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中国で発刊停止の氷点が日本で出版

投稿者: fumittiposupemomo 投稿日時: 2006/06/02 18:05 投稿番号: [116763 / 196466]
「氷点」事件、日本で出版   中国2政治局員が停刊指示?

≪海外反響に当惑、党収拾≫
  【北京=野口東秀】中国共産主義青年団(共青団)機関紙「中国青年報」の付属紙「氷点週刊」が今年1月、停刊処分を受けた事件で、編集主幹を解任された李大同氏が事件の顛末(てんまつ)を詳述した本が近く日本で出版される。李氏はその中で、王兆国、劉雲山両政治局員が処分を指示、「宣伝担当の政治局常務委員」(李長春氏)が承認した可能性を指摘。処分直後に「復刊」という妥協に出た背後には、国際的反響に当惑した最高指導部の意思決定があったとの見方を示している。

  「『氷点』停刊の舞台裏−問われる中国の言論の自由」と題した日本語版(三潴正道監訳、日本僑報社)刊行を前に、産経新聞は全文を入手した。


  氷点事件は、李大同氏がブログやメールで当局側の圧力など内部の動きを公開、徹底抗戦に出た点で、従来の言論弾圧事件とは異質の展開になったが、同書は、実名入りで当局とのやり取りや内部の会議・文書記録なども公表し、事件の全容に迫っている。


  その中で注目されるのは、党中央宣伝部がかねて「氷点」を目の敵にし、1月11日付の同紙に中山大学の袁偉時教授の歴史教科書批判論文が掲載された後、氷点つぶしに素早く動いたことだ。


  同部報道局宣伝処の「月報」は13日に批判を開始、20日付の同局の「報道批評」では、袁論文を全面批判する一方、「主流の認識に反する文章をたえず掲載、思想陣営に誤った観点をまき散らしてきた」として「氷点」へ攻撃の矛先を向けた。


  24日に宣伝部が「氷点」の停刊を命令した後、李大同氏が公開抗議文を発表、内外の著名人らの抗議が続いた経緯は海外で広く報道された(中国国内は報道禁止)。しかし処分決定に直接関与した指導者名は憶測の域を出なかった。


  李大同氏は、共青団指導部より上位の関与を疑い、中国青年報のトップに「だれの指示か」とたずね、1度は回答を拒否されるが、2度目に共青団を指導する権限を持つ王兆国、党宣伝部長の劉雲山の両政治局員だったと聞かされる。


  当局側はウェブサイト会社に命じ、李氏のブログを閉鎖させるなど「口封じ」に出たが、処分から2週間後の2月8日、共青団の周強第1書記(党中央委員)が青年報社を訪問、同社幹部や「氷点」関係者と異例の長時間会談をする。


  同書収録の会談記録からは、党中央が国外のサイトによる「中国の社会主義制度や指導者への攻撃」に当惑、李大同氏らの解任と引き換えに復刊させ、事態収拾を図る意図がうかがえる。4月訪米を控えた胡錦濤国家主席の早期解決指示があったとみられている。


  李氏は同書で、中国で続く報道干渉の実態も明かし、「氷点」事件で当局と対決したのは、「言論の自由を摘み取ろうとする官僚の卑劣な行為をさらけだし、歴史の記録に残すため」と述べた。本書は中国ではむろん出版されない。




  ■『氷点』事件   『氷点』は、中国共産党の下部組織、共産主義青年団の機関紙「中国青年報」が発行する週刊紙。歯に衣(きぬ)を着せない論調で知られ、中国の歴史認識を批判する袁偉時教授(中山大学)の論文を掲載したことを理由に1月下旬、停刊処分となった。当時の編集主幹は李大同氏。停刊処分をめぐり多くの知識人や党の元高官らが処分の違法性と言論弾圧を公開書簡などで相次ぎ非難、復刊を要求した。それに折れる形で当局は復刊を宣言した。


【2006/06/02 東京朝刊から】

(06/02 08:01)
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