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草津珍彦 (神道学者)

投稿者: supernova_firewood 投稿日時: 2008/03/03 04:48 投稿番号: [155051 / 196466]
草津珍彦   (神道学者)
  「日本の戦時指導者をいささか酷評するとすれば、かれらの中には『征服』の野望を秘めて『解放』の教義を説いた者が少なくないともいひうるであらう。
かれらは決してヒットラーのごとく傍若無人に率直大胆に強者の権利を主張しえなかつた。
天皇の精神的権威はそれを許さなかつた」
 

「これは日本とドイツとの大きな開きである。
仮に征服の野望を秘めてゐる者が、その野望によつて行動したとしても、かれは常に解放の教義を無視しえない。
そこには大きな自己制約の力が作用した。
しかも日本国民は、その解放の教義を信じうる限りにおいてのみ、忠勇義烈の戦闘意識を発揮しえた。
国民の意識は、天皇の精神的伝統的権威と結びついて、目に見えざる大きな圧力となつて、戦時指導者に、間接的ではあるが大きな制約を加へてゐることを見失つてはならない」
 
「日本帝国が掲げた『大東亜共栄圏』の精神は、いかなるものであつたか。そこには日本人の侵略的植民地主義の影がなかつたとは云ひがたい。東洋における欧州的一新帝国を目標として成長して来た日本の政府や軍の体質の中には、それは当然に強力に存在するものであつた。
だがそれと同時に日本民族の中に脈々として流れた日本的道義の意識、アジア解放の悲願の存在したことも無視してはならない。
そこには清くして高きものと、濁りて低きものとが相錯綜し激突しながら流れて行つた」
 
「日本人の書く大東亜戦争史が、祖国と東洋の独立と解放を志して、男々しくその生命を捧げた忠烈の勇士たちの心情に対して、非礼であることは許されない」
 
『明治維新と東洋の解放』より
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