「百年河清を俟って国滅ぶ」―石原慎太郎①
投稿者: mutekinozerosen 投稿日時: 2005/01/17 21:03 投稿番号: [171010 / 232612]
平成13年2月の「諸君」に掲載された、前年の11月末に開かれた憲法問題調査会での石原慎太郎氏の発言です。全文は掲載できないので適宜抜粋します。
モンスターとしての日本
優れた評論家であり私の親友でもあった村松剛がカナダの交換教授から帰ってきた時、「面白いものを手に入れた」と三島由紀夫さんと私にアメリカで一番ハイブラウなニューヨーク・夕イムズ紙のエディトリアル、社説のコピーをくれたことがあります。日本の降伏を報じた一九四五年八月十四日付の紙面と、その数カ月前にドイツが降伏したときの紙面です。
ドイツ降伏を報じる紙面では、「われわれは勝利した。ドイツ人は優れた民族であって、ナチスという一つの虚妄のとりこになったために戦争を起こし、世界中を荒らしたが、とにかく戦いは終った。だから、もし彼らがナチスを排除するならば、われわれは本来の友人であるドイツ人に思い切って再建の手をさしのべよう、その復興を手伝おう」といった内容が記されていた。そして実際、イギリスも含めて、荒廃したヨーロッパを復興させるためのマーシャル・プランが遂行された。
一方、日本降伏の紙面は、全く趣を異にしている。まず、浸画が添えてある。恐ろしくでかいナマズだかクジラだかわからない醜悪な化け物が倒れていて、そのあんぐりと開いた口の中で、大きな大きなヤットコを手にしたGI二、三人がその化け物の牙を抜こうとしている絵です。そして社説本文には、「この怪物は倒れはしたが、決して命を失っておらず、いまだ非常に危険な存在だ。だから、この化け物の牙と骨を徹底的に抜き去り、解体しなければならない。この作業は戦争に勝つより難しいかもしれないが、我々はアメリカのために、世界のためにも、永久にでも、この作業を続けなければならない」とはっきりと書いてある。
つまりこれを分析すると、アメリカ人にとって、あるいはアメリカが背中に背負った白人社会にとって、日本という近代国家の存在は、非常に奇異で異形なものだった、ということになる。ドイツ・ナチスという一種の集団ヒステリーに取りつかれた集団であっても、それを倒した後は「見事な国に復興しうる」と協力の手をさしのべよう、と記しているのに、日本の場合は倒れてもなお白人社会にとってはエイリアン、化け物だった。
そして、そのエイリアンの築いてきた国家社会体制、文化体系を徹底的に解体しよう、ということで、占領軍の戦後統治が始まった。これはもうまぎれもない事実です。このことも、私は決して恣意的にいっているのではない。
たとえばあのミズーリ号の甲板で何が起きたのか。あの時、丸腰になった将軍たちと共に、シルクハットをかぶった重光葵外相が赴き、ポツダム宣言を受諾するという文書に調印しました。が、このポツダム宣言とはなにかといえば、「この宣言を受諾する限り、日本は無条件で軍隊を武装解除する」としか書かれていないものであって、日本はこれを受諾したにすぎない。
ところが調印後のマッカーサーは非常に短いスピーチを行なった後、翌日、その短いスピーチから二十四時間経たない内にGHQに内外の記者団を集めて会見を行ない、「昨日の調印式を想起したまえ。日本は無条件で降伏をした。そして今日から無条件降伏下の日本の統治が始まる。私は責任をもってこれを遂行する」と発言した。
これを聞いて当時の暫定内閣、東久適宮内閣の閣僚たちは愕然としたのです。我々が受諾したのはポツダム宣言であって、無条件降伏ではない。無条件降伏など絶対していない、ということで侃々諤々の議論があったけれども、日本人にとって降伏、被占領といったことが処女体験として非常に大きなショックであったため、結局この強引な宣言に対しての抗議は行なえなかった。
これはアメリカの講じた暴力に近いトリック、つまり詐術です。
モンスターとしての日本
優れた評論家であり私の親友でもあった村松剛がカナダの交換教授から帰ってきた時、「面白いものを手に入れた」と三島由紀夫さんと私にアメリカで一番ハイブラウなニューヨーク・夕イムズ紙のエディトリアル、社説のコピーをくれたことがあります。日本の降伏を報じた一九四五年八月十四日付の紙面と、その数カ月前にドイツが降伏したときの紙面です。
ドイツ降伏を報じる紙面では、「われわれは勝利した。ドイツ人は優れた民族であって、ナチスという一つの虚妄のとりこになったために戦争を起こし、世界中を荒らしたが、とにかく戦いは終った。だから、もし彼らがナチスを排除するならば、われわれは本来の友人であるドイツ人に思い切って再建の手をさしのべよう、その復興を手伝おう」といった内容が記されていた。そして実際、イギリスも含めて、荒廃したヨーロッパを復興させるためのマーシャル・プランが遂行された。
一方、日本降伏の紙面は、全く趣を異にしている。まず、浸画が添えてある。恐ろしくでかいナマズだかクジラだかわからない醜悪な化け物が倒れていて、そのあんぐりと開いた口の中で、大きな大きなヤットコを手にしたGI二、三人がその化け物の牙を抜こうとしている絵です。そして社説本文には、「この怪物は倒れはしたが、決して命を失っておらず、いまだ非常に危険な存在だ。だから、この化け物の牙と骨を徹底的に抜き去り、解体しなければならない。この作業は戦争に勝つより難しいかもしれないが、我々はアメリカのために、世界のためにも、永久にでも、この作業を続けなければならない」とはっきりと書いてある。
つまりこれを分析すると、アメリカ人にとって、あるいはアメリカが背中に背負った白人社会にとって、日本という近代国家の存在は、非常に奇異で異形なものだった、ということになる。ドイツ・ナチスという一種の集団ヒステリーに取りつかれた集団であっても、それを倒した後は「見事な国に復興しうる」と協力の手をさしのべよう、と記しているのに、日本の場合は倒れてもなお白人社会にとってはエイリアン、化け物だった。
そして、そのエイリアンの築いてきた国家社会体制、文化体系を徹底的に解体しよう、ということで、占領軍の戦後統治が始まった。これはもうまぎれもない事実です。このことも、私は決して恣意的にいっているのではない。
たとえばあのミズーリ号の甲板で何が起きたのか。あの時、丸腰になった将軍たちと共に、シルクハットをかぶった重光葵外相が赴き、ポツダム宣言を受諾するという文書に調印しました。が、このポツダム宣言とはなにかといえば、「この宣言を受諾する限り、日本は無条件で軍隊を武装解除する」としか書かれていないものであって、日本はこれを受諾したにすぎない。
ところが調印後のマッカーサーは非常に短いスピーチを行なった後、翌日、その短いスピーチから二十四時間経たない内にGHQに内外の記者団を集めて会見を行ない、「昨日の調印式を想起したまえ。日本は無条件で降伏をした。そして今日から無条件降伏下の日本の統治が始まる。私は責任をもってこれを遂行する」と発言した。
これを聞いて当時の暫定内閣、東久適宮内閣の閣僚たちは愕然としたのです。我々が受諾したのはポツダム宣言であって、無条件降伏ではない。無条件降伏など絶対していない、ということで侃々諤々の議論があったけれども、日本人にとって降伏、被占領といったことが処女体験として非常に大きなショックであったため、結局この強引な宣言に対しての抗議は行なえなかった。
これはアメリカの講じた暴力に近いトリック、つまり詐術です。
これは メッセージ 1 (mitokoumon_2002 さん)への返信です.