腐敗に渦巻く不満
投稿者: pichanneko 投稿日時: 2005/05/19 10:14 投稿番号: [78726 / 196466]
雲海と奇石のコントラストが美しい中国・江西省の世界遺産・慮山。草木一本採っても処罰対象となるこの地の自然保護区で、今年1月、「プール付き、トイレだけで九つ」(中国紙)などの豪華別荘の違法建築が発覚した。その数60棟以上。土地取引では、地元の農業特産品の領収証が使われ、別荘所有者には複数の共産党幹部やその親族が含まれていることが判明した。
同省は、革命根拠地の井岡山や人民解放軍発祥地の南昌を抱え、慮山でも、共産党史に残る数々の重要会議が開かれてきた。党ゆかりの地で露見した失態に、当局は即座に徹底調査を表明。だが、今も結果は公表されていない。地元住民は、言葉を濁してつぶやく。「表に出ないだけでいくらでもあるさ。でも、俺達には関係の無い話」
党中央規律検査委員会によると、2003年12月から昨年11月までに職権乱用などの規律違反で処分された党員は16万4800人。全国で規定外に幹部に割り当てられた乗用車は1万1528台。幹部が職権を利用して親族や知人に貸し付けた公金は25億元(約325億円、1元=約13円)に上る。
中国紙によると、改革・解放以来、海外等に逃亡した汚職官僚は約4000人に上り、持ち逃げされた資金は500億ドル(約5兆4000億円)を超える。海外や香港・マカオのカジノにも、大量の公金が投入されている。5月には、雲南省の貧困地区を襲った大規模地震の義援金4111万元を政府幹部が流用した事件も発覚した。
昨年、汚職で摘発された当局者数は4万人以上。表に出ない不正、腐敗の数は誰にも分からない。
"特権階級”である党幹部の腐敗問題は、「調和社会」実現に向けた大きな関門だ。発展から取り残された地方や農村では、特権への不満のマグマが渦巻いており、各地で発生する住民暴動の多くは、役人らの「横暴」に端を発している。
不満解消のため党が揚げるのは、「法治による公平正義の実現」。党員を事実上の公務員と規定する「公務員法」が来年施行されるほか、5年後をめどにした「反腐敗法」制定に向けた検討が続いている。
だが、人民政治協商会議委員として当局の腐敗対策を見ている作家の張平氏は、「役得意識に染まった官僚には、腐敗が亡党、亡国とつながっているとの危機感が無い」と警告する。
「国家や国民の財産で、お抱えマッサージ嬢に20万元の部屋を買い与えていました」ーー。女性案内員の解説に、数百人の参観者からため息交じりのどよめきが起きた。北京でこのほど開かれた「反腐敗教育展」での光景だ。汚職幹部の罪状、ざんげの表情がパネルやビデオで紹介される。案内員は、当局と取締りの成果と強調していた。
だが、特権とは無縁の北京市民たちは「彼らは完全にビョーキだが、つける薬は無い」「党が国家建設に果たした功績より、国や人民に与える損害の方が大きくなってきた」と話した。「中国共産党の腐敗は世界一だ。旧ソ連でも高級車を乗り回し、美食の限りを尽くせたのは、党員の中でごく一部だった。われわれには金が無い、将来も無い、指導者が嫌いでも選ぶことも出来ない・・・」
這い上がろうにも這い上がれない、社会の下層に属す市民は、おくすることなく、不満をぶちまけた。
(北京 竹腰雅彦)
読売新聞5月19日朝刊 中国の模索
同省は、革命根拠地の井岡山や人民解放軍発祥地の南昌を抱え、慮山でも、共産党史に残る数々の重要会議が開かれてきた。党ゆかりの地で露見した失態に、当局は即座に徹底調査を表明。だが、今も結果は公表されていない。地元住民は、言葉を濁してつぶやく。「表に出ないだけでいくらでもあるさ。でも、俺達には関係の無い話」
党中央規律検査委員会によると、2003年12月から昨年11月までに職権乱用などの規律違反で処分された党員は16万4800人。全国で規定外に幹部に割り当てられた乗用車は1万1528台。幹部が職権を利用して親族や知人に貸し付けた公金は25億元(約325億円、1元=約13円)に上る。
中国紙によると、改革・解放以来、海外等に逃亡した汚職官僚は約4000人に上り、持ち逃げされた資金は500億ドル(約5兆4000億円)を超える。海外や香港・マカオのカジノにも、大量の公金が投入されている。5月には、雲南省の貧困地区を襲った大規模地震の義援金4111万元を政府幹部が流用した事件も発覚した。
昨年、汚職で摘発された当局者数は4万人以上。表に出ない不正、腐敗の数は誰にも分からない。
"特権階級”である党幹部の腐敗問題は、「調和社会」実現に向けた大きな関門だ。発展から取り残された地方や農村では、特権への不満のマグマが渦巻いており、各地で発生する住民暴動の多くは、役人らの「横暴」に端を発している。
不満解消のため党が揚げるのは、「法治による公平正義の実現」。党員を事実上の公務員と規定する「公務員法」が来年施行されるほか、5年後をめどにした「反腐敗法」制定に向けた検討が続いている。
だが、人民政治協商会議委員として当局の腐敗対策を見ている作家の張平氏は、「役得意識に染まった官僚には、腐敗が亡党、亡国とつながっているとの危機感が無い」と警告する。
「国家や国民の財産で、お抱えマッサージ嬢に20万元の部屋を買い与えていました」ーー。女性案内員の解説に、数百人の参観者からため息交じりのどよめきが起きた。北京でこのほど開かれた「反腐敗教育展」での光景だ。汚職幹部の罪状、ざんげの表情がパネルやビデオで紹介される。案内員は、当局と取締りの成果と強調していた。
だが、特権とは無縁の北京市民たちは「彼らは完全にビョーキだが、つける薬は無い」「党が国家建設に果たした功績より、国や人民に与える損害の方が大きくなってきた」と話した。「中国共産党の腐敗は世界一だ。旧ソ連でも高級車を乗り回し、美食の限りを尽くせたのは、党員の中でごく一部だった。われわれには金が無い、将来も無い、指導者が嫌いでも選ぶことも出来ない・・・」
這い上がろうにも這い上がれない、社会の下層に属す市民は、おくすることなく、不満をぶちまけた。
(北京 竹腰雅彦)
読売新聞5月19日朝刊 中国の模索
これは メッセージ 1 (messages_admin さん)への返信です.
固定リンク:https://yarchive.emmanuelc.dix.asia/1143582/ffccf4x78_1/78726.html