村上春樹
投稿者: anthoniy_williams 投稿日時: 2009/02/22 19:55 投稿番号: [614 / 768]
村上春樹のエルサレム賞受賞に際しては、受賞を辞退するかどうかが注目されたのだが、受賞してその受賞スピーチでイスラエル批判をするというのは最善の策だったのかもしれない。
村上春樹は海外で一番人気のある日本人作家だろう。
長編はだいたい読んだが、村上の小説の主人公というのは似た特徴がある。
朝起きてシャワーを浴びて髭をそる、パリッとのりのついたシャツを着る、とにかく清潔感のある生活なのだ。
てきぱきと料理をつくる描写、めんどくさがらずに何でもまめにする。
ビールかウィスキーを飲みながらスタンダールなんかを読む。
ジャズ、ロック、クラッシックに造詣が深く、知り合ったばかりの女となんとなく寝てしまう。
そこに心理的な葛藤はなく、日本人的な他人の視線を気にすることがないドライな感覚。
そのドライな文体が、人間共通の普遍性ある物語としてどこの国でもうけるのだろう。
ストーリーの発想の斬新さはあるが、その小説のテーマの意味は読者にゆだねるような、まるで犯人の判明しない推理小説のような読後感にイライラすることもある。
『‥‥私たちは皆、多かれ少なかれ、卵なのです。私たちはそれぞれ、壊れやすい殻の中に入った個性的でかけがえのない心を持っているのです。わたしもそうですし、皆さんもそうなのです。そして、私たちは皆、程度の差こそあれ、高く、堅固な壁に直面しています。その壁の名前は「システム」です。「システム」は私たちを守る存在と思われていますが、時に自己増殖し、私たちを殺し、さらに私たちに他者を冷酷かつ効果的、組織的に殺させ始めるのです。‥‥
‥‥私たちは、国籍、人種を超越した人間であり、個々の存在なのです。「システム」と言われる堅固な壁に直面している壊れやすい卵なのです。どこからみても、勝ち目はみえてきません。壁はあまりに高く、強固で、冷たい存在です。もし、私たちに勝利への希望がみえることがあるとしたら、私たち自身や他者の独自性やかけがえのなさを、さらに魂を互いに交わらせることで得ることのできる温かみを強く信じることから生じるものでなければならないでしょう。‥‥‥』(受賞スピーチより)
これは メッセージ 1 (anthoniy_williams さん)への返信です.
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