小泉首相の訪朝と課題について☆☆☆☆☆

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佐々江賢一郎氏

投稿者: komash0427 投稿日時: 2005/08/03 22:47 投稿番号: [210471 / 232612]
重村氏の「北朝鮮の外交戦略」から(p172-p175)

1997年11月11日から森喜朗自民党総務会長を団長にした与党訪朝団(自民党、社会党、さきがけ)を派遣した。この与党訪朝団に対し、金容淳書記は「拉致」との言葉を使わないように要請し「行方不明者」とするよう求め、調査することを約束した。しかし、後になって該当者はいないとの調査報告が届けられた。

森訪朝団は、国内での批判もあり合意文書は作成しなかった。そのかわり「報道文」を発表した。この報道文には、

①第9回政府間交渉の再開
②交流拡大――

が盛りこまれた。北朝鮮が第9回交渉の再開にこだわった理由は「新たな交渉」にしたくなかったからである。新たな交渉にすると、拉致問題を正式議題として日本側が提出するのは間違いなく、また「戦後の償い」が白紙化される恐れがあった。日本の外務省は、新たな交渉を望んだが、日本の政治家は「新たな交渉」と「第9回交渉」の違いが持つ大きな意味を理解できなかった。この報道文からは「無条件の日朝正常化交渉再開」の文字は消えた。

北朝鮮側がこだわった「無条件の日朝正常化交渉再開」の条件を、事実上棚上げにした気概ある日本の外交官がいた。

当時北東アジア課長に就任したA氏は、それまでの方針をこっそり変えた。「拉致問題が何らかのかたちで前進しない限りは、日朝正常化交渉の再開は、国民の納得を得られない」と、北朝鮮側に非公式に通告したのである。それまでの北東アジア課長は、政治家が合意した「無条件の日朝正常化交渉再開」に了解を与えていたのである。

これは、二つの面で正しい判断であった。まず、政治家の合意はあくまでも民間人による合意である。政府がそのまま受けいれるべきではない。もし、条件や留保もつけずに受け入れると、政治家の合意に日本政府が従っているとの誤解を与えることになる。第二に、正常化を急いでいるのは北朝鮮側である。そうなら、交渉再開に条件をつけるべきは日本側であって北朝鮮側ではないのだから、自らの交渉カードを交渉前に捨てるべきではない。特に、日本人拉致問題の解決にはこうしたカードがないと交渉にもならないのである。

こうして、A課長はいつのまにか「拉致問題で、国民の納得の得られる何らかの前進」を事実上の条件として北朝鮮側に示したのだった。北朝鮮側の担当者は、日本の政治家に連絡を取り、「A課長が交渉を妨害している」と、泣きついた。これを聞いた日本の政治家は「A課長は、政治家がやるべきことに手を出している」との不満を表明した、との話が流れたことがあった。また、北朝鮮側はA課長を「日朝正常化交渉再開」の最大の障害と非公式に非難したりした。

ともかく、A課長は「拉致問題をないがしろにしたら、日本外交は国民の信頼を失う」との判断と、「公にすることで家族が殺されることも覚悟している以上、それに答えなければならない」との考えで、「条件付の交渉再開」に外交の向きを変えたのであった。しかし、その後の展開ではA課長が願った「日本外交の使命」と「国民の信頼」よりは、早期の正常化交渉再開という政治的な意向が優先されたように見える。ただ、北朝鮮側も完全な無条件再開とはいかず、「行方不明日本人の再調査」を約束せざるを得なかった。

この北東アジア課長が、「拉致問題」を正常化交渉の事実上の条件にした背景には、日本の外交の気概があった。「日本政府への国民の信頼」がかかっていると判断したのは、実は大変な決断であった。
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ここに触れられている気概ある外交官「A課長」が誰なのかが気になり、1年ほど前に外務省に電話で聞いたところ、97年8月までは別所浩郎という人(現首相秘書官として内閣府へ出向中)が北東アジア課長を勤めていたそうです。そしてその後に佐々江賢一郎氏が北東アジア課長に就任しています。
推測ですが、この年の与党訪朝団は11月に訪朝しているので、佐々江課長が国交交渉に拉致事件が扱われるように働きかけをしたのではないかと、思っています。
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