6月10日付・編集手帳
投稿者: remember140917 投稿日時: 2004/06/11 02:11 投稿番号: [137370 / 232612]
心ある人であれば、拉致被害者家族の方々の思いは理解できるはずだと思う。
少なくとも、読売新聞の編集手帳を担当されている方は、心ある人のようだ。
この一文に、感謝の気持ちを捧げたい。
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6月10日付・編集手帳
竹久夢二作詞の「宵待草(よいまちぐさ)」は短い歌である。「待てどくらせど来ぬ人を宵待草のやるせなさ
今宵(こよい)は月も出ぬそうな」。戦前のこと、レコード会社に依頼されて西条八十氏が二番をつけた◆「暮れて河原に星ひとつ宵待草の花が散る
更けては風も泣くそうな」。この歌詞に疑問が出た。宵待草(オオマツヨイグサ)は萎(しお)れる花で目につくようには散らないという◆西条氏も気になったらしく、晩年の自叙伝で「花が散る」を「花の露」に改めている。やつれるほどに待ちくたびれた人の形容にはなるほど、涙の露を浮かべて萎れた花のたたずまいが似つかわしい◆北朝鮮による拉致事件の報道に接するたび、その歌が浮かんでくる。いまなお安否の知れない被害者の家族は、遠い昔の団欒(だんらん)の「宵」が帰ってくる日を祈る思いで待っている◆被害者の家族会は、期待はずれに終わった小泉首相の再訪朝に不満を表明し、そのことで一部世論の批判を浴びた。待って、待って待ちかねた末に味わった失望である。感情に流された物言いがあったからといって、萎れかけた花をとがめる気にはなれない◆「時の記念日」。時間や歳月を見つめるまなざしは人さまざまだろう。「更けては風も泣くそうな」。二十余年の夜という夜を、風の泣く声を聞きながら待ちつづけ、今宵も待つ人がいる。
(2004/6/10/01:49
読売新聞)
これは メッセージ 1 (mitokoumon_2002 さん)への返信です.
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