小泉首相の訪朝と課題について☆☆☆☆☆

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作家:高樹のぶ子

投稿者: dendoshikiwakadaisho 投稿日時: 2002/12/02 00:37 投稿番号: [28433 / 232612]
>拉致問題への対応を問う   「個」の意志はどこに


  北朝鮮の拉致被害者が日本に一時帰国し、すでに一カ月半がたつ。北朝鮮との約束はあくまで一時的なもので、日本の家族や友人と再会した後は、とりあえず北朝鮮に帰すのだと思っていた。いや、正確に書くと「北朝鮮という国に」ではなく「彼らの家族のもとに」だ。親を必要としている子供たちがいるのだから。

  だが五人の帰国後、事態は急変した。帰国を待ち構えてマスコミ、地域社会、友人知人たちがどっと押し寄せ、一挙手一投足、ついには朝食のメニューまで公開された。勿論(もちろん)そのいずれもが被害者への同情と慰藉(いしゃ)、帰国を歓迎する思いが溢(あふ)れていたのは確かで、国民のその強い「情」は、マスコミをさらに過熱させていった。

  北朝鮮への嫌悪と憎しみは増幅し、彼らを北朝鮮へ帰したくないという、当然で切実な肉親の気持ちが、「肉親の情」を越えて、「日本全体の情」となって渦巻いて行ったとき、何といおうか、この渦は幸福な結果をもたらさないのではないかと、不安な気持ちになった。

  それから間もなく、政府が公式に「彼らを北朝鮮には戻さない」と発表した。被害者たちも、それを望んでいるという。のみならず彼らが北朝鮮で生きのびるためには絶対的に必要であった人間関係を壊させて、家族たちを日本に連れて来るという。その人たちは日本人でなかったり、日本人であることを知らなかったりして、日本語も喋(しゃべ)れないのだ。

  植物にたとえれば、盗まれた種子が、本来は生存不可能な過酷な土地で他の植物に助けられながら芽を出し生きのびたようなもので、その根は生活者、つまり生きものとして様々なかたちで他者と絡み合っているはず。その根を断ち切って、果たして日本の土壌に移植が可能なのだろうか。日本人の「情」と「豊かさ」は、強引に移植された拉致被害者の家族まで含めて、彼らの人生を本当に幸福に出来ると言い切れるのか。

  人はパンのみにて生きるにあらずだ。
  そのことに微塵(みじん)も疑いを持たない日本人の「情の渦」に、私は思わず身を退(ひ)いてしまう。そのうねりを前にして、「でもね、たとえ監獄の中であっても愛する家族と共にいたい、という人間だっているのですよ。どこでどのように生きるかを選ぶのは本人であって、それを自由に選べ、また変更できる状況を作り出すことこそ大事なのでは……」という呟(つぶや)きは、私の体内で反響するばかり。そればかりかこの渦は「今そのようなことを発言するのは北朝鮮を利する行為だ」として私にはね返って来そうな気配。

  もとより、北朝鮮の現体制は変わるべきで、あの国を利するつもりなど毛頭ない。
  だがそれでも、北朝鮮から「約束を破った」と言われる一連のやり方には納得がいかない。先に犯罪を犯したのは北朝鮮である。だから日本政府も約束を破っていいのか。それで解決できるのか。  





ここの一部の意見に非常に近いのがゲせない
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