ジュンイチロウとジョンイルの思惑①
投稿者: komash0427 投稿日時: 2005/02/11 13:28 投稿番号: [177404 / 232612]
では早速。
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北朝鮮は過去、韓国に向けて数々のテロ事件を起こしてきたが、その後の対応には一つのパターンがある。テロを指弾されると、最初は無視し、次いで開き直り、さらには恫喝に出て事態をあいまいにし、ほとぼりのさめるのを待つというパターンである。1983年のラングーン爆弾テロ事件、87年の大韓航空機爆破事件など、北朝鮮がいまなお犯行を否定している事件は多い。しかし、重要な協議を進展させたいとき、最高指導者がさらりとテロを口頭で謝罪し、水に流してしまおうとする行動をとることも、ままある。
二つの発言がある。
「70年代から80年代初めまで、特殊機関の一部の妄動主義、英雄主義があり、こういうことが起きた。遺憾なことで率直にお詫びしたい」
「申し訳なかった。われわれ内部の左傾妄動分子のしたことだった。私や党の意思ではなかった」
前者は、承知のとおり、2002年9月の第一次日朝首脳会談で、金正日総書記が小泉首相に対し、日本人拉致を初めて認め、謝罪したときの発言だ。
後者もその時の言葉のように見えるが、そうではない。実は、これは、金総書記の父親、故金日成首席による30年以上も前の発言である。
1968年1月、北朝鮮は朴正熙大統領暗殺を狙って武装ゲリラ31人を玄関のソウルに送りこんだ。ゲリラは青瓦台(大統領官邸)まで500メートルの地点まで侵入したが、韓国側に発見され、銃撃戦の末に30人が射殺され、一人が生け捕りとなった。韓国側は激怒したが、北朝鮮は関与を否定し続けた。
ところが4年後の72年、南北は米軍の韓国からの撤退開始など国際情勢の急変を受け、自主的統一・平和的統一などをうたった「7・4共同宣言」作成のため秘密接触を重ねていた。金日成首席(当時は党総書記)が秘密訪朝した韓国の李厚洛・中央情報部長に会ったとき、青瓦台襲撃についてはじめて謝罪した発言が、これである。
青瓦台襲撃を謝罪して7.4声明に署名した金主席、拉致に謝罪して日朝平壌宣言に署名した息子の金総書記――。
重要協議を進展させるとき、さらりと事件に触れて口頭で謝罪し、水に流す。北朝鮮という国は、金日成時代も金正日時代も本質は変わっていない。類似した行動を重ねる。
小泉電撃訪朝から2年4ヶ月あまり。この間、日朝は拉致問題をめぐってせめぎあい、横田めぐみさんのニセ遺骨という異常な局面にまで至った。日本国内では経済制裁を求める声がますます高まっているが、北朝鮮は「ニセ遺骨は日本の捏造」と開き直り、「制裁を発動すれば、宣戦布告とみなす」と恫喝に出ている。しかし、小泉首相は経済制裁に依然として乗り気薄で、先行きは不透明なままだ。
7・4共同声明発表当時、韓国国内は明日にも統一がなるような熱狂に包まれたが、北朝鮮は関係改善に取り組まず、共同声明は空文と化した。日朝の歴史的文書・平壌宣言が、そうならない保障はあるのだろうか。以下、平壌宣言を軸に小泉首相と金総書記それぞれの思惑を読み解き、対北朝鮮制裁問題について考えてみたい。
続く)
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北朝鮮は過去、韓国に向けて数々のテロ事件を起こしてきたが、その後の対応には一つのパターンがある。テロを指弾されると、最初は無視し、次いで開き直り、さらには恫喝に出て事態をあいまいにし、ほとぼりのさめるのを待つというパターンである。1983年のラングーン爆弾テロ事件、87年の大韓航空機爆破事件など、北朝鮮がいまなお犯行を否定している事件は多い。しかし、重要な協議を進展させたいとき、最高指導者がさらりとテロを口頭で謝罪し、水に流してしまおうとする行動をとることも、ままある。
二つの発言がある。
「70年代から80年代初めまで、特殊機関の一部の妄動主義、英雄主義があり、こういうことが起きた。遺憾なことで率直にお詫びしたい」
「申し訳なかった。われわれ内部の左傾妄動分子のしたことだった。私や党の意思ではなかった」
前者は、承知のとおり、2002年9月の第一次日朝首脳会談で、金正日総書記が小泉首相に対し、日本人拉致を初めて認め、謝罪したときの発言だ。
後者もその時の言葉のように見えるが、そうではない。実は、これは、金総書記の父親、故金日成首席による30年以上も前の発言である。
1968年1月、北朝鮮は朴正熙大統領暗殺を狙って武装ゲリラ31人を玄関のソウルに送りこんだ。ゲリラは青瓦台(大統領官邸)まで500メートルの地点まで侵入したが、韓国側に発見され、銃撃戦の末に30人が射殺され、一人が生け捕りとなった。韓国側は激怒したが、北朝鮮は関与を否定し続けた。
ところが4年後の72年、南北は米軍の韓国からの撤退開始など国際情勢の急変を受け、自主的統一・平和的統一などをうたった「7・4共同宣言」作成のため秘密接触を重ねていた。金日成首席(当時は党総書記)が秘密訪朝した韓国の李厚洛・中央情報部長に会ったとき、青瓦台襲撃についてはじめて謝罪した発言が、これである。
青瓦台襲撃を謝罪して7.4声明に署名した金主席、拉致に謝罪して日朝平壌宣言に署名した息子の金総書記――。
重要協議を進展させるとき、さらりと事件に触れて口頭で謝罪し、水に流す。北朝鮮という国は、金日成時代も金正日時代も本質は変わっていない。類似した行動を重ねる。
小泉電撃訪朝から2年4ヶ月あまり。この間、日朝は拉致問題をめぐってせめぎあい、横田めぐみさんのニセ遺骨という異常な局面にまで至った。日本国内では経済制裁を求める声がますます高まっているが、北朝鮮は「ニセ遺骨は日本の捏造」と開き直り、「制裁を発動すれば、宣戦布告とみなす」と恫喝に出ている。しかし、小泉首相は経済制裁に依然として乗り気薄で、先行きは不透明なままだ。
7・4共同声明発表当時、韓国国内は明日にも統一がなるような熱狂に包まれたが、北朝鮮は関係改善に取り組まず、共同声明は空文と化した。日朝の歴史的文書・平壌宣言が、そうならない保障はあるのだろうか。以下、平壌宣言を軸に小泉首相と金総書記それぞれの思惑を読み解き、対北朝鮮制裁問題について考えてみたい。
続く)
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