火の海は本当か?(1/2)
投稿者: komash0427 投稿日時: 2005/03/01 23:32 投稿番号: [185079 / 232612]
イラク戦争後の日本の関心は、北朝鮮を米国がどう料理するかに移った。「無敵米軍」は、いよいよ北朝鮮に対し先制攻撃をやってくれるのだろうか?―――
このような日本の「マスコミ世論」の期待は、大いに的を外していると思う。
近年の北朝鮮は、武器及び麻薬の不法輸出と、中国からの細い「輸血」によって、かろうじて国民の生存最低経済が維持されている。国家としては,疾うに死んでいるとされているので、実態はゾンビにやや近い。1950年のような大戦争を遂行する体力は無論どこにも余してはいない。原爆だってありもしないことは米国にはつくづく分かっている(がそれを公表するかどうかは、別な思惑にかかることだ)。
だからアメリカ政府としては、自分から攻撃を仕掛けてリスクを取りに行く必要などない。特に中国との「対決」になることは常に政権の不人気に直結しかねないから慎重である。もうしばらく様子をみていれば、そのうちに平壌でクーデターでも起きるのではあるまいか・・・・・、と考えているのだ。
同じく、約10年前の半島危機の際にも、前線基地として使う予定だった日本の、政治家と外務省がすっかり北京の軛に押さえつけられていた現状と、「あと10年も北朝鮮を封じ込めておいたらば、金父子体制は自滅してくれるでしょう」とのCIAリポートがあって、アメリカは対北朝鮮の戦争覚悟の経済制裁を投げ出してしまった。言い換えると、じきにチャウシェスク・ルーマニアのような騒ぎが起きて、金親子がムッソリーニのように逆さ吊りになり、もうちょっとまともな政権が誕生するだろうと甘く期待したのだ。が、10年経っても北朝鮮体制は残ったままである。
彼らアメリカ人一柳の不思議な「暴動願望」があることを、外国人はよく知らない。アメリカ政府は、共和党/民主党を問わず、1950年代から、世界のいたるところで、「民衆が独裁を打倒するのだ」という夢を、性懲りもなく見つづけてきた。外国情報を冷静に分析するのが仕事のはずのCIAまでが、その国民的幻想に擦り寄った「見通し」ばかりを上申する悪い癖があるのだ。
バグダッド占領直後の略奪騒ぎを敢えて傍観していたのだって、その映像が「アメリカの正しさと敵の悪政を証拠立てる暴動」に見え、いわば伝統的願望の成就にしたためである。逆に、サウジアラビアの主だった基地から撤収したのは、同国民から心底嫌われていると痛感したからだ。こんなユニークな考え方をする政府は、他にどこにもいない。
いかにもパーレビ・イラン体制は、石油輸出がちょっと不調になったら、国内の反乱が拡大してひっくり返った。クーデターで打倒された「アメリカの傀儡」政権も、珍しくはない。が、それらと、もともと裸一貫からやってきている北朝鮮とを一緒にすることはできまい。金王朝には、万邦無比な自国民の忠勤を誇る資格はあるだろう。
いまや敵なし・・・・・なはずの米軍が北朝鮮に地してだけは先制攻撃をためらう有力な一つの事由として、開戦と同時にソウル市が「火の海」になる、との1994年3月19日の板門店における北朝鮮政府首席代表の脅しがまだ効いているのだと、しばしば解説される。
しかしこれは、マスコミ人の不勉強が10年間助長してきた与太話でしかない。
例にあげたら悪いけれども、例えば『世界週報』の電子メールマガジンである「ワールド・ニュース・メール」(2003年5月2日配信)にも、「北朝鮮は約4千の砲台を山腹に隠蔽配備し」ていて、「米軍が50万発という砲弾の雨が、DMZから約50キロしか離れていないソウルに降り注ぐことになる。米軍は、全面戦争になった場合、初日の軍、民間人死傷者は100万人に達し得ると見ている」とのワシントン駐在記者さんの文章が見える。
これは起こり得ない話なのだ。世論はマスコミの不勉強体質によって盲目化されてはならない。
続く)
このような日本の「マスコミ世論」の期待は、大いに的を外していると思う。
近年の北朝鮮は、武器及び麻薬の不法輸出と、中国からの細い「輸血」によって、かろうじて国民の生存最低経済が維持されている。国家としては,疾うに死んでいるとされているので、実態はゾンビにやや近い。1950年のような大戦争を遂行する体力は無論どこにも余してはいない。原爆だってありもしないことは米国にはつくづく分かっている(がそれを公表するかどうかは、別な思惑にかかることだ)。
だからアメリカ政府としては、自分から攻撃を仕掛けてリスクを取りに行く必要などない。特に中国との「対決」になることは常に政権の不人気に直結しかねないから慎重である。もうしばらく様子をみていれば、そのうちに平壌でクーデターでも起きるのではあるまいか・・・・・、と考えているのだ。
同じく、約10年前の半島危機の際にも、前線基地として使う予定だった日本の、政治家と外務省がすっかり北京の軛に押さえつけられていた現状と、「あと10年も北朝鮮を封じ込めておいたらば、金父子体制は自滅してくれるでしょう」とのCIAリポートがあって、アメリカは対北朝鮮の戦争覚悟の経済制裁を投げ出してしまった。言い換えると、じきにチャウシェスク・ルーマニアのような騒ぎが起きて、金親子がムッソリーニのように逆さ吊りになり、もうちょっとまともな政権が誕生するだろうと甘く期待したのだ。が、10年経っても北朝鮮体制は残ったままである。
彼らアメリカ人一柳の不思議な「暴動願望」があることを、外国人はよく知らない。アメリカ政府は、共和党/民主党を問わず、1950年代から、世界のいたるところで、「民衆が独裁を打倒するのだ」という夢を、性懲りもなく見つづけてきた。外国情報を冷静に分析するのが仕事のはずのCIAまでが、その国民的幻想に擦り寄った「見通し」ばかりを上申する悪い癖があるのだ。
バグダッド占領直後の略奪騒ぎを敢えて傍観していたのだって、その映像が「アメリカの正しさと敵の悪政を証拠立てる暴動」に見え、いわば伝統的願望の成就にしたためである。逆に、サウジアラビアの主だった基地から撤収したのは、同国民から心底嫌われていると痛感したからだ。こんなユニークな考え方をする政府は、他にどこにもいない。
いかにもパーレビ・イラン体制は、石油輸出がちょっと不調になったら、国内の反乱が拡大してひっくり返った。クーデターで打倒された「アメリカの傀儡」政権も、珍しくはない。が、それらと、もともと裸一貫からやってきている北朝鮮とを一緒にすることはできまい。金王朝には、万邦無比な自国民の忠勤を誇る資格はあるだろう。
いまや敵なし・・・・・なはずの米軍が北朝鮮に地してだけは先制攻撃をためらう有力な一つの事由として、開戦と同時にソウル市が「火の海」になる、との1994年3月19日の板門店における北朝鮮政府首席代表の脅しがまだ効いているのだと、しばしば解説される。
しかしこれは、マスコミ人の不勉強が10年間助長してきた与太話でしかない。
例にあげたら悪いけれども、例えば『世界週報』の電子メールマガジンである「ワールド・ニュース・メール」(2003年5月2日配信)にも、「北朝鮮は約4千の砲台を山腹に隠蔽配備し」ていて、「米軍が50万発という砲弾の雨が、DMZから約50キロしか離れていないソウルに降り注ぐことになる。米軍は、全面戦争になった場合、初日の軍、民間人死傷者は100万人に達し得ると見ている」とのワシントン駐在記者さんの文章が見える。
これは起こり得ない話なのだ。世論はマスコミの不勉強体質によって盲目化されてはならない。
続く)
これは メッセージ 1 (mitokoumon_2002 さん)への返信です.