月報「北朝鮮問題」拡大版①
投稿者: komash0427 投稿日時: 2005/12/11 21:49 投稿番号: [224082 / 232612]
月報「北朝鮮問題」拡大版(『諸君』1月号より)
中国に「植民地」化される哀れな北朝鮮
援助の見返りは労働力。日本との国交正常化で肥え太ろうとする中朝の手に乗るな
荒木和博 特定失踪者問題調査会代表・拓殖大学教授
青木直人 ジャーナリスト
荒木 1年ぶりの日朝協議に続いて、6カ国協議が再開され、北朝鮮をめぐる情勢は大きな曲がり角に来ています。ところが、新聞やテレビなどの報道をみていると、そもそも議論の前提に大きな誤解が潜んでいることが少なくありません。なかでも代表的なものを挙げてみましょう。
一 「中国は同盟国である北朝鮮、およびその外交を支持している」
二 「金正日独裁体制はなかなか崩壊しない」
三 「アメリカは北朝鮮を軍事制裁する用意がある」
四 「日本には6カ国協議をリードしていく力はない」・・・・・。
こうした誤った前提に立ってどれだけ議論を積み重ねてみても、誤った結論しか出てこないのは当然です。今日は、月報『北朝鮮問題』拡大版として、中国を中心に東アジアの政治経済を深く取材している青木さんと、こういった『北朝鮮問題の常識のうそ』を指摘しながら、北朝鮮、そして東アジア外交において、日本がとるべき立場とは何か、論じて生きたいと思います。
まず、「中国は同盟国として、北朝鮮および、その外交を支持している」というウソですが、確かに半世紀以上前の朝鮮戦争以来、中国と北朝鮮は安全保障上の利害を一にする同盟国でした。しかし、近年、その関係は大きく変わっています。
青木 これまで中朝の同盟関係を象徴する言葉に、「血で結ばれた友誼」「中朝両国は唇歯の関係」というものがありました。これらは中朝関係についてのみ使われる特別の言葉で、ほかの国との関係で使われることはほとんどありません。
荒木 「血で結ばれた友誼」とは、朝鮮戦争をともに戦った間柄を意味しています。「唇歯の関係」とは、唇と歯のように非常に近い関係であり、一方が滅びると他方も危うくなる、というわけですね。
青木 この二つの言葉について、「人民日報」の過去50年分を検索してみたんです。すると、朝鮮戦争の後、1955年から59年までの間には、153件登場しています。60年代になると542件、70年代には763件と、両国の関係の深まりを表すように増えていくのですが、80年代になると279件に激減する。それ以降は、90年代が104件、2000年はわずか5件で、2001年からは1件も見当たりません。
荒木 中国が経済開放政策を始め、冷戦が終焉すると、どんどん減っているのは象徴的ですね。
青木 両国の関係はどう変わったのか。一言で言えば、同盟国として、少なくとも形の上では「水平の関係」にあったのが、「垂直の関係」、すなわち支配する中国と従属する北朝鮮という上下関係があらわになってきた。
荒木 言い換えると、安全保障を軸としたイデオロギー的・軍事的同盟から、経済的支配と従属への大転換ですね。ここを見誤ると、6カ国協議などでの中国の行動がまったく読めなくなってしまいます。
どんどん進む経済支配
青木 こうした変化を如実に表していたのが、2005年10月の胡錦濤の北朝鮮訪問でした。まず際立っていたのが胡錦濤の北朝鮮に対する、冷淡とも思える態度です。そもそも胡錦濤は党総書記に就任してから3年もの間、1度も北朝鮮に足を踏み入れてなかった。しかも、金正日が熱望していた10月10日の朝鮮労働党60周年のセレモニーにも参加しなかった。
荒木 金正日は中朝の伝統的な同盟・友好関係を演出したかったのですが、中国はそれを拒否したわけですね。
青木 そうです。おまけに今回の訪朝は、ベトナムとセットでの2カ国訪問でした。これも、中国の歴代最高指導者たちが「唇歯の関係」の隣国、北朝鮮に単独訪問してきた”伝統”から考えると異例のことです。
しかも、肝心の首脳会談は1回しか行われなかったうえに、会談の席で金正日はペーパーを出して読み上げるだけ。ここで金正日は6カ国協議出席を明言させられました。つまり、首脳会談は一種のセレモニーで、金正日には胡錦濤と実質的な交渉をする機会は与えられなかったことを意味します。中国側が自分たちの以降を一方的に通達するための場に過ぎなかった。
荒木 中国側の冷淡さとは対照的に、金正日は大サービスでしたね。
青木 空港までじきじきに出迎えたばかりか、見送りもした。しかも空港に赤絨毯まで敷いて、閲兵式を行い、沿道には万単位の平壌市民を並べて、旗を振らせた。金正日がここまで一方的に頭を
中国に「植民地」化される哀れな北朝鮮
援助の見返りは労働力。日本との国交正常化で肥え太ろうとする中朝の手に乗るな
荒木和博 特定失踪者問題調査会代表・拓殖大学教授
青木直人 ジャーナリスト
荒木 1年ぶりの日朝協議に続いて、6カ国協議が再開され、北朝鮮をめぐる情勢は大きな曲がり角に来ています。ところが、新聞やテレビなどの報道をみていると、そもそも議論の前提に大きな誤解が潜んでいることが少なくありません。なかでも代表的なものを挙げてみましょう。
一 「中国は同盟国である北朝鮮、およびその外交を支持している」
二 「金正日独裁体制はなかなか崩壊しない」
三 「アメリカは北朝鮮を軍事制裁する用意がある」
四 「日本には6カ国協議をリードしていく力はない」・・・・・。
こうした誤った前提に立ってどれだけ議論を積み重ねてみても、誤った結論しか出てこないのは当然です。今日は、月報『北朝鮮問題』拡大版として、中国を中心に東アジアの政治経済を深く取材している青木さんと、こういった『北朝鮮問題の常識のうそ』を指摘しながら、北朝鮮、そして東アジア外交において、日本がとるべき立場とは何か、論じて生きたいと思います。
まず、「中国は同盟国として、北朝鮮および、その外交を支持している」というウソですが、確かに半世紀以上前の朝鮮戦争以来、中国と北朝鮮は安全保障上の利害を一にする同盟国でした。しかし、近年、その関係は大きく変わっています。
青木 これまで中朝の同盟関係を象徴する言葉に、「血で結ばれた友誼」「中朝両国は唇歯の関係」というものがありました。これらは中朝関係についてのみ使われる特別の言葉で、ほかの国との関係で使われることはほとんどありません。
荒木 「血で結ばれた友誼」とは、朝鮮戦争をともに戦った間柄を意味しています。「唇歯の関係」とは、唇と歯のように非常に近い関係であり、一方が滅びると他方も危うくなる、というわけですね。
青木 この二つの言葉について、「人民日報」の過去50年分を検索してみたんです。すると、朝鮮戦争の後、1955年から59年までの間には、153件登場しています。60年代になると542件、70年代には763件と、両国の関係の深まりを表すように増えていくのですが、80年代になると279件に激減する。それ以降は、90年代が104件、2000年はわずか5件で、2001年からは1件も見当たりません。
荒木 中国が経済開放政策を始め、冷戦が終焉すると、どんどん減っているのは象徴的ですね。
青木 両国の関係はどう変わったのか。一言で言えば、同盟国として、少なくとも形の上では「水平の関係」にあったのが、「垂直の関係」、すなわち支配する中国と従属する北朝鮮という上下関係があらわになってきた。
荒木 言い換えると、安全保障を軸としたイデオロギー的・軍事的同盟から、経済的支配と従属への大転換ですね。ここを見誤ると、6カ国協議などでの中国の行動がまったく読めなくなってしまいます。
どんどん進む経済支配
青木 こうした変化を如実に表していたのが、2005年10月の胡錦濤の北朝鮮訪問でした。まず際立っていたのが胡錦濤の北朝鮮に対する、冷淡とも思える態度です。そもそも胡錦濤は党総書記に就任してから3年もの間、1度も北朝鮮に足を踏み入れてなかった。しかも、金正日が熱望していた10月10日の朝鮮労働党60周年のセレモニーにも参加しなかった。
荒木 金正日は中朝の伝統的な同盟・友好関係を演出したかったのですが、中国はそれを拒否したわけですね。
青木 そうです。おまけに今回の訪朝は、ベトナムとセットでの2カ国訪問でした。これも、中国の歴代最高指導者たちが「唇歯の関係」の隣国、北朝鮮に単独訪問してきた”伝統”から考えると異例のことです。
しかも、肝心の首脳会談は1回しか行われなかったうえに、会談の席で金正日はペーパーを出して読み上げるだけ。ここで金正日は6カ国協議出席を明言させられました。つまり、首脳会談は一種のセレモニーで、金正日には胡錦濤と実質的な交渉をする機会は与えられなかったことを意味します。中国側が自分たちの以降を一方的に通達するための場に過ぎなかった。
荒木 中国側の冷淡さとは対照的に、金正日は大サービスでしたね。
青木 空港までじきじきに出迎えたばかりか、見送りもした。しかも空港に赤絨毯まで敷いて、閲兵式を行い、沿道には万単位の平壌市民を並べて、旗を振らせた。金正日がここまで一方的に頭を
これは メッセージ 218959 (sofiansky2003 さん)への返信です.