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田母神俊雄氏、「憂国」を装う象徴的人物

投稿者: i_am_not_ill 投稿日時: 2010/08/12 11:14 投稿番号: [173066 / 230347]
『「憂国」と「腐敗」   日米防衛利権の構造』
(第三書館、野田峯雄・田中稔の共著、415項、2000円+税)

  日米防衛利権の裏側を克明に追い続けたノンフィクションの書が3月に刊行された。『「憂国」と「腐敗」   日米防衛利権の構造』(第三書館、野田峯雄・田中稔の共著、415項、2000円+税)である。

  民間企業の懸賞論文で侵略戦争を「美化」し物議を醸した田母神俊雄氏が「憂国」を装う象徴的人物とすれば、他方、防衛商社「山田洋行」からゴルフ接待などの収賄を問われた守屋武昌元防衛事務次官は「腐敗」の極み。この両者は別物ではなく、実は防衛省のグロテスクな闇を映し出す“合わせ鏡”なのだ。

  年間防衛予算5兆円の大海原の中にゆっくりとうごめく、防衛省の「制服組」と「背広組」、三菱グループを筆頭とする軍需産業、そして防衛族議員たち。こうした政官業の日米安保利権の構造を様々な資料を基にあぶりだしている。山田洋行事件に端を発した一連のスキャンダルに登場する群像を総まとめし、特に疑惑のフィクサー・秋山直紀被告が事務局長を務めた防衛族サロン「安全保障議員協議会」と社団法人「日米平和・文化交流協会」をめぐる疑惑、そしてミサイル防衛の利権に食い込む三菱重工を筆頭とする防衛産業の深い闇を追った渾身の労作である。

  著者の野田氏は『破壊工作   大韓航空「爆破」の真相』(宝島社)などの執筆では緻密な取材力に定評があり、田中稔氏は社民党機関紙「社会新報」の記者として癒着の現場を直撃取材してきた。

  妄想と虚飾にまみれたMD(ミサイル防衛)の利権ビジネスを追うことで日米軍需企業の醜悪群像や軍需利権政治家たちが浮かび上がる。著者たちは「『憂国』の仮面をはがし『日米同盟』の真の姿を暴きたい」と訴える。この続編も執筆中だという。
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