ジャパン・サーパシング 船橋洋一
投稿者: kuecoe 投稿日時: 2004/03/26 19:29 投稿番号: [112927 / 232612]
http://www.asahi.com/column/funabashi/ja/TKY200403250228.html
ラルフ・コッサ・パシフィックフォーラムCSIS(戦略問題研究所)所長によれば、日本はただいま、「ジャパン・サーパシング」の国なのだそうだ。
「米国はこの10年間、日本に対して、ジャパン・バッシング(Japan bashing=日本たたき)からジャパン・パッシング(Japan passing=日本無用論)といった受け止め方をしてきた。それがいまは、ジャパン・サーパシング(Japan surpassing=期待を上回る日本)となりつつある。つまり、米国の期待をはるかに超える頼もしい同盟国としての日本へと成長している」というのである。
クリントン政権時代、第1期は、経済摩擦をめぐって起こった激しいジャパン・バッシング、第2期は日本の経済不況の長期化と中国の台頭に伴って広がった日本無視のジャパン・パッシング、によって特徴づけられた。
それに対して、ブッシュ政権ではとりわけ9・11テロ後、対テロ戦争とアフガニスタン、イラクの再建での日本の貢献で、日本株が急上昇している。
このほど、インド、アフガニスタン、クウェートを歴訪してきたアジア担当の米政府高官はこんな話を披露した。
「インドでは、インドが日本のODA(政府の途上国援助)の最大の供与国となったことで日本の評判が大いに上がっていた。アフガニスタンではカルザイ(大統領)が日本の国づくりへのさまざまなアイデアとリーダーシップを称賛していた。クウェートでは、サマワから帰ってきたばかりの陸上自衛隊の隊員たちと話す機会があった。ほこりまみれで、軍靴に泥がこびりついていたが、立派に務めを果たした充実感をみなぎらせていた」
「カネ、アイデア・リーダーシップ、ヒトと三拍子そろった。それが成功の献立なのだ」
「日本はガイアツで動いているのではない。イラク再建支援では日本が率先して50億ドル拠出を表明したことが湾岸諸国にも支援策を出させるガイアツとなった。何事もスピードなのだ。いまの日本にはそれがある」
この変化はどこから来るのか。
* 小泉純一郎首相の個性と指導力、そして、ブッシュ米大統領との間で築いた信頼関係。
* 湾岸戦争の時の屈辱感と教訓、北朝鮮の脅威と中国の台頭の衝撃、を踏まえ日本国民が国を守る気概を高め、日米同盟の重要性を認識したこと。
そういった要素を知日派の人々は挙げる。前出の高官は「日本国民が、ホッブス的な国際政治観を受け入れつつあること」を指摘した。世界は本来、危険で不安定であり、平和と安定のためには抑止する力、なかでも軍事力が不可欠だ、との現実主義が若い層を中心に広がっている。それがイラク派兵支持を支えている、と見るのだ。
しかし、米民主党の長老は、対米支援の落とし穴についてこんな風に語った。
「サパテロ(スペイン次期首相)が米国の大統領選では民主党が勝って欲しいと言ったが、無神経で不必要な発言だ。民主党支持者さえこういう発言にはカチンとくる。米国人にとっては大統領はどの党の代表というよりやはり国の顔なのだ」
「しかし、日本政府の指導者や外交官たちは、ブッシュ共和党が継続した方がやりやすいと思っているのではないか。この政権は日本を大切にしてくれると彼らは感じているようだ。ただ、日本は共和党大統領を望んでいると見られないように注意した方がいい」
こうした忠告自体、共和党と民主党のすさまじい党争が米国に深い亀裂をもたらしていることを図らずも物語っている。この政権は、国内では党派的分断を、海外では政府指導者と一般大衆との間の対米観の深刻なギャップをそれぞれもたらしている。その二重の断層が世界の国々の対米外交を難しくする。日本の対米外交も今後、綱渡りを迫られることになるだろう。
日本のイラク派兵を褒めそやす知日派の面々にしても、「あってはならないことだが」と断りながら、決まって次の質問を口にしたものだ。
「もし、イラクに派遣された自衛隊員からテロ攻撃で多数の犠牲者が出たとき、日本はどう対応するだろうか」
「もし、スペインと似たような一般市民に対するテロ攻撃で多数の犠牲者が出たとき、日本はどう反応するだろうか」
彼らにしても日本が本当に「頼もしい同盟国」になったのかどうか、口で言うほどまだ自信が持てないのだろう。
ジャパン・サーパシング。なんとなく、どこか、バブルっぽい。 (2004/03/25)
この船橋さん、朝日のコラムニストなんだけれど、早野とは全く違う納得のいく
ラルフ・コッサ・パシフィックフォーラムCSIS(戦略問題研究所)所長によれば、日本はただいま、「ジャパン・サーパシング」の国なのだそうだ。
「米国はこの10年間、日本に対して、ジャパン・バッシング(Japan bashing=日本たたき)からジャパン・パッシング(Japan passing=日本無用論)といった受け止め方をしてきた。それがいまは、ジャパン・サーパシング(Japan surpassing=期待を上回る日本)となりつつある。つまり、米国の期待をはるかに超える頼もしい同盟国としての日本へと成長している」というのである。
クリントン政権時代、第1期は、経済摩擦をめぐって起こった激しいジャパン・バッシング、第2期は日本の経済不況の長期化と中国の台頭に伴って広がった日本無視のジャパン・パッシング、によって特徴づけられた。
それに対して、ブッシュ政権ではとりわけ9・11テロ後、対テロ戦争とアフガニスタン、イラクの再建での日本の貢献で、日本株が急上昇している。
このほど、インド、アフガニスタン、クウェートを歴訪してきたアジア担当の米政府高官はこんな話を披露した。
「インドでは、インドが日本のODA(政府の途上国援助)の最大の供与国となったことで日本の評判が大いに上がっていた。アフガニスタンではカルザイ(大統領)が日本の国づくりへのさまざまなアイデアとリーダーシップを称賛していた。クウェートでは、サマワから帰ってきたばかりの陸上自衛隊の隊員たちと話す機会があった。ほこりまみれで、軍靴に泥がこびりついていたが、立派に務めを果たした充実感をみなぎらせていた」
「カネ、アイデア・リーダーシップ、ヒトと三拍子そろった。それが成功の献立なのだ」
「日本はガイアツで動いているのではない。イラク再建支援では日本が率先して50億ドル拠出を表明したことが湾岸諸国にも支援策を出させるガイアツとなった。何事もスピードなのだ。いまの日本にはそれがある」
この変化はどこから来るのか。
* 小泉純一郎首相の個性と指導力、そして、ブッシュ米大統領との間で築いた信頼関係。
* 湾岸戦争の時の屈辱感と教訓、北朝鮮の脅威と中国の台頭の衝撃、を踏まえ日本国民が国を守る気概を高め、日米同盟の重要性を認識したこと。
そういった要素を知日派の人々は挙げる。前出の高官は「日本国民が、ホッブス的な国際政治観を受け入れつつあること」を指摘した。世界は本来、危険で不安定であり、平和と安定のためには抑止する力、なかでも軍事力が不可欠だ、との現実主義が若い層を中心に広がっている。それがイラク派兵支持を支えている、と見るのだ。
しかし、米民主党の長老は、対米支援の落とし穴についてこんな風に語った。
「サパテロ(スペイン次期首相)が米国の大統領選では民主党が勝って欲しいと言ったが、無神経で不必要な発言だ。民主党支持者さえこういう発言にはカチンとくる。米国人にとっては大統領はどの党の代表というよりやはり国の顔なのだ」
「しかし、日本政府の指導者や外交官たちは、ブッシュ共和党が継続した方がやりやすいと思っているのではないか。この政権は日本を大切にしてくれると彼らは感じているようだ。ただ、日本は共和党大統領を望んでいると見られないように注意した方がいい」
こうした忠告自体、共和党と民主党のすさまじい党争が米国に深い亀裂をもたらしていることを図らずも物語っている。この政権は、国内では党派的分断を、海外では政府指導者と一般大衆との間の対米観の深刻なギャップをそれぞれもたらしている。その二重の断層が世界の国々の対米外交を難しくする。日本の対米外交も今後、綱渡りを迫られることになるだろう。
日本のイラク派兵を褒めそやす知日派の面々にしても、「あってはならないことだが」と断りながら、決まって次の質問を口にしたものだ。
「もし、イラクに派遣された自衛隊員からテロ攻撃で多数の犠牲者が出たとき、日本はどう対応するだろうか」
「もし、スペインと似たような一般市民に対するテロ攻撃で多数の犠牲者が出たとき、日本はどう反応するだろうか」
彼らにしても日本が本当に「頼もしい同盟国」になったのかどうか、口で言うほどまだ自信が持てないのだろう。
ジャパン・サーパシング。なんとなく、どこか、バブルっぽい。 (2004/03/25)
この船橋さん、朝日のコラムニストなんだけれど、早野とは全く違う納得のいく
これは メッセージ 1 (mitokoumon_2002 さん)への返信です.