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『タイタニック』

投稿者: anthoniy_williams 投稿日時: 2009/02/15 23:45 投稿番号: [585 / 768]
「生きるべきか、死ぬべきか、それが問題だ」とは「ハムレット」のセリフだが、「ロミオとジュリエット」も同じシェイクスピアの戯曲である。

ある有名な心理テストに、つり橋を一緒に渡った男女は恋に落ちやすいというものがある。
つり橋という恐怖に「どきどき」する気持ちが相手に対する恋愛感情であると自分の心の中で勘違いしてしまうのである。
禁断の恋というものもそういうものなのかもしれない。
いけない恋であればあるほど、「どきどき」する気持ちは大きくなる。
それは「不道徳」に対するものであったはずなのだが、いつの間にか相手に対する感情にすり替わってしまう。
それはシェイクスピアの時代から変わらない人類普遍のものなのだろう。

「禁断の恋の究極の形」それが「タイタニック」と「ロミオとジュリエット」に共通するメインテーマである。

しかし、結末はまったく違ったものになった。
「死」とほとんど隣合わせなほど人間は「生きる」ために潜在能力を超えた力を発揮するということが
「タイタニック」の見どころのひとつではあるのだが、ローズは「生きて」愛するジャックの分まで生きた。

一方、ジュリエットは「死」を選ぶことによって永遠の愛を手に入れた。

それはイタリアの貴族の優雅な暮らしと、沈み行く豪華船の極限状態という違いなのかもしれないが、
愛する人のための死を美しく見せることとしては同じモチーフといえるだろう。

ニーノ・ロータの「ロミオとジュリエット」も歴史に残る名曲になったが、
セリーヌ・ディオンヌの歌ったメインテーマも泣かせる部分に3回くらい効果的に使れていたし、
冷たい氷の海に沈みゆくジャックを見守りながらもローズが強く生き抜くラストシーンもすばらしい。

そしてこの映画では、「差別と偏見」に対する批判も暗に訴えかけていることも忘れてはならない。



評価   5
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