する国が天然痘ウイルスを持っているかもしれない」からだと大統領は説明する。
天然痘ウイルスは、WHOの指示で米国と旧ソ連の研究施設に集められ、封じ込められたはずだった。しかし、実際には、イラクなどにも流れ、生物兵器として保有していると米国は疑っている。
天然痘は、致死率が高いうえに空気感染で被害が広がりやすい。抗生物質などの対症療法があまり効かないといわれる。
イラクが保有しているのであれば、安保理決議や生物兵器保有禁止条約に違反し、人道的にも許し難い行為である。国連の査察チームの厳重な査察を期待したい。
生物兵器は持ち運びがたやすい武器でもある。米国のイラク攻撃が迫れば、イラクがテロ組織を使って米国内にばらまく恐れもある。また、いったん使われれば、地球規模で感染が広がる危険もある。
撲滅したはずの病気に再び備えなければならないのは、人類の愚かさを象徴するものである。とはいえ、現実の世界に無差別テロがはびこっている以上は、天然痘テロに対しても備えが必要だ。
にもかかわらず、日本の防疫体制は十分でない。米国がすでに全人口分のワクチンを備蓄したのに比べ、日本は昨年の補正予算で製造した250万人分しかない。
厚生労働省は、来年度に35億円をかけて750万人分を製造し、合計1千万人分を確保する予定という。これだけあれば一見十分とも思える。だが、1カ所の発生を封じ込めるのに200万人への種痘が必要で、これでは5カ所しか対応できない。
海外で暮らす邦人の安全も考えなければならない。天然痘に感染したあとでも数日以内ならば種痘は有効とされる。
だから拠点となる在外公館に、ワクチンを用意すべきだ。外務省は「天然痘が発生した場合は、その地域の邦人を全員、帰国させる」としているが、輸送にかかる期間をみれば、間に合わない恐れもある。
ワクチンを生産できるアジアの国は限られている。しかも、日本に近接する地域との間では、ビジネスや観光などの人の行き来が激しい。アジア向けの供給や備蓄も、早急に考えるべき課題だろう。
天然痘に対する地球規模での防疫体制が整えば、強力な生物兵器のひとつが効力を失うことにもなる。国際的な視野での対策を進めていくべきである。
http://www.asahi.com/paper/editorial.html
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■天然痘テロ――備えあれば憂いなし
米国が30年ぶりに天然痘ワクチンの接種(種痘)を再開した。
中東に派遣される兵士ら50万人の兵士に接種を義務づけるほか、医療、警察、消防関係者らに任意で接種し、一般国民も希望すれば受けられるようにするという。副作用の可能性がある種痘を兵士に受けさせるため、大統領も自ら接種を受けてみせた。
天然痘は、世界保健機構(WHO)が80年に撲滅を宣言している。それなのに、種痘を再開するのは、「米国に敵対する国が天然痘ウイルスを持っているかもしれない」からだと大統領は説明する。
天然痘ウイルスは、WHOの指示で米国と旧ソ連の研究施設に集められ、封じ込められたはずだった。しかし、実際には、イラクなどにも流れ、生物兵器として保有していると米国は疑っている。
天然痘は、致死率が高いうえに空気感染で被害が広がりやすい。抗生物質などの対症療法があまり効かないといわれる。
イラクが保有しているのであれば、安保理決議や生物兵器保有禁止条約に違反し、人道的にも許し難い行為である。国連の査察チームの厳重な査察を期待したい。
生物兵器は持ち運びがたやすい武器でもある。米国のイラク攻撃が迫れば、イラクがテロ組織を使って米国内にばらまく恐れもある。また、いったん使われれば、地球規模で感染が広がる危険もある。
撲滅したはずの病気に再び備えなければならないのは、人類の愚かさを象徴するものである。とはいえ、現実の世界に無差別テロがはびこっている以上は、天然痘テロに対しても備えが必要だ。
にもかかわらず、日本の防疫体制は十分でない。米国がすでに全人口分のワクチンを備蓄したのに比べ、日本は昨年の補正予算で製造した250万人分しかない。
厚生労働省は、来年度に35億円をかけて750万人分を製造し、合計1千万人分を確保する予定という。これだけあれば一見十分とも思える。だが、1カ所の発生を封じ込めるのに200万人への種痘が必要で、これでは5カ所しか対応できない。
海外で暮らす邦人の安全も考えなければならない。天然痘に感染したあとでも数日以内ならば種痘は有効とされる。
だから拠点となる在外公館に、ワクチンを用意すべきだ。外務省は「天然痘が発生した場合は、その地域の邦人を全員、帰国させる」としているが、輸送にかかる期間をみれば、間に合わない恐れもある。
ワクチンを生産できるアジアの国は限られている。しかも、日本に近接する地域との間では、ビジネスや観光などの人の行き来が激しい。アジア向けの供給や備蓄も、早急に考えるべき課題だろう。
天然痘に対する地球規模での防疫体制が整えば、強力な生物兵器のひとつが効力を失うことにもなる。国際的な視野での対策を進めていくべきである。
http://www.asahi.com/paper/editorial.html
これは メッセージ 36176 (masa4618 さん)への返信です.