『抑留体験から見た北朝鮮と日本』
投稿者: komash0427 投稿日時: 2006/03/27 23:13 投稿番号: [227409 / 232612]
報告者 杉嶋 岑(ジャーナリスト)
http://www.econ.hit-u.ac.jp/~trade/jsie/papers/2004/sugishima.pdf
<なぜ拘束されたか>
○ 訪朝の都度、内閣情報調査室と公安調査庁(関東公安調査局)に懇請され、善意で提供した情報(写真、ビデオ、資料含め)が、北朝鮮側に筒抜けだった。拘束され、尋問を受け始めて5日目に内調、公安庁職員の中に北朝鮮工作員に内通している二重スパイがいることが判明。私の担当調査官は「お前が提供した写真、ビデオ、資料はすべてこちらに送られてきて保管場所に困っているくらいだ」と言った。ハッタリだと思ったが、チェックを入れたら本当だった。
(中略)
○ 帰国後、2003年7月9日、我が国にはスパイ防止法がないため東京地検
特捜部に「内調・公安庁の職員某」を国家公務員法第100条の「守秘義務違反」として告発したが、「保留」扱い。
(中略)
<私が分析する「北朝鮮が崩壊しそうでしない理由」は>
① 軍事独裁による秘密警察を駆使した恐怖の強権国家である。反政府、反党、反指導者分子は立ち所に密告され、極刑に処せられる。
(一説には20人に1人が強制収容所送りになっている、とも)
② 「偉大な指導者同志は国民生活の隅々まで温かい配慮を巡らしておられる」。だから国民は、それを感じて「指導者に恩義を感じ忠誠を尽くそう」という報恩、恩義の構造を精神的に構築する国民教育を徹底させる。
いわゆる金日成・金正日父子による『現地指導』もこの延長線上にあり、国民に「有り難がらせる」狙いがある。
③ 「温かい領袖様の懐に抱かれて育った私たちは、何て幸せなことでしょう!」と幼い頃から、頭に刷り込まれて育てられる。「私たちは、他国のものを何も羨うらやみません」「私たちは今、最も幸せです」とも。これらは、高等中学校用の英語の辞書の例文である。つまり、「欲しがりません。勝つまでは」(日本の1942年の国民標語)のように潜在需要があるのではなく、需要そのものの芽まで摘み取ってしまうから、消費経済へのモチベーションまで断たれてしまう。これでは経済発展も望めない。これによって為政者は統治し易いように国民の不満発生をミニマムに押さえ込んでしまっている。お仕着せの配給品を不平も言わずに有り難がってもらう国民でなければならない。消費者が育たぬシステムであり、また、消費者が育ち、力を持ったら体制崩壊につながる政治経済システムでもある。
④ 情報鎖国主義の徹底
他国からの影響をシャットアウトし、金日成・金正日神話教育を徹底させ
る。カルチャーショックを起こさせないようにし、指導者の行政能力の客観比較を国民にさせない。
なぜなら、指導者や党、政府への疑問、不信は、自浄能力の乏しい独裁体制では、即、政権崩壊につながりかねないからだ。
政権崩壊は体制崩壊をも意味する。だから、情報が入ってくるのを防ぐと同時に、情報が持ち出されるのにも神経を使う。新聞記者やカメラマンは、「スパイ」の位置付けである。
また内向きには、『強盛大国』『自力更生』などのスローガンで国民の
鼻面を引き摺ずり回す。
⑤ 社会的自我に目覚めぬ大衆
500年続いた李王朝、36年間の日帝植民地支配、56年間の旧ソ連の傀儡としての金日成お仕着せ政権 ― 北朝鮮国民には市民革命の経験がなく、
被支配に馴らされている。民衆に社会的自我の目覚めがなく、指導者を
受け入れ易い体質。確かに代議員選挙などはあっても自由主義社会のそれとは、質的に違う。最初から結果が分かっているに等しい。
⑥ 儒教を精神的風土としている家父長制度の国家
社会主義社会で世襲制をしたのは、この国だけであるが、
「我が国が2代続いて偉大な指導者に恵まれたのは、何たる幸せな国民か」(日朝辞典)と、労働党はプロパガンダ教育をして、他国の批判も何の
その。これからも朝鮮式(ウリ式)を貫くと明言。
⑦ 国家主権の壁に阻まれ他国は内政干渉できない
金日成・金正日政権の失政のツケは、物言えぬ大衆に回り、
ひたすら耐えるか餓死するか病死するか、あるいは亡命するかの悲しい
選択肢のみ。それでも他国は手を出せない。人道主義的援助(例えば米
などの食糧支援)もその使途のチェックさえ、ままならない。
⑧ 北朝鮮は中国の『持ち駒』
北朝鮮の運命を握っているのは、米国でなく中国。政治・経済的にも
すっかり生殺与奪の権を中国に握られており、中国は米中外交でもカードとして利用している。安易には崩壊させない。
(以下略)
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「潜在需要を押さえ込むのではなく、需要そのものを押さえ込む」
なかなか凄
http://www.econ.hit-u.ac.jp/~trade/jsie/papers/2004/sugishima.pdf
<なぜ拘束されたか>
○ 訪朝の都度、内閣情報調査室と公安調査庁(関東公安調査局)に懇請され、善意で提供した情報(写真、ビデオ、資料含め)が、北朝鮮側に筒抜けだった。拘束され、尋問を受け始めて5日目に内調、公安庁職員の中に北朝鮮工作員に内通している二重スパイがいることが判明。私の担当調査官は「お前が提供した写真、ビデオ、資料はすべてこちらに送られてきて保管場所に困っているくらいだ」と言った。ハッタリだと思ったが、チェックを入れたら本当だった。
(中略)
○ 帰国後、2003年7月9日、我が国にはスパイ防止法がないため東京地検
特捜部に「内調・公安庁の職員某」を国家公務員法第100条の「守秘義務違反」として告発したが、「保留」扱い。
(中略)
<私が分析する「北朝鮮が崩壊しそうでしない理由」は>
① 軍事独裁による秘密警察を駆使した恐怖の強権国家である。反政府、反党、反指導者分子は立ち所に密告され、極刑に処せられる。
(一説には20人に1人が強制収容所送りになっている、とも)
② 「偉大な指導者同志は国民生活の隅々まで温かい配慮を巡らしておられる」。だから国民は、それを感じて「指導者に恩義を感じ忠誠を尽くそう」という報恩、恩義の構造を精神的に構築する国民教育を徹底させる。
いわゆる金日成・金正日父子による『現地指導』もこの延長線上にあり、国民に「有り難がらせる」狙いがある。
③ 「温かい領袖様の懐に抱かれて育った私たちは、何て幸せなことでしょう!」と幼い頃から、頭に刷り込まれて育てられる。「私たちは、他国のものを何も羨うらやみません」「私たちは今、最も幸せです」とも。これらは、高等中学校用の英語の辞書の例文である。つまり、「欲しがりません。勝つまでは」(日本の1942年の国民標語)のように潜在需要があるのではなく、需要そのものの芽まで摘み取ってしまうから、消費経済へのモチベーションまで断たれてしまう。これでは経済発展も望めない。これによって為政者は統治し易いように国民の不満発生をミニマムに押さえ込んでしまっている。お仕着せの配給品を不平も言わずに有り難がってもらう国民でなければならない。消費者が育たぬシステムであり、また、消費者が育ち、力を持ったら体制崩壊につながる政治経済システムでもある。
④ 情報鎖国主義の徹底
他国からの影響をシャットアウトし、金日成・金正日神話教育を徹底させ
る。カルチャーショックを起こさせないようにし、指導者の行政能力の客観比較を国民にさせない。
なぜなら、指導者や党、政府への疑問、不信は、自浄能力の乏しい独裁体制では、即、政権崩壊につながりかねないからだ。
政権崩壊は体制崩壊をも意味する。だから、情報が入ってくるのを防ぐと同時に、情報が持ち出されるのにも神経を使う。新聞記者やカメラマンは、「スパイ」の位置付けである。
また内向きには、『強盛大国』『自力更生』などのスローガンで国民の
鼻面を引き摺ずり回す。
⑤ 社会的自我に目覚めぬ大衆
500年続いた李王朝、36年間の日帝植民地支配、56年間の旧ソ連の傀儡としての金日成お仕着せ政権 ― 北朝鮮国民には市民革命の経験がなく、
被支配に馴らされている。民衆に社会的自我の目覚めがなく、指導者を
受け入れ易い体質。確かに代議員選挙などはあっても自由主義社会のそれとは、質的に違う。最初から結果が分かっているに等しい。
⑥ 儒教を精神的風土としている家父長制度の国家
社会主義社会で世襲制をしたのは、この国だけであるが、
「我が国が2代続いて偉大な指導者に恵まれたのは、何たる幸せな国民か」(日朝辞典)と、労働党はプロパガンダ教育をして、他国の批判も何の
その。これからも朝鮮式(ウリ式)を貫くと明言。
⑦ 国家主権の壁に阻まれ他国は内政干渉できない
金日成・金正日政権の失政のツケは、物言えぬ大衆に回り、
ひたすら耐えるか餓死するか病死するか、あるいは亡命するかの悲しい
選択肢のみ。それでも他国は手を出せない。人道主義的援助(例えば米
などの食糧支援)もその使途のチェックさえ、ままならない。
⑧ 北朝鮮は中国の『持ち駒』
北朝鮮の運命を握っているのは、米国でなく中国。政治・経済的にも
すっかり生殺与奪の権を中国に握られており、中国は米中外交でもカードとして利用している。安易には崩壊させない。
(以下略)
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「潜在需要を押さえ込むのではなく、需要そのものを押さえ込む」
なかなか凄