とある麺店勤務帰りの夜
投稿者: carmen9rose 投稿日時: 2012/02/21 12:03 投稿番号: [209304 / 230347]
その日ラーメンチェーン勤めの俺は、「今日こそキャロリンに出会うぞ」と
気合十分だった。
勤務を終え、ハヤる気持ちを押さえ、店の目の前の横断歩道を渡る。
こうして道を渡っている途中でも、キャロリンの方から俺を見つけて、声を
かけてくれまいか?
キャロリンが遠くからでも俺を見つけやすいように、コーディネイトには気を使ったぜ。
オスロ湾の海の色を移したような、真っ青でビカビカのサテンシャツ。
トロムソから愛車のカブリオレを飛ばしてスキーをしたあの日、
あの一面が白銀の世界を再現したような、無彩色で眩しいほどのパンツ。
どうだキャロリン、俺ほど洒落た奴はいないだろ?
横断歩道を渡り終えた俺は、左折して100メートル程歩き、迷わず地下へと続く階段を下りて腰を落ち着けた。
まずは、シュミレーションに取り掛かろう。
俺のガールに出会ったら最初に何て言う?
「やあ、君って綺麗だね」
俺様は北欧帰り。自分の話は後に回して、レディファーストでいかなくちゃ。島国から出たことのない男との差を、さりげなく見せてやる
。
次に必要な言葉は
「俺
は
金
持
っ
て
る
」だ。
中身に乏しい俺の、目下の一大セールスポイントはこいつだ。
貧乏だと思われちゃ、おしまいだもんな。
そして、次は俺にとって最も重要なことを言おう。
そうだ、あれだあれ。
ウソも100回言えばホントになるんだが、できれば最初の1回で決めたい。
えーっと、あのー、アイデンティティの問題は大切だからな。
キャロリンの目を見つめ、バーンと自信を持って言っちまおう。
「
ア
イ
ア
ム
ザ
パ
ニ
ー
ズ
」
と。
これで決まりさ。
キャロリン、君の方でも俺を待った甲斐があっただろ?
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それから4年後
2012年
ラーメンチェーンで勤務する俺は、まだキャロリンに出会っていない。
「キャロリン、早く出てこいよ〜
俺の髪が沢山あるうちに〜」
そう思いながら、
掲示板に向かって憂さ晴らしをする俺様だった。
これは メッセージ 1 (the_rich_and_smooth さん)への返信です.
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