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日露開戦100年と司馬史観の克服

投稿者: mutekinozerosen 投稿日時: 2004/02/06 22:41 投稿番号: [105292 / 232612]
日露戦争の世界史的意義を、全国紙がこうした形で評価するようになりました。


[日露戦争百年]「歴史をじっくりと見直したい」

  世界史の大きな転換点となった日露戦争の開戦から、二月八日で百年を迎える。

  日本人の記憶から遠ざかりつつあるこの戦争が、国家の存亡を賭けた重い決断によるものだったことを、改めて思い起こしたい。

  当時、アジア、アフリカの大半が、欧米列強の従属下に置かれていた。弱小国は、強国に支配される。それが、国際社会の冷厳な現実だった。

  南下政策を進めるロシアは、満州(中国東北部)を占拠し、さらに朝鮮半島にも地歩を固めようとしていた。圧倒的な軍事力を持つロシアは、満州をロシア、朝鮮半島を日本の勢力下に置くとする日本の提案も受け入れなかった。

  朝鮮半島がロシアの支配下に入れば、日本の独立も脅かされかねないと、強い危機意識を抱いた明治の指導者たちは、ロシアとの対決を選択した。

  準備は周到だった。日英同盟を結び、英国に好意的中立を約束させ、米国には早い段階から講和の仲介を依頼した。

  日本の勝利は、全世界を驚かせた。ロシアの支配下にあった北・東欧はもちろん、エジプトからベトナムに至るアジアやアフリカの民族独立運動に大きな希望を与え、そのうねりは欧米列強の植民地支配の打破へとつながって行った。

  まさに世界史の歯車を大きく動かした戦争だった。

  第二次大戦後の日本国内では、連合国軍総司令部(GHQ)の占領政策の下、日露戦争を語ることは、軍国主義に結びつくとしてタブー視された。日露戦争を扱った多くの書籍が没収された。

  日本海海戦で活躍した戦艦「三笠」は一時期、ソ連の意向で砲塔などが撤去され、ダンスホールに姿を変えた。

  占領が終わり、日本が主権を回復した後も、この風潮はしばらく続いた。

  日露戦争見直しの一つの契機は、司馬遼太郎の小説「坂の上の雲」の刊行だった。日露戦争を肯定的に評価し、困難な戦争に英知を絞って立ち向かった明治の群像を生き生きとした筆致で描いた。

  司馬氏は日露戦争以後の日本の歩みには批判的で、その独自の史観は「司馬史観」と呼ばれている。

  日露戦争とその後の無謀な戦争との比較からは、いろいろな教訓が引き出せるだろう。だが、日露戦争を境とした歴史への単純な線引きには無理がある。今日の尺度だけで、時代の善悪を決めつけることも出来ないだろう。

  ともあれ日露戦争百年を迎える今、複雑な日本近代史を様々な角度からとらえ直したい。それは、日本の現在を考える上でも大いに参考になるはずだ。

http://www.yomiuri.co.jp/editorial/news/20040205ig90.htm
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