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世界はイデオロギーから「実利主義」へ

投稿者: k_g_y_007_naoko 投稿日時: 2008/07/02 18:50 投稿番号: [166320 / 196466]
投稿者:爺

ほう、なかなかの見識である↓

【正論】神谷不二   イデオロギーから「実利主義」へ
06/12 04:48更新

  幕末から明治にかけて歴史に大きな足跡を残した勝海舟は、「時勢」とか「機運」ということをよく口にした。たとえば晩年の回顧談『氷川清話』の中でも、「西郷でも木戸でも大久保でも、個人としては別に驚くほどの人物でもなかったけれど、彼らは王政維新という機運に乗じてきたから、おれもとうとう閉口したのよ」などと語っている。

  今日、世界は20世紀から21世紀への大きな転換に直面しているわけだが、この現代世界の機運をわれわれはどう捕らえるべきだろうか。第1に、それは政治から経済への転換であろう。言葉を換えれば、イデオロギーないし原理主義から現実主義ないし実利主義への転換である。

  20世紀は3つの世界的規模の紛争によって特徴づけられた。第一、第二の両大戦と、これに続く東西冷戦がそれだった。それらはいずれも世界を二分して戦われた体制間闘争であり、経済的相対的な利害よりも政治的絶対的な存否をかけた闘争だった。

  ソ連と共産主義イデオロギーの全面崩壊以後、しかし、国際紛争の様相は一変した。政治的体制の存否をめぐる原理主義的目標は、経済的利害をめぐる実利主義的目標に取って代わられた。

  21世紀的機運の第2は、前世紀に猛威を振るった過激で偏狭なナショナリズムが克服され、温和で開放的なグローバリゼーションが発展したことである。先鋭な国益至上主義は次第に柔軟な国際主義との妥協を図るようになった。

  ≪領土への関心は低下≫

  このような21世紀の機運が、昨今東アジアで急速に展開されつつあるのは、まことに心強いことである。韓国のデモクラシーは、金大中、盧武鉉の10年にわたる原理主義的民族至上路線を見事にはね返して、李明博の実用主義的国際協調経済路線への歴史的転換を成しとげた。

  しかも、プラグマティズムの勝利は韓国だけではなかった。台湾の総統選挙における馬英九の勝利も同様に、東アジアの一角における新しい機運の表れにほかならぬ。陳水扁の性急狭小なナショナリズムに代わって、台湾の民意は、イデオロギーよりも経済を重視し、「三つのノー(統一せず、独立せず、武力行使せず)」を機軸とする馬英九の現状維持路線に、圧倒的な軍配を上げたのであった。

  韓台に比べて中国の現状はどうか。この国は四半世紀来、経済の分野で現代的機運に乗り過ぎるほど乗っている。加えて北京五輪と上海万博を目前に控え、今や押しも押されもせぬグローバル・パワーを誇るかに見える。とはいえ、政治の視覚からすれば、この国は旧時代的機運から依然として脱却しかねているのではないか。最大の問題はその旧(ふる)い領土観であろう。

  国家はその目標として、領土、安全、軍事力、経済力などの価値(国益)を追求する。そのうち古来もっとも重視されたのは領土だった。18、19世紀のヨーロッパ列強は植民地獲得に血まなこになったし、20世紀前半には「持たざる国」が「持てる国」に領土の割譲を要求した。

  だが第二次世界大戦後、諸国は領土拡張に軒並み関心を失った。今日、かりに植民地の無償供与を申し出られても、それを固辞しない国はほとんどあるまい。領土を拡張して少数民族問題を抱え込んだりすれば、耐えがたい負担になるにちがいないからだ。

  ≪旧時代機運のこる中国≫

  現代世界のかかる機運に背を向けて、しかし、中国は今日もなお領土拡張を対外政策のトップにランクしている。旧満州や旧内モンゴルは今さら問わないが、それだけでは満足せず、チベットも新疆ウイグルも、さらには台湾までも、「一つの中国」の部分であると強弁して止(や)まぬ。それは疑いもなく、旧時代の機運である領土的帝国主義にほかならない。

  経済グローバリゼーションの波に乗りながらも古い独裁政を捨てない国家的体質と、盾の両面をなすものだ。

  かつてソ連は、社会主義民族理論によってロシア人の支配権力と少数民族の自決権との対立を解消したと主張した。だが、それは結局、強権による民族弾圧政策以外の何物でもなかった。ソ連共産主義帝国は崩壊後15の民族国家に分裂した上、チェチェン問題などがまだ残っている。

  冷戦期の国際推理作家として名を馳(は)せたフレデリック・フォーサイスの『悪魔の選択』(1979年)はウクライナ民族の秘密独立運動から筆を起こした。最初はそれを半信半疑で読み始めたが、誇張でも捏造(ねつぞう)でもないことをやがて知った。同じことが中華共産帝国でも起きない道理はなかろう。(かみや   ふじ=慶応大学名誉教授)
http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/column/152411/ >http:
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