朝日社説、小泉空虚は、理念や理想欠如
投稿者: sinzituabake 投稿日時: 2006/09/16 14:03 投稿番号: [31198 / 52541]
中世のドイツの町に不思議な男が現れる。男は、報酬をもらえるなら、人々を悩ませているネズミを
全部退治してやると約束する。グリム兄弟の「ハーメルンの笛吹き男」の物語だ。
男が笛を吹くと、家々からネズミが現れ、男の後をついて川に入り、おぼれた。しかし、金が惜しく
なった町の人たちは支払いを拒絶する。男が再び笛を吹くと、今度は子どもたちが集まってきて、
男について町から消えてしまった。
先週亡くなった歴史学者の阿部謹也さんは、この伝説を手がかりに、中世ヨーロッパの庶民の
生活を浮き彫りにした「ハーメルンの笛吹き男」を著した。西洋史学でほとんどとりあげられな
かった民俗学の分野や民間伝承、さらに都市下層民の生活に目を向けようとした、という
(『阿部謹也著作集』筑摩書房)。
阿部さんは以前、「一言政治」で注目された小泉首相を「ハーメルンの笛吹き男」にたとえる
ことについて、「自然なこと」と述べた。「小泉さんの言葉が空虚なのは、理念や理想が欠如し
たまま語られるから」(アエラ)。
そしてそれがまかり通るのは「私たち日本人全体が理念や理想を必要と思わず、今もって“社会”
ではなく“世間”の中で生きているから、にほかならない」。“世間”とは「金や名誉、義理」
などへの関心でできた世界のことだ。
小泉内閣で「構造改革」の旗振り役だった竹中総務相が、参院議員を辞任したいと述べた。任期
は4年近く残っているが、「笛吹き男」と共に旗も去ってゆくのか。改革はまだこれからのはずなのに。
■ソース(朝日新聞)
http://www.asahi.com/paper/column20060916.html
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