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Re: 恐るべき格差世界3

投稿者: takachanshopyo 投稿日時: 2008/05/16 16:20 投稿番号: [163248 / 196466]
もちろん、これよりも、さらに退屈なサーバの保守運用業務でも、大きな生産性の違いが出ます。



たとえば、定期的にサーバのデータのバックアップを取る退屈な作業があるとします。

無能なエンジニアは、定期的に手動で、コマンドを打ってバックアップを取ります。



しかし、有能なエンジニアは、たとえば、ネットワークにつながっているサーバ同士で、定期的に自動的にバックアップを取り合うようなスクリプトを仕込みます。

そして、そのスクリプトがきちんと動作していることを、一発で確認するためのスクリプトも用意しておきます。

これによって、バックアップ作業自体がなくなり、また、バックアップ作業がきちんと行われているかの確認作業ですら、一瞬で終了するようになります。



ようするに、有能なエンジニアは、そもそも全体的なアーキテクチャやフレームワーク自体の構造を作り替え、仕事自体を無くしてしまいます。また、残った仕事も、極限まで自動化してしまいます。



こうして、「誰にでも出来るつまらない仕事」をさせたとき、有能なプログラマと無能なプログラマで、生産性に桁違いの差が出るのです。



しかも、困ったことに、有能なエンジニアが「誰にでも出来るつまらない仕事」を通常の人間の数十倍の生産性で片づけるとき、そのエンジニアは、その仕事に面白みを感じてしまうのです。



これは恐ろしいことです。

なぜなら、ITエンジニアの世界では他の職業に比べ、必要とされる凡庸な人間の数がはるかに少ないことを意味するからです。

この記事で揶揄したようなゴッドランド(わずかな超資本エリートと、その他の多数の貧しい底辺の人々)の経済に近い世界が生まれやすいからです。



しかし、大多数の平凡なプログラマにとって幸いなことに、プログラマ以外で、このことを実感として理解できている人はほとんどいません。

また、理解できていたとしても、実際に、どのプログラマがどれくらい有能で無能なのかは、ろくに判別できません。



そして、仕事の成果からも、それは判別できません。

仕事が理想通りの納期でできたとしても、それが、もともとその仕事が簡単だったから、凡庸なプログラマでも上手くいったのか、それとも、有能なプログラマの超人的な働きがあったからこそ、その仕事が成功したのか、エンジニア以外には、なかなか判別できないからです。

また、同じプロジェクト内で、誰がどれだけ貢献したかも、藪の中です。

有能なプログラマが、凡庸なプログラマでは30倍の時間をかけても出来ないような難解な部分を担当したから、プロジェクトが成功したのだとしても、それは、ゆるやかにしか給料には反映されない仕組みになっています。



このため、実際の生産性の差は、プログラマの賃金には非常にゆるやかにしか反映されません。

また、もし、ホワイトカラーエグゼンプションが導入されても、それは単にサービス残業を合法化するための道具にしか使われないでしょう。なぜなら、成果評価ができないのですから。



しかし、恐ろしいことに、一部の外資やベンチャーは、有能なエンジニアに部下のエンジニアの成果評価を手加減なくやらせることで、この藪を焼き払い、裸の生産性を白日の下に晒そうとしています。



このため、そういう会社では、エンジニアの給料がかなり高くなっていきます。

なぜなら、有能なエンジニアを高給で雇う方が、単位時間あたりの生産性が世間相場的にお買い得なので、そもそも高く有能なエンジニアばかり雇おうとするからです。

一部の弱小ベンチャーは、この差額で利益を出しているところすらあります。



もし、有能なエンジニアが、いっせいにそういう外資やベンチャーに転職しはじめたら、藪の中で比較的幸せな日々を送っていた平凡なプログラマたちの今の生活は、崩壊しかねません。



だから、有能なエンジニアに対して、自分の能力に見合った給料をもらえる外資やベンチャーへの転職を進めるというのは、普通のエンジニアにとっては、自分で自分のクビを絞めるようなものなのです。
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