米国金融政策の基調を探る
投稿者: cfx789 投稿日時: 2004/04/27 23:06 投稿番号: [120273 / 232612]
協栄週報
長谷川慶太郎の「動きを追う」
1)利上げの幅、時期は未定
米国の金融政策運営の責任を担うFRB(連邦準備制度理事会)議長、
グリーンスパンが前週議会で証言し、
米国経済の現状を「本格的」な好況と評価し、
一時懸念されていたデフレ基調が解消したと発言し、
連れて米国の金融政策の変更を暗示する内容に言及した。
この発言を巡って、
かねてから予想されていた「利上げ」の予告とする意見が市場の基調となり、
たちまち米国株価、債券相場の反転下落を招き、
利上げの幅、時期については今年夏。
具体的には6月から8月と言う大方の予測よりも大きく遅れて、
大統領選挙の後、さらに年明けとする判断が一挙に拡がった。
2)金融政策変更の影響
米国経済の基調が不況から好況に転換したとの強気に景気判断を移行した、
FRBの挙げている根拠は、何よりも雇用の動きである。
米国経済の最近の動きは「雇用増なき好況」と言われるように、
経済活動の指標自体は好況の方向を示しているのに、
雇用だけが一向に改善を見せず、
失業率も雇用指数も寧ろ後退する様相を見せ、
90年代のように典型的な
「雇用増なき好況」
の繰り返しに止まるのではないかとの見方を強要していた。
こういうタイプの景気動向は極めて不安定かつ短期的な性格であり、
到底本格的な景気判断の変更を必要とするものではないとの見方を、
取らざるを得ない。
グリーンスパン議長が金融政策の基調の変更を打ち出せないのも、
こうした事情があった。
だが、4月に入って雇用統計に変化が発生し、
明らかに雇用の増加が裏付けられる指標が発表されたから、
グリーンスパン議長としては早めに景気動向の変化に、
対応する幅の広い金融政策運用を可能とするために、
フリーハンドを確保するために、こうした発言を行ったと考えられる。
だが、彼の発言に株式市場があまりにも激しく反応したから、
寧ろ慎重に実際の政策変更を進める意向に傾いたようである。
3)利上げの時期は先送り
米国景気回復が雇用増に結びつくという情勢は、
現職大統領のブッシュの再選に極めて有利な条件を意味する。
景気回復の恩恵が雇用増という形で一般国民に及んでくるなら、
現職の成果と有権者が判断するのは極めて自然である。
この現職再選に有利は経済情勢を逆行させる如き金融政策の変更を、
政府の一員であるFRB議長が決断するはずがない。
この判断を重視すれば、利上げの時期の先送りは当然という結論が出てくる。
おそらく自身の再任を期待しているグリーンスパンの立場では、
当分の間利上げを先送りし、情勢の基調に大きい変化がなければ、
実施の時期は年を越すと判断しておいて間違いないと思われる。
今米国の政界で最も重要な問題は、とりあえずイラク情勢の安定を確保し、
同時に現職再選を確実にする課題の解決である。
折角景気回復の動きが雇用増という形で、
一般有権者の利益に繋がるところまできているのに、
その流れに掉さすならいざ知らず、
逆の影響を及ぼすような危険をはらむ行動を金融政策当局に、
許すことはもともと在りえない。
4)金融政策運営の自由度
どの国でもそうだが、景気の変化よりも金融政策の変化が遅れがちになる。
金融政策当局としては、可能な限り、
遅れがちな金融政策運営を景気の変化に追随させるために、
出来る限り大幅なフリーハンドを事前に確保しようと努力するのは、
自然な反応である。
今度のグリーンスパン発言もこうした文脈で理解すべきだろう。
景気回復が本格化し、さらに情勢が早いテンポで進行し、
あっという間に過熱する事態を回避したいと望むなら、
事前に可能な限り幅の広い金融政策運営のフリーハンドを、
確保したいと希望するのは、責任者として当然の選択といえるだろう。
もし景気回復の動きが本格化してきたのに、
相変わらず低金利政策しか視野にないなら、
安定した経済の運営を金融面からも維持する責任を負う立場から言うなら、
全くの無能、無責任の謗りを免れまい。
グリーンスパン発言の真意を正確に判断するには、
こうした事情を踏まえておく必要があるからである。
1)利上げの幅、時期は未定
米国の金融政策運営の責任を担うFRB(連邦準備制度理事会)議長、
グリーンスパンが前週議会で証言し、
米国経済の現状を「本格的」な好況と評価し、
一時懸念されていたデフレ基調が解消したと発言し、
連れて米国の金融政策の変更を暗示する内容に言及した。
この発言を巡って、
かねてから予想されていた「利上げ」の予告とする意見が市場の基調となり、
たちまち米国株価、債券相場の反転下落を招き、
利上げの幅、時期については今年夏。
具体的には6月から8月と言う大方の予測よりも大きく遅れて、
大統領選挙の後、さらに年明けとする判断が一挙に拡がった。
2)金融政策変更の影響
米国経済の基調が不況から好況に転換したとの強気に景気判断を移行した、
FRBの挙げている根拠は、何よりも雇用の動きである。
米国経済の最近の動きは「雇用増なき好況」と言われるように、
経済活動の指標自体は好況の方向を示しているのに、
雇用だけが一向に改善を見せず、
失業率も雇用指数も寧ろ後退する様相を見せ、
90年代のように典型的な
「雇用増なき好況」
の繰り返しに止まるのではないかとの見方を強要していた。
こういうタイプの景気動向は極めて不安定かつ短期的な性格であり、
到底本格的な景気判断の変更を必要とするものではないとの見方を、
取らざるを得ない。
グリーンスパン議長が金融政策の基調の変更を打ち出せないのも、
こうした事情があった。
だが、4月に入って雇用統計に変化が発生し、
明らかに雇用の増加が裏付けられる指標が発表されたから、
グリーンスパン議長としては早めに景気動向の変化に、
対応する幅の広い金融政策運用を可能とするために、
フリーハンドを確保するために、こうした発言を行ったと考えられる。
だが、彼の発言に株式市場があまりにも激しく反応したから、
寧ろ慎重に実際の政策変更を進める意向に傾いたようである。
3)利上げの時期は先送り
米国景気回復が雇用増に結びつくという情勢は、
現職大統領のブッシュの再選に極めて有利な条件を意味する。
景気回復の恩恵が雇用増という形で一般国民に及んでくるなら、
現職の成果と有権者が判断するのは極めて自然である。
この現職再選に有利は経済情勢を逆行させる如き金融政策の変更を、
政府の一員であるFRB議長が決断するはずがない。
この判断を重視すれば、利上げの時期の先送りは当然という結論が出てくる。
おそらく自身の再任を期待しているグリーンスパンの立場では、
当分の間利上げを先送りし、情勢の基調に大きい変化がなければ、
実施の時期は年を越すと判断しておいて間違いないと思われる。
今米国の政界で最も重要な問題は、とりあえずイラク情勢の安定を確保し、
同時に現職再選を確実にする課題の解決である。
折角景気回復の動きが雇用増という形で、
一般有権者の利益に繋がるところまできているのに、
その流れに掉さすならいざ知らず、
逆の影響を及ぼすような危険をはらむ行動を金融政策当局に、
許すことはもともと在りえない。
4)金融政策運営の自由度
どの国でもそうだが、景気の変化よりも金融政策の変化が遅れがちになる。
金融政策当局としては、可能な限り、
遅れがちな金融政策運営を景気の変化に追随させるために、
出来る限り大幅なフリーハンドを事前に確保しようと努力するのは、
自然な反応である。
今度のグリーンスパン発言もこうした文脈で理解すべきだろう。
景気回復が本格化し、さらに情勢が早いテンポで進行し、
あっという間に過熱する事態を回避したいと望むなら、
事前に可能な限り幅の広い金融政策運営のフリーハンドを、
確保したいと希望するのは、責任者として当然の選択といえるだろう。
もし景気回復の動きが本格化してきたのに、
相変わらず低金利政策しか視野にないなら、
安定した経済の運営を金融面からも維持する責任を負う立場から言うなら、
全くの無能、無責任の謗りを免れまい。
グリーンスパン発言の真意を正確に判断するには、
こうした事情を踏まえておく必要があるからである。
これは メッセージ 1 (mitokoumon_2002 さん)への返信です.