日中関係

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朝日新聞社説

投稿者: buuncyoukyuu 投稿日時: 2005/04/16 19:12 投稿番号: [56641 / 196466]
日中会談   まず投石事件に決着を

  日中の外相会談があす北京で開かれる。デモ隊による日本大使館への投石事件をめぐって両国が対立するなか、外交の責任者が直接、言葉を交わす。

  中国国内では、週末に新たなデモをするとの情報が広がっている。町村外相の訪中に合わせたデモの呼びかけも流れた。双方がじっくりと話し合えるよう、安全で落ち着いた環境を整えることを中国当局に求めたい。

  会談での懸案は多い。反日活動だけではない。東シナ海の天然ガス田の開発をめぐっては、日本政府が企業に試掘権を認可する手続きに入り、中国側が強く抗議する声明を出したばかりだ。北朝鮮の核問題をめぐる6者協議も開かれないまま、もうすぐ1年になる。日本の歴史教科書の検定や小泉首相の靖国神社への参拝をめぐる対立も深刻だ。

  厳しいやりとりは避けられそうにないが、まず中国側が投石事件への責任を明確に認めることが会談を進める前提になる。一国の大使館が夕刻から深夜まで被害にさらされていながら、警官隊は制止しなかった。それにもかかわらず、中国外務省が「責任は中国側にない」としていることに日本国民は憤っている。

  外交使節を受け入れた国は、その公館を守るために、適切なすべての措置をとる。それは国際法の明確な義務である。

  しかし、本社の取材では、警官隊はデモ隊を日本大使館の方向へ誘導していたことまで明らかになっている。

  中国政府は日本側の歴史認識に原因があるといわんばかりの主張を続けている。日中間において歴史問題が重要であることは私たちも訴えてきた。だが、たとえ反日デモの背景に歴史問題があったとしても、大使館が被害にあうのを黙認した責任は免れない。

  それさえも認めないようでは、中国側がどんな主張をしようとも、国際的な説得力を失うだろう。第三者の立場にある米国務省の報道官も「中国は北京の外国公館に対する暴力を防ぐ責任がある」と明言している。

  99年にユーゴスラビアで起きた中国大使館への爆撃事件に対する抗議デモで北京の米大使館が被害を受けたことがある。この時には中国政府は補償に応じている。中国は今度の騒ぎに加わった者を拘束したと伝えられる。ならば一歩進めて、責任問題や補償を早急に決着させてもらいたい。

  世界はこうした日中の対立をどう見ているのだろうか。報道を見る限り、中国当局の対応を批判しながらも日本への注文もつけている。

  「日本が長年、侵略された隣人の感情を傷つけている」(南ドイツ新聞)、「小泉首相は戦没者を慰霊する別な方法を見つけることで、真の改革者であることを証明すべきだ」(英タイムズ)。

  欧米でも多くの国が隣国などとの歴史問題に悩み、知恵をしぼって解決に努力してきた。日本に向けられる目も決して甘くないことを忘れてはなるまい。
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