(ちと古いが)
金正日の誕生日の前に、核保有宣言を大々的にやっておきながら、
国内の大きな節目の日に、
それを確認するような行事はなかった。
やろうにもやれない?
「時間がない」
6カ国協議以来、時間はどちら側に利するかという論議があったけれど、
核開発か北の崩壊か
崩壊はなかなか見えてこないけど、
金正日体制が「死に至病」であることは、
確か。
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米中恐れて行われなかった北朝鮮の「核兵器製造祝典」
北朝鮮は16日、金正日総書記の63歳の誕生日を祝った。北朝鮮の朝鮮中央テレビは、例年に比べ華やかさに欠ける映像を報じた。
日本の多くのテレビ局は、金正日総書記の祝典の映像から、何が読み取れるのかを報じた。
だが、今回の祝典で注目すべきは、「核兵器製造」が祝われなかった事実である。
本来なら、核兵器を製造した偉大な指導者として、大々的な祝典が行われて当然だった。
また、開発した核兵器やミサイルを誇示するパレードを行ってもおかしくなかった。
なぜ、「核兵器製造祝典」を行わなかったのか。この謎にこそ、北朝鮮の本音と、苦しい立場がある。
事情を知る北朝鮮の高官たちは、最近「北朝鮮には時間がない」と語りだしている。
「時間がない」とは、このままでは近い将来に体制崩壊の危機に直面する、との危機感である。
北朝鮮では、配給を廃止して以来、経済混乱が続いている。
配給がなくなった結果、物価が高騰した。現金がなければ、何も買えない。平壌で、一家5人が生活するには、日本円で最低1万円は必要だという。
ところが、幹部でも収入は5,000円程度だ。汚職や利権を利用しなければ、とても生活できない。社会の秩序とモラルが低下している。
誕生祭の中央報告大会で、演説者はアメリカを激しく非難せず「米朝共存」を強く訴えた。
異例の表現であるが、北朝鮮の本音といっていいだろう。
アメリカから「共存」の約束を取り付け、日米両国との関係を改善し経済を再建しなければ、北朝鮮は生き残れない。この必死の思いが、演説には込められた。
だが、アメリカが北朝鮮のこうした要求を受け入れる可能性は、まずない。
核開発を完全に放棄しない限り、北朝鮮に譲歩も支援もしない方針だ。
もう一つ、北朝鮮が頭を抱えているのは、後継者問題だ。
北朝鮮は、なお世襲体制を維持するつもりだ。
しかし、中国は「世襲はもう認められない」と北朝鮮に伝えているという。
北朝鮮の「核兵器製造」宣言は、米国から「共存」を勝ち取り、中国には「世襲」を認めさせる駆け引きの「カード」であろう。
しかし、中国とアメリカを怒らせただけで、その目的を達していない。
(早稲田大学国際教養部教授・重村智計)
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