チベット問題に中国の本質を見た
投稿者: shinnosuke19j 投稿日時: 2008/03/18 12:56 投稿番号: [157031 / 196466]
チベット問題に中国の本質を見た 05:42
チベットで大規模な暴動が起きた。中国は軍隊や武装警察を大動員して鎮圧に全力を挙げている。だが、今後の成り行きは予断を許さない。「平和の祭典」北京五輪を控え、中国もイメージダウンやボイコット運動の広がりを恐れ、かつてのような露骨な武力弾圧はしにくいと思われるからだ。
世界中の亡命チベット人らによる抗議活動も、北京五輪という特別な状況のもと、今年は拡大こそすれ簡単には収まりそうにない。夏にかけ、チベット問題は再び国際問題の大きな焦点となりそうである。
チベット問題は中国共産党の狙いや本質を見るうえで重要な手がかりを含んでいる。隣国日本としても将来の危険に備え、その本質を知っておく必要がある。チベットに関する中国共産党の3つの罪悪を見ておきたい。
●第1は、まだあまり一般的にはなっていないが、中国によるチベットへの移住政策の推進である。
今年3月10日のチベット人民蜂起49周年記念日=1959年のチベット人民による蜂起とダライ・ラマ14世(72)のインド亡命を記念する日=にダライ・ラマ14世が発表した声明にも指摘がある。
14世は「中国の(人口)流入政策の結果、チベットに移住した非チベット人の数は何倍にも増加し、チベット人は自国にいるにもかかわらず微々たる少数派へと減じています。チベット語、チベットの文化、伝統などチベットの本質やアイデンティティーが徐々に消滅しています」と、中国人移民政策による危機を訴えた。
13億の民を持つ中国が、人口を武器に拡張主義を続ければ、周辺地域はしだいに民族的にも文化的にも中国人の地になってしまう。計画的なら恐るべき計略と言わざるを得ない。
中国は新彊(しんきょう)ウイグル地区や内モンゴルでも同様な政策を進めており、計画的なのだろう。台湾でも大陸からの花嫁や定住者の増加で、同様の懸念が聞かれ始めている。
● 第2の問題点は、中国によるチベット文化の破壊だ。とりわけ人類の財産ともいうべきチベット仏教の破壊は深刻である。元朝日新聞北京支局長、堀江義人氏の著書『天梯(てんてい)のくにチベットは今』(平凡社)によれば、1958年に2711あったチベット自治区内の寺院数は、文化大革命が終わる76年にはわずか8寺院にまで減り、僧尼の数も同じ期間に31万6231人からわずか800人へと激減した。
毛沢東(もうたくとう)(1893〜1976)時代の「宗教は役立たず、僧侶は寄生虫」「共産党の任務は宗教を消滅させることだ」というスローガンが実行された格好だ。トウ小平(1904〜1997)の改革開放時代以降、寺院、僧尼数は回復しつつあるが、チベット仏教は中国共産党による厳重な宗教管理のもとに置かれ、僧たちへの政治思想教育も義務づけられている。
● 第3はいうまでもなく、1951年の中国人民解放軍によるチベット侵攻以後のチベット人に対する残忍な弾圧、人権蹂躙(じゅうりん)の数々である。
チベット亡命政府によれば、中国の弾圧によるチベット人の死者は、毛沢東時代を中心に120万人以上に上るという。『中国はいかにチベットを侵略したか』(マイケル・ダナム著、講談社)など、中国のチベット侵略を告発する本が伝える拷問、性的暴行、殺戮(さつりく)の様子は正視に耐えない。いまも続いているという報告もある。中国には他の軍隊を批判する資格などまったくないのである。
(論説委員 矢島誠司)
チベットで大規模な暴動が起きた。中国は軍隊や武装警察を大動員して鎮圧に全力を挙げている。だが、今後の成り行きは予断を許さない。「平和の祭典」北京五輪を控え、中国もイメージダウンやボイコット運動の広がりを恐れ、かつてのような露骨な武力弾圧はしにくいと思われるからだ。
世界中の亡命チベット人らによる抗議活動も、北京五輪という特別な状況のもと、今年は拡大こそすれ簡単には収まりそうにない。夏にかけ、チベット問題は再び国際問題の大きな焦点となりそうである。
チベット問題は中国共産党の狙いや本質を見るうえで重要な手がかりを含んでいる。隣国日本としても将来の危険に備え、その本質を知っておく必要がある。チベットに関する中国共産党の3つの罪悪を見ておきたい。
●第1は、まだあまり一般的にはなっていないが、中国によるチベットへの移住政策の推進である。
今年3月10日のチベット人民蜂起49周年記念日=1959年のチベット人民による蜂起とダライ・ラマ14世(72)のインド亡命を記念する日=にダライ・ラマ14世が発表した声明にも指摘がある。
14世は「中国の(人口)流入政策の結果、チベットに移住した非チベット人の数は何倍にも増加し、チベット人は自国にいるにもかかわらず微々たる少数派へと減じています。チベット語、チベットの文化、伝統などチベットの本質やアイデンティティーが徐々に消滅しています」と、中国人移民政策による危機を訴えた。
13億の民を持つ中国が、人口を武器に拡張主義を続ければ、周辺地域はしだいに民族的にも文化的にも中国人の地になってしまう。計画的なら恐るべき計略と言わざるを得ない。
中国は新彊(しんきょう)ウイグル地区や内モンゴルでも同様な政策を進めており、計画的なのだろう。台湾でも大陸からの花嫁や定住者の増加で、同様の懸念が聞かれ始めている。
● 第2の問題点は、中国によるチベット文化の破壊だ。とりわけ人類の財産ともいうべきチベット仏教の破壊は深刻である。元朝日新聞北京支局長、堀江義人氏の著書『天梯(てんてい)のくにチベットは今』(平凡社)によれば、1958年に2711あったチベット自治区内の寺院数は、文化大革命が終わる76年にはわずか8寺院にまで減り、僧尼の数も同じ期間に31万6231人からわずか800人へと激減した。
毛沢東(もうたくとう)(1893〜1976)時代の「宗教は役立たず、僧侶は寄生虫」「共産党の任務は宗教を消滅させることだ」というスローガンが実行された格好だ。トウ小平(1904〜1997)の改革開放時代以降、寺院、僧尼数は回復しつつあるが、チベット仏教は中国共産党による厳重な宗教管理のもとに置かれ、僧たちへの政治思想教育も義務づけられている。
● 第3はいうまでもなく、1951年の中国人民解放軍によるチベット侵攻以後のチベット人に対する残忍な弾圧、人権蹂躙(じゅうりん)の数々である。
チベット亡命政府によれば、中国の弾圧によるチベット人の死者は、毛沢東時代を中心に120万人以上に上るという。『中国はいかにチベットを侵略したか』(マイケル・ダナム著、講談社)など、中国のチベット侵略を告発する本が伝える拷問、性的暴行、殺戮(さつりく)の様子は正視に耐えない。いまも続いているという報告もある。中国には他の軍隊を批判する資格などまったくないのである。
(論説委員 矢島誠司)
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