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朝日新聞、今日の社説2

投稿者: nishibox 投稿日時: 2004/02/13 21:55 投稿番号: [2978 / 52541]
■辻元判決――ひと騒ぎのあとで


  「総理っ、総理っ、総理っ」

  小泉首相に12回連呼した。自民党の議員だった鈴木宗男氏には「あなたは疑惑の総合商社だ」と迫った。

  あの辻元清美氏が執行猶予つきの有罪判決を受けた。社民党の政審会長だった彼女が問われたのは、詐欺罪。政策秘書2人を雇ったように装い、国から約1900万円の秘書給与をだまし取っていた。被告、検察ともに控訴を表明していないので、この判決で刑事罰が確定しそうだ。

  辻元氏はテレビ政治の時代を象徴する存在だった。首相を質問攻めにした衆院予算委員会は巨人戦中継なみの視聴率だった。イラクに自衛隊が派遣されたいま、彼女ならどんな追及をするか。首相から同じような答弁しか引き出せないやりとりを聴いて、そう思う人もいるだろう。

  判決を機に事件を改めて考えてみる。

  まず思い浮かぶのは、永田町に広がる政治と金のぬかるみだ。

  断罪された「秘書の名義貸し」は、企業に秘書給与を払わせていた与党議員の多さとともに、あのかいわいでは半ば公然と語られていた。彼女の共犯が土井たか子氏のベテラン秘書だったことが、ぬかるみの濁りと深さを映し出していた。その後、暴力団関係者に秘書給与を払わせていた与党議員も明らかになった。

  そんな世界だからこそ、辻元氏はもっと脇を固めるべきだった。自分が責め立てた相手のしたたかさを考えれば、あまりにも甘かった。

  それにしても、事件発覚から逮捕までの1年4カ月の空白は何だったのか。

  すでに議員辞職していた彼女が身柄を拘束された昨年7月は、秋の総選挙の解散風が吹き始めていた。その後、やはり秘書給与の流用疑惑で告発されていた田中真紀子元外相が不起訴処分だったのと合わせて、捜査にはわかりにくさもつきまとった。

  辻元氏の逮捕も原因のひとつだったろう、社民党は総選挙で6議席にまで落ち込んだ。党首の土井氏も小選挙区で落選して比例区で復活するのがやっとだった。

  この国会では、北朝鮮への経済制裁を可能にする外為法改正案の採決で、この党は衆院では賛成しながら、参院では棄権した。もはや政党としての一貫性もなくなった、といわれても仕方のない状態だ。

  ともあれ、この裁判が幕を閉じたあと注目すべきは、秘書給与をめぐる一連の事件がどう生かされるか、である。

  辻元氏の逮捕から2カ月後に、衆院議長の諮問機関が秘書制度の見直しを答申した。名義貸しの温床といわれた兼職の原則禁止や、3親等以内の親族の採用禁止、70歳定年制の導入などが柱だ。

  答申を受けた国会議員秘書給与法の改正論議が、この国会で始まる。

  ひと騒ぎして、はいおしまい、では済まされない。



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