朝鮮ネズミの口癖
投稿者: hinekyuri 投稿日時: 2007/08/26 11:25 投稿番号: [65320 / 230347]
「償うてください、償うてください」「まどうて下さい、まどうて下さい」
〜私のような弱いのをだまして。償うて下さい、償うて下さい。
「困ったやつだな。ひとの親切をさかさまにうらむとは。よしよし。そんならおれの金米糖をやろう。」
「まどうて下さい。まどうて下さい。」
「えい。それ。持って行け。てめいの持てるだけ持ってうせちまえ。てめいみたいな、ぐにゃぐにゃした、男らしくもねいやつは、つらも見たくねい。早く持てるだけ持って、どっかへうせろ。」〜
〜「えい、早く行ってしまえ。てめいの取ったのこりなんかうじむしにでも呉れてやらあ。」
ツェねずみは、一目散にはしって、天井裏の巣へもどって、金米糖をコチコチたべました。
こんな工合ですから、ツェねずみは、だんだん嫌われて、たれもあまり相手にしなくなりました。〜
〜ある日、バケツは、ツェねずみに、洗濯曹達のかけらをすこしやって、
「これで毎朝お顔をお洗いなさい。」と云いましたら、鼠はよろこんで、次の日から、毎日、それで顔を洗っていましたが、そのうちに、ねずみのおひげが十本ばかり抜けました。さあツェねずみは、早速バケツへやって来てまどってお呉れまどってお呉れを、二百五十ばかり云いました〜
〜道具仲間は、みんな順ぐりに、こんなめにあって、こりてしまいましたので、ついには誰もみんなツェねずみの顔を見ると、いそいでわきの方を向いてしまうのでした。〜
宮沢賢治童話より
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