日本はコーポラティズム国家
投稿者: exh1868 投稿日時: 2002/12/21 11:43 投稿番号: [33683 / 232612]
以下は本の引用です:
@ @ @ @ @
近代の用語で言えば、日本はコーポラティズム (団体統合主義 *) だった。
つまりは、個人の力が否定され、代わりに特別利益団体に組みこまれた社会。
そこでは、公の言説の場はさまざまな利益団体のあいだで分割されており、公と私のあいだの線は消されている。
今日の日本人は、互いに交差し、たえまなく移り変わるサークルからなる宇宙に住んでいる。
サークルとは、家族、学校、クラス会、大学、スポーツクラブ、党派、派閥、ナイトクラブの常連、会社など。
この単位を挙げればきりがなく、仲間入り、つまり帰属の問題はひっきりなしに起こる。
一例をあげると、同じ組織内の別の部署の二人は、お互いにとっては部外者 (アウトサイダー) だが、もうひとり別の組織の人が加わると、最初の二人は内部の者 (インサイダー) 同士になり、三番目の人は部外者になる。
このバターンのヴァリエーションが、日々、繰り返されており、ごくありきたりのモノ ・・・・・ 垣根や門ばかりでなく、壁、橋、机の島、障子など ・・・・・ も区別の表示に一役買っている。
日本人はこの本質的な区別の表現を豊富にもっている。
外のものと内のもの、パブリック (公) のものとプライヴェート (私) のもの、口で語られる真理と本当の真理を示す言葉。
なかでも便利な一組がある。 「オモテ」 と 「ウラ」。
これは明示されていることと暗黙のこと、外側のものと内側のもの、前側と後ろ側、より大まかに言えば、表われているものと隠されたものを意味する。
古い日本語では、「オモテ」 は 「顔」 で、「ウラ」 は 「心」 を意味した。
いまでも 「表通り」、「裏通り」 という言い方がある。
表地、裏地とも言う。
封筒の表とは前側のことで、裏庭とは家の背後にある庭のこと。
この一対はひじょうに幅広く使われており、例によって意味深長でもある。
「ウラメシイ」 とは苦い思いをすることで、「ウラヤム」 とは妬むこと、「ウラヤミ」 は人の仕打ちを憎んで抱く悪意。
日本は、集団の本来の目的が、調和と、同一性のみせかけを保つことにある国だから、これらのどの気持ちも、表に出すべきではないとされている。
というわけで、妬みと恨みの感情は、定義上 「ウラ」 であり、隠されている。
(p.54)
@ @ @ @ @
アメリカ人は1945年に、いわばふたたび扉を開いた。
しかし、逆コースにより、その扉を閉じてしまった。
民主主義はまたしても展示用の見本になった。
日本人が市民社会を築く道をわれわれが閉ざしてしまったからである。
われわれは自由主義的な自主裁量権と市民権が存分に盛りこまれた新憲法を日本にあたえたが、直後に、戦前のエリート、「旧来の美風」 を操る折り紙つきの名人たちを連れもどしてしまった。
彼らが今日の日本、つまりは現代コーポラティズム (団体統合主義) の一例ともいえるような社会を作った。
(p.78)
@ @ @ @ @
『日本人だけが知らない日本のカラクリ』 より引用
新潮社2000年発行、パトリック・スミス著 (米国人ジャーナリストで元ニューヨーク・タイムズ記者)
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*コーポラティズム / コーポラティビズム (corporatism / corporativism) 〔外来語年鑑2001年〕
協調組合主義。重要産業を国有化するという社会主義でなく,企業の大部分が私的所有のままで,国家がその活動を統制するという国家介入の方式。
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近代の用語で言えば、日本はコーポラティズム (団体統合主義 *) だった。
つまりは、個人の力が否定され、代わりに特別利益団体に組みこまれた社会。
そこでは、公の言説の場はさまざまな利益団体のあいだで分割されており、公と私のあいだの線は消されている。
今日の日本人は、互いに交差し、たえまなく移り変わるサークルからなる宇宙に住んでいる。
サークルとは、家族、学校、クラス会、大学、スポーツクラブ、党派、派閥、ナイトクラブの常連、会社など。
この単位を挙げればきりがなく、仲間入り、つまり帰属の問題はひっきりなしに起こる。
一例をあげると、同じ組織内の別の部署の二人は、お互いにとっては部外者 (アウトサイダー) だが、もうひとり別の組織の人が加わると、最初の二人は内部の者 (インサイダー) 同士になり、三番目の人は部外者になる。
このバターンのヴァリエーションが、日々、繰り返されており、ごくありきたりのモノ ・・・・・ 垣根や門ばかりでなく、壁、橋、机の島、障子など ・・・・・ も区別の表示に一役買っている。
日本人はこの本質的な区別の表現を豊富にもっている。
外のものと内のもの、パブリック (公) のものとプライヴェート (私) のもの、口で語られる真理と本当の真理を示す言葉。
なかでも便利な一組がある。 「オモテ」 と 「ウラ」。
これは明示されていることと暗黙のこと、外側のものと内側のもの、前側と後ろ側、より大まかに言えば、表われているものと隠されたものを意味する。
古い日本語では、「オモテ」 は 「顔」 で、「ウラ」 は 「心」 を意味した。
いまでも 「表通り」、「裏通り」 という言い方がある。
表地、裏地とも言う。
封筒の表とは前側のことで、裏庭とは家の背後にある庭のこと。
この一対はひじょうに幅広く使われており、例によって意味深長でもある。
「ウラメシイ」 とは苦い思いをすることで、「ウラヤム」 とは妬むこと、「ウラヤミ」 は人の仕打ちを憎んで抱く悪意。
日本は、集団の本来の目的が、調和と、同一性のみせかけを保つことにある国だから、これらのどの気持ちも、表に出すべきではないとされている。
というわけで、妬みと恨みの感情は、定義上 「ウラ」 であり、隠されている。
(p.54)
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アメリカ人は1945年に、いわばふたたび扉を開いた。
しかし、逆コースにより、その扉を閉じてしまった。
民主主義はまたしても展示用の見本になった。
日本人が市民社会を築く道をわれわれが閉ざしてしまったからである。
われわれは自由主義的な自主裁量権と市民権が存分に盛りこまれた新憲法を日本にあたえたが、直後に、戦前のエリート、「旧来の美風」 を操る折り紙つきの名人たちを連れもどしてしまった。
彼らが今日の日本、つまりは現代コーポラティズム (団体統合主義) の一例ともいえるような社会を作った。
(p.78)
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『日本人だけが知らない日本のカラクリ』 より引用
新潮社2000年発行、パトリック・スミス著 (米国人ジャーナリストで元ニューヨーク・タイムズ記者)
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*コーポラティズム / コーポラティビズム (corporatism / corporativism) 〔外来語年鑑2001年〕
協調組合主義。重要産業を国有化するという社会主義でなく,企業の大部分が私的所有のままで,国家がその活動を統制するという国家介入の方式。
これは メッセージ 33682 (exh1868 さん)への返信です.