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角瓶

投稿者: thirteen_satan 投稿日時: 2008/06/11 23:27 投稿番号: [463 / 1344]
諸外国との話と言う訳でないですが、これも良い話です。


手練の潜水艦長として有名な、板倉光馬少佐の話。

昭和10年ごろ、板倉さんが新品少尉として「最上」に乗り組んでいた頃。
当時海軍にはある悪い風習が蔓延していた。高級士官が、上陸時の帰艦時間を守らない。
そのくせ下士官・兵が門限を破るときっちり罰を加えるというもので、若い板倉少尉は日頃から腹に据えかねていた。
ある日、「最上」の鮫島艦長が1時間以上も遅れ、ご婦人方に囲まれて帰ってきた。
板倉少尉は酔った勢いもあって激昂し、艦長を殴り飛ばした。
もちろん、艦長を殴ったとなると軍法会議モノである。板倉少尉は艦長に詫び状を提出し、クビを覚悟した。
ところが、頬を腫らした艦長は怒るどころか、少尉が激昂した理由を懇切に問い正し、「よし、わかった」と言ったきりだった。
まもなく、軍令部から士官の綱紀粛正に関するお達しが出た。少尉の意図する所を汲んだ艦長が、上層部に意見書を提出してくれたのだった。

時は移って昭和19年1月。
伊41号潜の艦長となっていた板倉少佐は、中部ソロモン・ブーゲンビル島のブインに対するネズミ輸送任務を命ぜられた。ところがなんと、ブインには自分が殴った元「最上」艦長、鮫島中将が居たのだった。
伊41は厳重な敵の警戒と機雷源を突破し、無事に補給任務を完遂した。
板倉艦長は、ラバウルで財布をはたいて買ったサントリーの角瓶と煙草とを「昔、艦長を殴った板倉が潜水艦長になって物資を届けに来ました」という趣旨の手紙と共に鮫島中将の下へ渡した。
中将は大いに喜び、煙草は短く切って司令部の全員に配り、ウイスキーは水割りにして回し飲みしたという。

終戦後、鮫島中将は栄養失調でボロボロになりながらも内地に帰還した。
昭和41年。死の床に在った鮫島元中将を、板倉氏が見舞った。
鮫島氏はもう口もきけない状態だったが、板倉氏を見るなり、床の間を指差した。
見るとウイスキーの角瓶を、一輪ざしにして飾ってある。オヤ、まさかと思っていると、横から鮫島婦人が説明してくれた。
「主人は何一つ持って帰らなかったけど、この空き瓶だけ大事に抱えて持って帰って来たんですよ。板倉からもらったんだと言ってね。」
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