民主党の国連待機部隊構想への疑問
投稿者: remember140917 投稿日時: 2004/01/14 07:40 投稿番号: [100730 / 232612]
これは、1月14日付けの日経新聞社説だが、私はこの社説の内容を全面的に支持する。
自衛隊という、国際社会の要請に充分以上に応えうる組織があるにもかかわらず、国連待機部隊を新たに設けようとする構想など、我々の税金の壮大な無駄遣い以外の何物でもない。
民主党に現実的な政権担当能力が欠如していることの証が、こうしてまた一つ明らかになった。
−−−−−−−−−−−−−−−−−−
社説1 民主党の国連待機部隊構想への疑問
菅直人民主党代表は党大会で2006年までの独自の憲法改正案作成、自衛隊に代わり海外の紛争解決に加わる国連待機部隊の創設に関する議論を呼びかけた。憲法や安全保障政策を考える姿勢は政権政党を目指す態度として評価するが、自衛隊とは別の組織をつくって国連の活動に参加させる構想には疑問がある。
菅代表の問題提起は1990年の湾岸危機の際に議論された、いわゆる別組織論の焼き直しに近い。当時、別組織論を支持した有力メディアも今では自衛隊活用論に変わっている。別組織論はなぜ説得力を持たなかったのだろうか。
第一に、要員、装備の面で自衛隊との二重投資になり、広い意味での防衛費の増大につながる。納税者負担は増え、外国からは日本の軍事費増大との誤解を招きやすい。
例えば、今回の自衛隊のイラク派遣では陸上自衛隊は600人を3カ月ごとに交代させる。基本計画では活動期間は1年であり、それだけを考えても2400人を必要とする。それ以外にも国内で訓練に励む要員が要る。同様に海上、航空要員、装備を考えれば、現在の陸海空自衛隊のほかに相当程度の実力部隊を準備しておかねばならない。
第二に、二重投資を避けるために、自衛官を臨時に例えば外務省に出向させて国連の任務に就かせる構想が過去にもあったが、対外的には姑息(こそく)な手段に映る。事務手続きが増えるだけであり、派遣される自衛官にとっては日陰者扱いによる士気の低下につながる。
第三に、国連待機部隊を安保理決議が採択された時だけ参加させるのだとすれば、日本としての自主的な判断の放棄につながる。安保理決議は重要な国際合意ではあるが、常任理事国が拒否権を使えば採択されない。どこか1カ国の恣意(しい)によって日本の行動が左右される結果になる。イラク戦争をめぐって日本は対米追随と批判されたが、安保理決議だけを判断基準にすれば対米、中、ロ、仏、英のいずれかに追随する結果になるのが現実である。
小沢一郎氏は、安保理決議に基づく派遣であれば日本の実力組織が外国の領域で武力行使をしても憲法違反にならないと考える。憲法9条が放棄した「国権の発動たる戦争」に当たらないとの議論であり、一理あるが、国民的合意を得るには至っていない。集団的自衛権の解釈を改めたうえで自衛隊による後方支援を可能にする恒久法の制定こそ、日本が憲法の平和主義と国際社会での責任を両立させるための王道だろう。
自衛隊という、国際社会の要請に充分以上に応えうる組織があるにもかかわらず、国連待機部隊を新たに設けようとする構想など、我々の税金の壮大な無駄遣い以外の何物でもない。
民主党に現実的な政権担当能力が欠如していることの証が、こうしてまた一つ明らかになった。
−−−−−−−−−−−−−−−−−−
社説1 民主党の国連待機部隊構想への疑問
菅直人民主党代表は党大会で2006年までの独自の憲法改正案作成、自衛隊に代わり海外の紛争解決に加わる国連待機部隊の創設に関する議論を呼びかけた。憲法や安全保障政策を考える姿勢は政権政党を目指す態度として評価するが、自衛隊とは別の組織をつくって国連の活動に参加させる構想には疑問がある。
菅代表の問題提起は1990年の湾岸危機の際に議論された、いわゆる別組織論の焼き直しに近い。当時、別組織論を支持した有力メディアも今では自衛隊活用論に変わっている。別組織論はなぜ説得力を持たなかったのだろうか。
第一に、要員、装備の面で自衛隊との二重投資になり、広い意味での防衛費の増大につながる。納税者負担は増え、外国からは日本の軍事費増大との誤解を招きやすい。
例えば、今回の自衛隊のイラク派遣では陸上自衛隊は600人を3カ月ごとに交代させる。基本計画では活動期間は1年であり、それだけを考えても2400人を必要とする。それ以外にも国内で訓練に励む要員が要る。同様に海上、航空要員、装備を考えれば、現在の陸海空自衛隊のほかに相当程度の実力部隊を準備しておかねばならない。
第二に、二重投資を避けるために、自衛官を臨時に例えば外務省に出向させて国連の任務に就かせる構想が過去にもあったが、対外的には姑息(こそく)な手段に映る。事務手続きが増えるだけであり、派遣される自衛官にとっては日陰者扱いによる士気の低下につながる。
第三に、国連待機部隊を安保理決議が採択された時だけ参加させるのだとすれば、日本としての自主的な判断の放棄につながる。安保理決議は重要な国際合意ではあるが、常任理事国が拒否権を使えば採択されない。どこか1カ国の恣意(しい)によって日本の行動が左右される結果になる。イラク戦争をめぐって日本は対米追随と批判されたが、安保理決議だけを判断基準にすれば対米、中、ロ、仏、英のいずれかに追随する結果になるのが現実である。
小沢一郎氏は、安保理決議に基づく派遣であれば日本の実力組織が外国の領域で武力行使をしても憲法違反にならないと考える。憲法9条が放棄した「国権の発動たる戦争」に当たらないとの議論であり、一理あるが、国民的合意を得るには至っていない。集団的自衛権の解釈を改めたうえで自衛隊による後方支援を可能にする恒久法の制定こそ、日本が憲法の平和主義と国際社会での責任を両立させるための王道だろう。
これは メッセージ 1 (mitokoumon_2002 さん)への返信です.