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産経新聞 産経抄・・・朝日には無い切り口

投稿者: nishibox 投稿日時: 2004/07/27 21:34 投稿番号: [5486 / 52541]
7月27日付   産経抄




▼太宰治の短編『走れメロス』は、ギリシャの古い伝説などを材料に書かれている。親友を身代わりに仮釈放されたメロスが、友情と正義を証明するため再びとらわれに帰る。太宰文学にしては、健康的な作品であり、教科書にも載っていた。

  ▼圧巻は約束の時間に間に合うよう、メロスが野や山を走るところだが、途中思わぬ障害が行く手を阻む。はじめは豪雨によって川の水が氾濫(はんらん)、橋を押し流してしまう。気力をふりしぼって濁流を泳いで渡るのだが、それも束の間、こんどは山道で山賊たちに襲われる。

  ▼これも何とか戦って倒し、ボロボロになりながら約束を守りぬく。そうしてみると、メロスのテーマは友情や約束だけではない。風水害や地震といった天災や、戦争、テロリズムといった人災に翻弄(ほんろう)され続ける人間の歴史や現代社会そのものではないかという気がするのだ。

  ▼メロスが走ったギリシャの地で百八年ぶりに開かれるアテネ五輪も、やっかいな天災や人災との戦いが待っている。一方は世界的にも有名な地中海地方の猛暑であり、競技の勝敗や記録を左右しかねないという。人災の方は言うまでもなくテロの脅威である。

  ▼五輪という祭りの舞台がテロに蹂躙(じゅうりん)されることは、むろん許されない。ギリシャ当局はシドニーの四倍近い警備費をあて、国際オリンピック委員会は不測の事態に備え高額の損害保険をかけたという。テロに屈しないという正義のためにも、開催の無事を祈らざるをえない。

  ▼ただ忘れていたのだが、メロスの場合は水や山賊の後に、もうひとつの障害が足を鈍らせた。友情だの約束だの忘れてしまえ。一人幸せに生きていけばいいのだ、という内なる悪魔の声だった。これもまた現代的で手ごわい敵である。



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アカピーなら、
「自分が幸せになるなら友人も捨て置け」
という考えだからね。
よりグローバル化が進む現代の社会では
結局自らに跳ね返ってくることは自明の論理なのに。。。
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