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『トンマッコルへようこそ』

投稿者: anthoniy_williams 投稿日時: 2009/03/04 22:55 投稿番号: [638 / 768]
日本が世界に誇れるものの一つが、”平和憲法”であるが、本質的に資本主義と平和はなじまないものである。   人間の欲望の限りない増殖と開拓、つまり無駄をいかに多く作りだしそれを消費するかが資本主義であり、戦争による破壊と再生の繰り返しも必然的にシステムに含まれるからだ。

実際、自衛隊のイラク派兵などをみても平和憲法はその解釈を曲げられ形骸化されてきている。とはいえ奇跡的な偶然によってもたらされた平和憲法であり、それによって戦後の高度経済成長がもたらされたのも事実である。   貴重な文化財を取り壊しても高層ビルの建設が優先される昨今の日本ではあるが、文化財であれ平和憲法であれ失ってしまえば二度と取り返しがつかない。   後世の子供たちに残すことも今を生きる我々の使命だといえよう。


さて、この映画のテーマは「戦争の愚かさ」である。

映画では朝鮮戦争当時、朝鮮半島の山奥の戦争をしていることさえ知らない架空の村が舞台となる。戦争の概念さえない平和で純粋な心をもつ人々の住む村に、南北の兵士たちが迷い込む。最初、南北の兵士たちは敵対するのだが、村人と一緒に農作業に従事し、彼らの純真なやさしい心にふれているうちに、いつしか憎しみの心も癒されていく。そしてこの村が爆撃の標的となることを知り、命がけで村を守る。

理想郷というファンタジーと残虐な戦争という現実の対比のビジュアルが鮮やかであり、南北の兵士たちが村人のために自ら犠牲になるヒューマニズムには心をうたれる。
本来、兵士というものは人間性を捨ててでも残虐でなくては務まらないものだが、南北分断という悲劇の中に、敵であっても愛する心を失わない兵士たちに平和への希望が込められているのだろう。


評価   5
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