日中関係

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産経新聞社説

投稿者: buuncyoukyuu 投稿日時: 2005/04/16 19:15 投稿番号: [56656 / 196466]
■【主張】反日デモ   中国リスクの本質に目を

  日系企業襲撃に発展した中国の反日デモが収束しない。日本の国連安保理常任理事国入り問題などが理由だが、その底流には貧富の差拡大という政府自体への不満があるからだ。中国特需に酔った産業界は、改めて中国リスクの根深さを認識しておきたい。

  日系企業の襲撃は飲食店からスーパー、製造業まで及んでいる。インターネット上では日本製品不買運動の呼びかけもある。沿海部の一人当たり国内総生産(GDP)が中進国並みに達し消費市場が急拡大しているだけに、産業界はショックだろう。

  しかし、日本企業のリスク認識が甘かった面は否定できない。中国の世界貿易機関(WTO)加盟と前後して加速した進出はデフレ対応戦略ではあったが、当時、中国リスクを認識していたのは大企業でも数%に過ぎない。

  二年前には新型肺炎(SARS)の拡大で松下電器産業などの工場が一時停止に追い込まれ、中国への一国集中リスクが指摘された。それでも中国特需の喧伝(けんでん)で進出は衰えなかった。

  中国が米国と並び日本の最大の貿易相手国となったのはこのためだが、それは逆に多大なリスクを抱え込んだことを意味する。原材料の高騰もさることながら、産業界は進出企業が“人質”になったことで、安すぎる人民元の切り上げさえ口に出せない。

  さすがに今回は投資を一時的に手控える動きに出ているが、リスクはSARSとは比較にならないほど大きいし根深い。「反日」の裏には社会主義市場経済の帰結である貧富の差拡大に対する不満が膨らんでいるからだ。

  デモには貧しい内陸部からの出稼ぎ者や国有企業の労働者が多数参加しているという。社会主義市場経済で被害を受けたか、その恩恵が少ない人々だ。たとえ今回のデモが沈静化したとしてもその不満は消えないし、矛先はいつ政府に向くか分からない。

  中国が力による制圧手段をとらない背景にはこうした事情もあるが、このままでは高成長の原動力である米欧を含む直接投資に多大な影響が及ぶ。仮に資本逃避などの事態になれば、中国経済は間違いなく破綻(はたん)する。

  中国リスクの本質はこの経済統治の危うさにある。反日デモは皮肉にもその危うさを増幅させたのである。
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