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もう一度!

投稿者: whitered2530 投稿日時: 2003/11/19 15:04 投稿番号: [29670 / 196466]
(3) 中華思想の恐怖

  以上、元朝・清朝の二例を検討すれば明らかなように、中国がチベットを直接支配したと主張する時代には、多くの共通点が見られる。両方とも漢民族の王朝ではないし(元朝はモンゴル人、清朝は満州人)、また、両王朝の支配によってチベット社会が変革を加えられたということはなく、むしろその後援によってチベット文化が富み栄えていたという点である。
  この二王朝と現在の中国のチベット支配を比べてみれば、その差は一目瞭然である。1950年以後、漢民族がチベットに対して行ってきた文化の組織的破壊、民族差別、王様が乞食にものをなげあたえるような経済援助は、過去二王朝の時代のチベット・中国関係では決して行われたことのなかった劣悪な行為である。この違いは現代中国が漢民族によって運営されていることから生まれたものだ。漢民族は儒教文化のもとで中華思想という歴史理論を育んできた。中華思想とは、天下にはただ一つ中国という国しかなく、文明は中国文明しかないと考え、周辺の未開の諸国はいずれ文明化して中国と同化するか、野蛮なまま中国文化の侮蔑の対象となるしかないという偏狭な大国思想である。この論理のもとでは、文明の多様性は認められず、主権をもった複数の国家が存在する国際社会などは許容されない。この思想は、成立した当初の春秋戦国時代ならいざ知らず、西洋文明の存在があり、かつ、東アジアにいくつもの文明が生まれ育っている現在、とうてい有効であるはずもない。しかし、残念ながら現代中国がチベット問題について語る際に持ち出してくる歴史的認識は、明らかにこの中華思想に基づいたものなのである。チベット仏教を迷信として見下すことは漢民族の生理であり、「チベットは歴史的に言って中国の不可分の一部である」という主張は、彼らの中華思想に基づけば真なのである。
  しかし、もし、中国がチベット問題を平和裏に解決したいのであれば、国際的に通用しない中華思想をふりかざすよりも、まず、過去の皇帝達の行いにならってチベット文化に対する理解と、相手に対する尊重の気持ちをもち、その上で誠実にチベットと向き合うことであろう。実は、現代中国は1980年代後半より、わりとそのような路線をとりはじめているのですが、それについてはまた今度 (今度はあるのか?)。

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