米朝ニアミスの深遠
投稿者: komash0427 投稿日時: 2006/04/20 21:13 投稿番号: [227777 / 232612]
米朝ニアミスの深遠(4/17)
http://www.nikkei.co.jp/neteye5/sunohara/index.html
財団法人・日本国際交流センターが東京で主催した国際学術会議に集まった日本、米国、中国、韓国、ロシア、北朝鮮の政府高官らは心中のむなしさを押し殺したまま日本を離れていったに違いない。
米朝間に対話なし
米国のヒル国務次官補(東アジア・太平洋担当)、そして北朝鮮の金桂官外務次官が顔をそろえた会議の焦点は一つ。米朝間の2国間対話があるかどうか、だった。民間主催の形を取っているとは言え、実質的には日本政府の強い後押しもあって実現した会議にヒル次官補は早々と出席を約束。「ヒル次官補出席」を確認した上で、金次官も来日を決断した。2人のキーパソンの言葉を受け、関係者の多くは「ここで何らかの新しい動きがあれば、足踏み状態にある6カ国協議再開に道筋をつけられる」と期待したことだろう。
しかし、蓋を開けてみれば、米朝2国間の対話は一切実現しなかった。金次官はかねて繰り返している米側による金融制裁を問題視し、ヒル次官補も6カ国協議再開は北朝鮮側の態度にかかっているとの原則論に終始した。全体会合で多少の言葉は交わしたものの、議長国・中国を間に挟んだ三者会談も日の目を見ず、米朝双方の実務トップは実質的な話し合いもしないまま、東京を後にした。この米朝ニアミスの裏には何があったのだろうか。
国務省のアジア政策に批判高まる
最近、ワシントンではライス国務長官率いる国務省への風当たりが強まっている。なかでも「ライス長官になってアジア政策がボロボロになった」という批判が急速に広がっている。その中には、日本と中国の関係悪化や、日米間の対話不足なども含まれているが、なかでも槍玉に挙げられているのがヒル次官補の担当する北朝鮮政策である。就任当初は自身に近い欧州専門家を集め、「北東アジアにも欧州のような多国間安保対話の場を創設したい」と意気込んでいたヒル次官補だが、その後の6カ国協議や米朝接触などでアジアと欧州の違いを痛切に感じたのだろう。最近、ヒル次官補に面会した日米双方の政府関係者らは一様に「一時の覇気が見られない」と心配気に漏らしている。
ブッシュ政権によるアジア政策の内情に詳しい、ある元国務省高官は「政権内の穏健派がライス長官やヒル次官補で、強硬派がチェイニー副大統領、ラムズフェルド国防長官といった単純な色分けはできない」と指摘。その上で、ヒル次官補本人がこれまでの経験則から、対話一辺倒の姿勢では北朝鮮の核問題を解決できないとの判断に傾いていると解説する。
希望的観測に一縷の望み託す北朝鮮
そうだとすれば、そもそもヒル次官補が今回の協議に合わせて、北朝鮮が喜ぶような手土産、たとえばマカオでの金融制裁解除などのメッセージを持ってくるはずはなかった。にもかかわらず、その交渉相手である北朝鮮の金次官はそんなメッセージをヒル次官補が携えてくるのではないか、という希望的観測に一縷の望みを託していた。
正規の貿易活動にも打撃を与え始めた金融制裁の解除を強く求める最高指導者、金正日総書記の命を受けて、自らは新しい材料も持たずに金次官が今回の訪日を決断した可能性は極めて高い。「金融制裁を解除すべきだ」。13日に急きょ会見した金次官がそう語気を強めたのも、そうした台所事情があったからにほかならない。
(⇒)
http://www.nikkei.co.jp/neteye5/sunohara/index.html
財団法人・日本国際交流センターが東京で主催した国際学術会議に集まった日本、米国、中国、韓国、ロシア、北朝鮮の政府高官らは心中のむなしさを押し殺したまま日本を離れていったに違いない。
米朝間に対話なし
米国のヒル国務次官補(東アジア・太平洋担当)、そして北朝鮮の金桂官外務次官が顔をそろえた会議の焦点は一つ。米朝間の2国間対話があるかどうか、だった。民間主催の形を取っているとは言え、実質的には日本政府の強い後押しもあって実現した会議にヒル次官補は早々と出席を約束。「ヒル次官補出席」を確認した上で、金次官も来日を決断した。2人のキーパソンの言葉を受け、関係者の多くは「ここで何らかの新しい動きがあれば、足踏み状態にある6カ国協議再開に道筋をつけられる」と期待したことだろう。
しかし、蓋を開けてみれば、米朝2国間の対話は一切実現しなかった。金次官はかねて繰り返している米側による金融制裁を問題視し、ヒル次官補も6カ国協議再開は北朝鮮側の態度にかかっているとの原則論に終始した。全体会合で多少の言葉は交わしたものの、議長国・中国を間に挟んだ三者会談も日の目を見ず、米朝双方の実務トップは実質的な話し合いもしないまま、東京を後にした。この米朝ニアミスの裏には何があったのだろうか。
国務省のアジア政策に批判高まる
最近、ワシントンではライス国務長官率いる国務省への風当たりが強まっている。なかでも「ライス長官になってアジア政策がボロボロになった」という批判が急速に広がっている。その中には、日本と中国の関係悪化や、日米間の対話不足なども含まれているが、なかでも槍玉に挙げられているのがヒル次官補の担当する北朝鮮政策である。就任当初は自身に近い欧州専門家を集め、「北東アジアにも欧州のような多国間安保対話の場を創設したい」と意気込んでいたヒル次官補だが、その後の6カ国協議や米朝接触などでアジアと欧州の違いを痛切に感じたのだろう。最近、ヒル次官補に面会した日米双方の政府関係者らは一様に「一時の覇気が見られない」と心配気に漏らしている。
ブッシュ政権によるアジア政策の内情に詳しい、ある元国務省高官は「政権内の穏健派がライス長官やヒル次官補で、強硬派がチェイニー副大統領、ラムズフェルド国防長官といった単純な色分けはできない」と指摘。その上で、ヒル次官補本人がこれまでの経験則から、対話一辺倒の姿勢では北朝鮮の核問題を解決できないとの判断に傾いていると解説する。
希望的観測に一縷の望み託す北朝鮮
そうだとすれば、そもそもヒル次官補が今回の協議に合わせて、北朝鮮が喜ぶような手土産、たとえばマカオでの金融制裁解除などのメッセージを持ってくるはずはなかった。にもかかわらず、その交渉相手である北朝鮮の金次官はそんなメッセージをヒル次官補が携えてくるのではないか、という希望的観測に一縷の望みを託していた。
正規の貿易活動にも打撃を与え始めた金融制裁の解除を強く求める最高指導者、金正日総書記の命を受けて、自らは新しい材料も持たずに金次官が今回の訪日を決断した可能性は極めて高い。「金融制裁を解除すべきだ」。13日に急きょ会見した金次官がそう語気を強めたのも、そうした台所事情があったからにほかならない。
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