「嫌韓流」はリアリズムがない 朝日論調
投稿者: mcpaghd9 投稿日時: 2005/09/08 09:11 投稿番号: [11846 / 230347]
朝日新聞社「論座」2005年10月号(9/5発売)
24〜25ページ
『「嫌韓」という言葉をご存じだろうか。
読んで字の如く、
韓国朝鮮に対する強い嫌悪感のことである。
ニホンのネットでは、嫌韓の空気が極めて強い。
その中には「嫌韓厨」と呼ばれる困った人々もいる。
彼らは2ちゃんねるの韓国関連のスレッドに現れて、
韓国・北朝鮮を批判し中傷する発言を繰り返す。
七月、そんな嫌韓の担い手が熱烈に支持するベストセラーが現れた。
山野車輪の『マンガ嫌韓流』である。 『マンガ嫌韓流』は、
タイトルの通り、嫌韓をテーマとした政治マンガである。
『マンガ嫌韓流』が特異なのは、 作者がほぼ無名にもかかわらず、
ネットのクチコミで爆発的に売れたことにある。手元にある奥付を見ると
9月1日が発行日であるにも関わらず、既に三刷である。
Googleで書名を検索すると20万件以上もかかる。
ではどのような内容のものか。『マンガ嫌韓流』を
一読して印象に残ったのは、表面の熱気とは裏腹の冷笑的な空気である。
同書の主人公は「日本は韓国に悪いことをした」と信じる
平凡な高校生として登場する。彼らはのち、大学のサークルに入り、
討論会や勉強会を通して歴史観を鍛えていく。
読者は、その過程で、主人公或いはその先輩達が
韓国側の主張を次々と「論破」していくのを読むことになる。
公平を期すために言えば、そこには説得力のある議論もある。
しかし、彼らの議論は、日韓関係の改善に繋がる積極的な提案に
結びつくわけではない。
結局残るのは「歴史問題にしても竹島にしても、
韓国人はどうしてこう話が分からないんだ、
まあバカだからしょうがねえか」という諦め、 というより冷笑だけである
おそらく、嫌韓の担い手の多くは、日本の将来を具体的に
憂いているわけではない。
彼らはむしろ、韓国人の愚かさを証明し、
日本の優位を証明したい
だけなのである。
『マンガ嫌韓流』がディベートの場面を数多く挿入しているのはそのためだ。
しかもその作法は、ネットでの「ツッコミ」に近い。
だから彼らは、韓国人の歴史認識や外交姿勢を批判するだけではなく、
その奇異な発言や行動を収集し、「ネタ」にする。
そこでは、歴史認識を巡るシビアな話題と、くだらない
トリビアが共存している。 実際、嫌韓厨の韓国批判のネタには
マイナーなものが多い。
例えば昨年来、ネットでは「剣道の韓国起源説」が大きな話題となり、
『マンガ嫌韓流』でも一章が割かれている。
しかし、読者の多くはそんな主張を知りもしないだろう。
それを駆動しているのは、嫌韓厨自身の自己満足である。
その背後には、韓国への歪んだコンプレックスすら透けて見える。
そもそも、『マンガ嫌韓流』というタイトル自体、
「韓流」ブームへのアンチとして差し出されているのだ。
それにしても、嫌韓の存在は頭が痛い。幼稚な嫌韓厨を除けば、
その主張にはそれなりの根拠がある。 小林よしのりの出現以降に
育ってきた新しいナショナリズムの担い手達が抱いている不満にも
一定の説得力を感じる。 この機会にそれは表明しておこう。
しかし、外交はディベートではない。
ネタでもない。
私たちはこの日本列島に国家を構える限り、韓国と共存して
いかなければならない。
韓国をいくら言い負かしたとしても、
その地理的条件は変わらない。
隣人は怒っていて私たちは引っ越せないのだ。
嫌韓にはそのリアリズムが欠けている。』
『「嫌韓」という言葉をご存じだろうか。
読んで字の如く、
韓国朝鮮に対する強い嫌悪感のことである。
ニホンのネットでは、嫌韓の空気が極めて強い。
その中には「嫌韓厨」と呼ばれる困った人々もいる。
彼らは2ちゃんねるの韓国関連のスレッドに現れて、
韓国・北朝鮮を批判し中傷する発言を繰り返す。
七月、そんな嫌韓の担い手が熱烈に支持するベストセラーが現れた。
山野車輪の『マンガ嫌韓流』である。 『マンガ嫌韓流』は、
タイトルの通り、嫌韓をテーマとした政治マンガである。
『マンガ嫌韓流』が特異なのは、 作者がほぼ無名にもかかわらず、
ネットのクチコミで爆発的に売れたことにある。手元にある奥付を見ると
9月1日が発行日であるにも関わらず、既に三刷である。
Googleで書名を検索すると20万件以上もかかる。
ではどのような内容のものか。『マンガ嫌韓流』を
一読して印象に残ったのは、表面の熱気とは裏腹の冷笑的な空気である。
同書の主人公は「日本は韓国に悪いことをした」と信じる
平凡な高校生として登場する。彼らはのち、大学のサークルに入り、
討論会や勉強会を通して歴史観を鍛えていく。
読者は、その過程で、主人公或いはその先輩達が
韓国側の主張を次々と「論破」していくのを読むことになる。
公平を期すために言えば、そこには説得力のある議論もある。
しかし、彼らの議論は、日韓関係の改善に繋がる積極的な提案に
結びつくわけではない。
結局残るのは「歴史問題にしても竹島にしても、
韓国人はどうしてこう話が分からないんだ、
まあバカだからしょうがねえか」という諦め、 というより冷笑だけである
おそらく、嫌韓の担い手の多くは、日本の将来を具体的に
憂いているわけではない。
彼らはむしろ、韓国人の愚かさを証明し、
日本の優位を証明したい
だけなのである。
『マンガ嫌韓流』がディベートの場面を数多く挿入しているのはそのためだ。
しかもその作法は、ネットでの「ツッコミ」に近い。
だから彼らは、韓国人の歴史認識や外交姿勢を批判するだけではなく、
その奇異な発言や行動を収集し、「ネタ」にする。
そこでは、歴史認識を巡るシビアな話題と、くだらない
トリビアが共存している。 実際、嫌韓厨の韓国批判のネタには
マイナーなものが多い。
例えば昨年来、ネットでは「剣道の韓国起源説」が大きな話題となり、
『マンガ嫌韓流』でも一章が割かれている。
しかし、読者の多くはそんな主張を知りもしないだろう。
それを駆動しているのは、嫌韓厨自身の自己満足である。
その背後には、韓国への歪んだコンプレックスすら透けて見える。
そもそも、『マンガ嫌韓流』というタイトル自体、
「韓流」ブームへのアンチとして差し出されているのだ。
それにしても、嫌韓の存在は頭が痛い。幼稚な嫌韓厨を除けば、
その主張にはそれなりの根拠がある。 小林よしのりの出現以降に
育ってきた新しいナショナリズムの担い手達が抱いている不満にも
一定の説得力を感じる。 この機会にそれは表明しておこう。
しかし、外交はディベートではない。
ネタでもない。
私たちはこの日本列島に国家を構える限り、韓国と共存して
いかなければならない。
韓国をいくら言い負かしたとしても、
その地理的条件は変わらない。
隣人は怒っていて私たちは引っ越せないのだ。
嫌韓にはそのリアリズムが欠けている。』
これは メッセージ 11813 (mcpaghd9 さん)への返信です.
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