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今日の社説  言論を使った反社会的組織

投稿者: konnnanohadou 投稿日時: 2006/12/31 07:24 投稿番号: [33066 / 52541]
言論テロ   首謀者を追いつめろ



  気に入らない記事を書いたジャーナリストを脅すため、その息子を襲う。この卑劣きわまりない犯行が断罪された。

  ノンフィクション作家として知られる溝口敦さんが昨年12月、暴力団山口組の組長交代をめぐる記事を雑誌に書いたのが発端だ。その内容について組幹部から訂正を求められた。拒んだところ、1カ月後、路上を歩いていた溝口さんの長男が太ももをハサミで刺され、約2週間のけがを負った。

  やがて3人の元組幹部らが逮捕され、傷害罪などで起訴された。実行犯の2人には懲役6年と同4年の判決が出た。今月には、この2人に犯行を指示した山口組系暴力団の元組幹部にも3年6カ月の懲役刑が言い渡された。

  東京地裁八王子支部は犯行の動機について、溝口さんへ報復するとともに、これ以上関連記事を書かないように警告するのが目的だったと認めた。そのうえで、「被害者はかかわりのないことで突然襲われ、著しい苦痛と恐怖を味わった」と述べている。

  暴力や脅しで言論を封じたり変えさせようとしたりするのは、到底許しがたい。まして、家族を狙うなど、いくら批判しても批判しきれないほどだ。

  元幹部の判決で注目したいのは、「被告は首謀者から、被害者を襲う旨を告げられた」と指摘したことだ。だが、裁かれたのは、黒幕から命令を受けた指示役と、それを実行した末端の2人にすぎない。首謀者が特定できなかったからだ。

  溝口さんの長男を襲え、と指図した当人はのうのうと暮らしているのだろう。捜査当局は首謀者を割り出して、厳しく責任を問わなければならない。

  溝口さんは「首謀者が捕まらない限り、別の部下に別の犯行を命じることができる。結局、言論へのテロはなくならず、首謀者の思いのままになる」と語る。民事裁判を通じて首謀者を明らかにするため、来年早々にも、暴力団を相手取って訴訟を起こすという。

  溝口さんは、取材が難しい暴力団や消費者金融、パチンコ業界の内幕に迫ってきた。90年には「五代目山口組」を出版したが、その3カ月後、何者かに背中を刺され重傷を負った。この事件の犯人も捕まっていない。

  ことしは、4月に拉致被害者の横田めぐみさんの写真展に対し、脅迫状が届き、会場が変更された。7月にはA級戦犯合祀(ごうし)をめぐる昭和天皇発言を報じた日本経済新聞社に火炎瓶が投げ込まれている。8月には自民党の加藤紘一氏の実家が放火された。

  表現活動などへの暴力はあとを絶たない。個々の言論に突きつけられる刃は、民主主義で成り立つ社会全体にも向けられている。沈黙していれば、テロはますますはびこる。犯行はそのつど厳しく断罪し、追いつめなければならない。

  溝口さんの長男の事件では、日本ペンクラブが抗議声明を出した。こうした輪を広げていきたい。





それはおまえだ。
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