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今日の天声人語

投稿者: nishibox 投稿日時: 2004/03/04 22:03 投稿番号: [3270 / 52541]
03月04日付

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■《天声人語》


  バグダッドの青年がパソコンに向かって日記をつづり始めた。イラク戦争の前から、現在に至るまでキーをたたき続けた。世界中に流れた日記は、多くの人を引きつけ、彼はインターネット上の有名人になった。

  ネット上の名前をサラーム・パックスという。アラビア語とラテン語で「平和」を意味する言葉を重ねた。日本では、03年6月までの日記の抄訳が『サラーム・パックス』(ソニー・マガジンズ)として昨年末に出版された。

  それ以後の彼の日記から、いくつか拾ってみる。戦前よりシーア派とスンニ派との亀裂が深まっていることを憂い「イラクは開放された運動場になってしまった。多くの政治、宗教勢力がイラクを争いの場として利用している」(04年2月12日)。シーア派の聖地カルバラなどで一昨日起きた大規模なテロは、まさに彼が恐れていた事態だ。

  米大統領選も気にしている。「ケリー候補は世界を救うスーパーヒーローになりうるか」といいつつ「あんなにも遠くにいる人物によって一国の運命が左右されるかと思うと空恐ろしい」(2月10日)

  サラームさんはしかし、素朴な平和主義者ではない。中学時代、全体主義国家を描いたオーウェルの小説『一九八四年』を読んで、世界を見る目が変わったという。冗談と皮肉が好きで、懐疑主義者、ときに罪深き現実逃避型人間と自称する。

  「ここはぼくの祖国で、ここに住む人々を愛している。どう説得されたって、戦争が正しいなんて思えない」。疑ったり、逃げたりしながらも祖国に踏みとどまる。




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サダム政権はかつて、幾たびも周辺国を侵略し
米国が強大な軍事力をもって包囲するまでは
国連という機能を踏みにじってきた。
もしこの度、自己都合によって反対する国の言うことを素直に聞いて
イラクの地に踏み込むことを思いとどまり
ある日突然米国の一都市で閃光が走ったとしたら
その責任はいったい誰が取るのか。
それでもやはり米国が悪いのか。
「他国のことだから関係ない」というのなら
それこそ一国平和主義そのものだろう。
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