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鬼畜日帝の悪行①

投稿者: kim_taek_joo 投稿日時: 2006/07/12 08:46 投稿番号: [31475 / 230347]
  私は入隊以前に満州や上海からの兵隊の帰還者から戦地の話を聞き、その猟奇的なものに心を惹かれて、俺も戦地に行きたいものだと思っていたのだが、それが三十歳の補充兵として実現されたのであった。二回、三回と「村落掃討」が重ねられるなかで、村から逃げおくれた女を見つければ決まって古年兵たちは私たち初年兵を門番にして、その婦人を手ごめにした。都会で育ち、十六歳にして銭で女を一晩弄ぶことができる世の中を知って以来、多くの女を弄んできた私は、それを見せつけられて、官能を刺激され、早く自分もあの真似をやりたいと考えるようになっていった。

  魯東作戦中、大熊兵団に配属になって福山県城から六〜七キロ隔たるこの村に、私たち五九師団直轄自転車中隊が着いたのは、一九四二年十一月下旬の雪模様で風が強い日の午後三時ごろであった。

  田島少尉の命令で、思い思いの獲物を求め蜘蛛の子を散らすように城門を潜る兵隊に混じって、山口上等兵と分かれた私は、さんざんあっちこっちかきまわしたあげく、誰もいないと思って南端の家に入ると、そこには意外にも色白の美しい女の姿を見てビックリしたのであるが、次の瞬間、けだもののような情欲がはげしく燃えあがってきたのだった。

  日本のためにならない匪賊を退治するのが戦争だと学校の先生も、お役人も、坊さんもそう教えた、私はお国のために尽くせる兵隊となって戦地に渡った。だが、私が旗の波と歓呼に送られ、訳もなく心で泣いて国を出てから、なにをしていたか?父母も私の友だちもほんとうのことは知らなかったであろう。……私は中国に渡ってから、まったく戦争というものの虜となって、目先が見えなくなり、銃剣を持っているがゆえになにも持たぬ中国の人たちを、思うままにできることに有頂天となっていた。なんの抵抗の意志もなく、野良仕事をしている百姓を射ち殺し、百姓の家を焼き払い、婦人を蹂躙して喜んでいた。

  私が匪賊だと教えられたのは、ほかでもないこの野良仕事に精出していたお百姓さんであり、悪者だと信じていたのが、平和な幸福な生活を、侵略者どもにぶち壊されるのを防ごうとして闘った人たちだった。

  こうした戦争の真実は人々に隠され、「戦争」の名の下に上は師団長から、下は私のような一兵隊にいたるまで、ふつうの世の中ではとうていできないことを……人間の良心をもった者には絶対許されぬ悪事の振舞いを、白昼公然と行なってきたのだ。戦争でなにをやったか?

  国民の目をごまかすために躍起になっている為政者に対する憎しみと同時に、私自身が戦争の虜となり人間性を失ったために、世の中の人たちにどれだけ呪うべき悲惨な不幸をもたらしたことか……。
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