【社説】 反省こそ尊敬を得る道だ
投稿者: news_provider_now 投稿日時: 2007/04/04 18:35 投稿番号: [15041 / 29399]
神奈川新聞社の社説
慰安婦問題
2007/04/04 反省こそ尊敬を得る道だ
またもや国際社会における日本の名誉と信頼を傷つけるような政治家の発言が続いた。安倍晋三首相が先月、従軍慰安婦問題について「(動員の)強制性を裏付けるものはなかった」と発言、国際社会からは、元慰安婦へのおわびと反省を明記した「河野談話」の否定と受け止められた。
アジア諸国はもとより、米国からも非難の声が上がり、米有力紙が相次いで首相批判の社説を掲載した。残念な事態であり、首相の責任を厳しく問いたい。
首相は「官憲が家に押し入って人さらいのように連れていく強制性はなかった」と、「狭義」の強制はなかったと主張する。その主張自体も疑問だが、たとえ狭義の強制がなかったとしても、広い意味(広義)での強制があったことは首相も認めている。旧日本軍の責任がなくなるはずもない。国際社会からは見苦しい責任逃れと見られたにちがいない。
一九九三年の「河野談話」は、政府の調査に基づき「慰安所の設置、管理、慰安婦の移送は、旧日本軍が直接あるいは間接に関与した」とし、「慰安婦の募集は、軍の要請を受けた業者が主としてこれに当たったが、甘言、強圧によるなど本人たちの意思に反して集められた事例が数多くあり、官憲などが直接、加担したこともあったことが明らかになった」と明言している。実に重い政府文書であり、軽々しく見直しができるようなものではない。
首相がその後、河野談話の継承を強調し、「狭義」「広義」といった議論も封印、あらためて謝罪の言葉を述べて事態の沈静化を図ったのは当然の結果である。
ところがである。そうした最中に下村博文官房副長官が「旧軍の関与はなかった」と、首相の対応や河野談話を否定するかのような発言をした。自らの要職を顧みない問題発言である。日本が近隣諸国の不信を解消できないでいるのは、政府から、このような”二枚舌”の発言が続くためである。
今回の一連の発言の背後には、戦前の日本を美化しようとする根強い動きを感じる。過去の戦争での間違いを真剣に見詰め、反省することを、「自虐」などと表現する人々もいる。見当違いではないか。独り善がりの満足に陥ることこそ、日本の名誉と信頼を傷つける「自虐」であることは、今回の事態が示した通りだ。
二十一世紀の日本は、個人の尊厳と人権を尊重する人権大国になることで世界の尊敬を得て、発言力を高めるべきだ。それには重大な人権侵害である慰安婦問題について誠実な対応が欠かせない。
元慰安婦らに人間として当然の思いやりを示し、戦後責任を果たすべきだ。反省し謝罪することは恥ではない。尊敬と信頼を得る一歩である。責任逃れこそが恥であり、未来をふさぐ行為である。
http://www.kanaloco.jp/editorial/entry/entryxiiapr1/
慰安婦問題
2007/04/04 反省こそ尊敬を得る道だ
またもや国際社会における日本の名誉と信頼を傷つけるような政治家の発言が続いた。安倍晋三首相が先月、従軍慰安婦問題について「(動員の)強制性を裏付けるものはなかった」と発言、国際社会からは、元慰安婦へのおわびと反省を明記した「河野談話」の否定と受け止められた。
アジア諸国はもとより、米国からも非難の声が上がり、米有力紙が相次いで首相批判の社説を掲載した。残念な事態であり、首相の責任を厳しく問いたい。
首相は「官憲が家に押し入って人さらいのように連れていく強制性はなかった」と、「狭義」の強制はなかったと主張する。その主張自体も疑問だが、たとえ狭義の強制がなかったとしても、広い意味(広義)での強制があったことは首相も認めている。旧日本軍の責任がなくなるはずもない。国際社会からは見苦しい責任逃れと見られたにちがいない。
一九九三年の「河野談話」は、政府の調査に基づき「慰安所の設置、管理、慰安婦の移送は、旧日本軍が直接あるいは間接に関与した」とし、「慰安婦の募集は、軍の要請を受けた業者が主としてこれに当たったが、甘言、強圧によるなど本人たちの意思に反して集められた事例が数多くあり、官憲などが直接、加担したこともあったことが明らかになった」と明言している。実に重い政府文書であり、軽々しく見直しができるようなものではない。
首相がその後、河野談話の継承を強調し、「狭義」「広義」といった議論も封印、あらためて謝罪の言葉を述べて事態の沈静化を図ったのは当然の結果である。
ところがである。そうした最中に下村博文官房副長官が「旧軍の関与はなかった」と、首相の対応や河野談話を否定するかのような発言をした。自らの要職を顧みない問題発言である。日本が近隣諸国の不信を解消できないでいるのは、政府から、このような”二枚舌”の発言が続くためである。
今回の一連の発言の背後には、戦前の日本を美化しようとする根強い動きを感じる。過去の戦争での間違いを真剣に見詰め、反省することを、「自虐」などと表現する人々もいる。見当違いではないか。独り善がりの満足に陥ることこそ、日本の名誉と信頼を傷つける「自虐」であることは、今回の事態が示した通りだ。
二十一世紀の日本は、個人の尊厳と人権を尊重する人権大国になることで世界の尊敬を得て、発言力を高めるべきだ。それには重大な人権侵害である慰安婦問題について誠実な対応が欠かせない。
元慰安婦らに人間として当然の思いやりを示し、戦後責任を果たすべきだ。反省し謝罪することは恥ではない。尊敬と信頼を得る一歩である。責任逃れこそが恥であり、未来をふさぐ行為である。
http://www.kanaloco.jp/editorial/entry/entryxiiapr1/
これは メッセージ 15028 (news_provider_now さん)への返信です.