米国の戦略は中国海軍力の封じ込め
投稿者: hangyosyufu 投稿日時: 2004/03/20 01:03 投稿番号: [111739 / 232612]
BTCパイプラインは完成目前
現在までのところカザフの石油はロシアへのパイプラインで日量30万バレル。これに加えてカスピ海経由のパイプラインが完成すれば、137万バーレルの輸出を増大させられる。
されに対岸バクーへのタンカー輸送は容易であり(カザフは海底パイプラインも完成目前と豪語している!)、そうなればアゼルバイジャンのバクーからグルジアのトビリシ→トルコのジェイハン港という「BTCルート」のパイプライン工事が完成した暁には15万バーレルが上乗せされる。
BTCパイプラインとは、BPを中軸にトタル、コノコ・フィリップス、ENIの四社が参画した大プロジェクトで、日量100万バーレル。05年早々に営業を開始する。
いまの計算でも2010年にはカザフの石油輸出は日量180万バーレル(現在のイラクと並ぶ)になる。
これらに加えて石油資源に溢れるカザフスタンは、じつは輸出をもっと拡大させたい。
そのカザフ石油の埋蔵を狙うのはロシア、欧米メジャー、そして中国である。
現在ですら日量90万バーレルの生産余力を抱えているのに、パイプラインがないために売る当てもなく、経済的に喘いでいる。ましてや、2015年に新たに三百万バーレルの生産余力が出る。
対照的に東に国境を接する中国は2015年に日量730万バーレルの石油輸入が必要になるだろう。
(ならば中国へ売れば良いではないか)
ナゼルバエフ(カザフスタン)大統領は、時々、西側メジャーとのプロジェクトの遅れに苛立ち、ロシアへ再接近のポーズを見せたり、ついには中国ともパイプラインを建設し、石油を中国へも売却する構えを見せた。これは米国を激しく苛立たせる。
中国は江沢民、李鵬らが矢継ぎ早にカザフスタンを訪問し、カスピ海の油田から300
0キロもの長大なパイプラインを敷設して、石油を買うと公表した。ところが、このプロジェクトを支える資金面に多くの問題がでてきた。
スマンクロフ・カザフスタン国有石油運輸会社社長は、昨年9月に「中国へのパイプライン工事を開始する」と宣言し「完成は2006年を予定している」としたのだが、資金的目処をどうするのか、明らかにしなかった。
カスピ海沿岸のアトイラウ油田、やや東側のケンキヤク油田から石油パイプラインを敷設して、中国へ輸出できるようになれば日量100万バーレル(総工費は30億ドルかかる)を回せる。これは中国としては陸続きに輸入できる資源になり、非常に魅力のある計画となる。
▲3000キロものパイプラインを敷設して採算がとれるのか?
しかし石油業界は「3000キロにおよぶパイプラインを三年で敷設するのは不可能であり、そのうえ肝心の資金集めも不可能で、絵空事ではないのか」と疑惑の眼差しである。ましてヨーロッパ復興債権銀行も世界銀行も丁寧にカザフー中国間のパイプラインへの融資を断った。
ところが、部分工事を提案し、この七月にもカザフ中央部アタスから中国との国境まで1300キロのパイプライン敷設を始めることが可能とカザフスタンの当局が発言した。中国が単独で資金調達をするとしたからである。
米国の戦略は中国海軍力の封じ込めにある。
すでに軍事能力的には中国海軍はペルシア湾からインド洋、アンダマン海、マラッカ海峡、南シナ海、東シナ海のチョーク・ポイントをおさえこみ、ベトナム、台湾、日本への石油ルートを攪乱できる。
「だが、ユーラシア大陸から陸続きの石油ルートを閉ざされていて中国は近未来においても原油供給が十分でない限り、中国人民解放軍が軍事行動をとれるオプションはない」と米軍筋は断定する。
中国は昨年だけでも7億3300万バーレルの石油を輸入し、消費国として世界第二位の座にありながら戦略備蓄もなく、くわえて昨今は停電が相次いで20%の電力不足に陥っている。軍隊の石油が十分にあるとは考えられない。
だからこそカザフスタンの石油パイプラインが中国へ伸びることに米国は露骨な不快感を露わにして、冒頭のラムズフェルド国防長官のカザフスタン訪問に繋がった。
しかし米国の妨害作戦、日本の東シベリアーナホトカおよびイランのアザデガン油田開発に対してもなされており、中国のプロジェクトを覆せるか、どうか。その効果は早くも疑わしいようだ。(宮崎正弘)
現在までのところカザフの石油はロシアへのパイプラインで日量30万バレル。これに加えてカスピ海経由のパイプラインが完成すれば、137万バーレルの輸出を増大させられる。
されに対岸バクーへのタンカー輸送は容易であり(カザフは海底パイプラインも完成目前と豪語している!)、そうなればアゼルバイジャンのバクーからグルジアのトビリシ→トルコのジェイハン港という「BTCルート」のパイプライン工事が完成した暁には15万バーレルが上乗せされる。
BTCパイプラインとは、BPを中軸にトタル、コノコ・フィリップス、ENIの四社が参画した大プロジェクトで、日量100万バーレル。05年早々に営業を開始する。
いまの計算でも2010年にはカザフの石油輸出は日量180万バーレル(現在のイラクと並ぶ)になる。
これらに加えて石油資源に溢れるカザフスタンは、じつは輸出をもっと拡大させたい。
そのカザフ石油の埋蔵を狙うのはロシア、欧米メジャー、そして中国である。
現在ですら日量90万バーレルの生産余力を抱えているのに、パイプラインがないために売る当てもなく、経済的に喘いでいる。ましてや、2015年に新たに三百万バーレルの生産余力が出る。
対照的に東に国境を接する中国は2015年に日量730万バーレルの石油輸入が必要になるだろう。
(ならば中国へ売れば良いではないか)
ナゼルバエフ(カザフスタン)大統領は、時々、西側メジャーとのプロジェクトの遅れに苛立ち、ロシアへ再接近のポーズを見せたり、ついには中国ともパイプラインを建設し、石油を中国へも売却する構えを見せた。これは米国を激しく苛立たせる。
中国は江沢民、李鵬らが矢継ぎ早にカザフスタンを訪問し、カスピ海の油田から300
0キロもの長大なパイプラインを敷設して、石油を買うと公表した。ところが、このプロジェクトを支える資金面に多くの問題がでてきた。
スマンクロフ・カザフスタン国有石油運輸会社社長は、昨年9月に「中国へのパイプライン工事を開始する」と宣言し「完成は2006年を予定している」としたのだが、資金的目処をどうするのか、明らかにしなかった。
カスピ海沿岸のアトイラウ油田、やや東側のケンキヤク油田から石油パイプラインを敷設して、中国へ輸出できるようになれば日量100万バーレル(総工費は30億ドルかかる)を回せる。これは中国としては陸続きに輸入できる資源になり、非常に魅力のある計画となる。
▲3000キロものパイプラインを敷設して採算がとれるのか?
しかし石油業界は「3000キロにおよぶパイプラインを三年で敷設するのは不可能であり、そのうえ肝心の資金集めも不可能で、絵空事ではないのか」と疑惑の眼差しである。ましてヨーロッパ復興債権銀行も世界銀行も丁寧にカザフー中国間のパイプラインへの融資を断った。
ところが、部分工事を提案し、この七月にもカザフ中央部アタスから中国との国境まで1300キロのパイプライン敷設を始めることが可能とカザフスタンの当局が発言した。中国が単独で資金調達をするとしたからである。
米国の戦略は中国海軍力の封じ込めにある。
すでに軍事能力的には中国海軍はペルシア湾からインド洋、アンダマン海、マラッカ海峡、南シナ海、東シナ海のチョーク・ポイントをおさえこみ、ベトナム、台湾、日本への石油ルートを攪乱できる。
「だが、ユーラシア大陸から陸続きの石油ルートを閉ざされていて中国は近未来においても原油供給が十分でない限り、中国人民解放軍が軍事行動をとれるオプションはない」と米軍筋は断定する。
中国は昨年だけでも7億3300万バーレルの石油を輸入し、消費国として世界第二位の座にありながら戦略備蓄もなく、くわえて昨今は停電が相次いで20%の電力不足に陥っている。軍隊の石油が十分にあるとは考えられない。
だからこそカザフスタンの石油パイプラインが中国へ伸びることに米国は露骨な不快感を露わにして、冒頭のラムズフェルド国防長官のカザフスタン訪問に繋がった。
しかし米国の妨害作戦、日本の東シベリアーナホトカおよびイランのアザデガン油田開発に対してもなされており、中国のプロジェクトを覆せるか、どうか。その効果は早くも疑わしいようだ。(宮崎正弘)
これは メッセージ 1 (mitokoumon_2002 さん)への返信です.